カテゴリー別アーカイブ: 音楽〜聴く・観る・読む

「あのまりあ Quartet ライブ&セッション」に行ってきた。

いわゆるオーセンティックなジャズ(という言い方でいいんだろうか?)というと、スタンダードナンバーで奏者がかわるがわるアドリブを取る、というイメージでしょうか。
が、私はオリジナルを演るジャズが好きなんですよね。
例えばモンクの音楽を聞いていると、各奏者のアドリブよりも「ああモンクだなー」という感じの方が強かったりします。
まあ、もちろんオリジナルなら何でもいいというわけではないですが。。。

※これはピアノソロだしアドリブらしいアドリブがあるわけではないので「いわゆるオーセンティックなジャズ」ではないかもしれませんが。。。

ほとんど自作曲しか録音しなかった(って、たった3枚だし全部ピアノトリオだけど)ハービー・ニコルズとかも大好き。

先週末に「あのまりあ Quartet ライブ&セッション」に行ってきました。
「人生初のリーダーライブ」とのこと。あれだけ長い間DTMからジャズ、ロック、ファンクまでさまざまなジャンルで活躍してきたあのまりあさんが人生初というのもちょっと信じられない感じですが。。。

ライブは以下の3部構成でした。
1部 “songs written by anomaria”
2部 “introducing amazing Tomoko Niwa by anomaria”
3部 “jam session”

というわけで、もちろん私の目当ては1部。全曲あのまりあさんのオリジナル曲!
当日は全曲の譜面が配られたのは、あのまりあさんらしいサービス精神というか、ジャズならではというか。
バラードあり、ワルツあり、ブルースあり、ラテンありと、引き出しの多さを感じさせる曲の数々。凝るところはすごく凝っているけど、親しみやすさを失わないのも人柄を感じさせます。一方、第2部で「どS」と言われていた進行ぶりも楽しく、和気藹々とした良いライブでした!

次は、楽器を次々と持ち替えるとか、ピアノソロをゴキンゴキンとぶちかますとか、何でもありなライブも見てみたいような。

[`evernote` not found]

yojikとwandaの新作「Summer Gift」


先日リリースされた本作は、その音楽的実力をもって極めてバラエティ豊かな音楽をどんどん創造しどんどん変化させつづけてきたyojikとwandaの活動の姿を、今までにないくらいよく捉えた作品だと思います。もちろん全貌というわけにはいかないけど。

まず大元となった三曲からしてすでに多様です。ポップな「ナツ」、ジャジィな「夜は終わらない」、そしてダークな倦怠感が切ない「午前5時」。
そしてそれらの三種三様なリミックス。
さらにボーナストラックが12曲。ある意味、ライブでは目の当たりにしていたもののこれまで録音物にはなっていなかった部分ががっつり。

こんなに好き放題やったらライブとか演奏が破綻しそうなものだけど、そこをやっつけてしまう現場力のようなものがyojikとwandaの最大の強みというか個性なんだろうと思います。

いつもだったらAmazonのリンクを張るところだけど、こういう作品は愛情を持って応援しているところから買いたいように思うので、興味を持った人はまずはyojikとwandaのサイトに行ってみましょう。

[`evernote` not found]

Prefab Sprout “America”

今日ミュージックマガジンを買って読んだら、Prefab SproutのPaddy McAloonが新曲”America”を弾き語りした動画が3/3にYouTubeにアップされたとのこと。
ぶったまげてさっそく見に行っただよ。
これか。

DublinもMercyもそうだけど、このひとの弾き語りはすばらしい。滅多にやらないけど。
これでちゃんと言葉がわかれば。。。
(冒頭は、
America America Liberty welcomes everyone
America America now she is blessing in the sun
Don’t reject the stranger knocking at your door
?? the orphan child exile by war
みたいな感じだろうか)

※追記
歌詞がここにあった。
blessingじゃなくてblushingだった(ガックリ)。

※さらに追記。
The Guardianの記事「Why Prefab Sprout’s return with America is a whim and a wonder」

[`evernote` not found]

後期高齢者の音楽

去年の11月から2ヶ月もさぼってしまい、なんと今年最初の投稿ということになってしまいました。
というわけで、本年もよろしくお願いします。

*****************

2003年にジョアン・ジルベルトが72歳で初来日して以来、2004年(73歳)、2006年(75歳)と比較的コンスタントに来日を続け、元気だなーと思っていたんですが、2008年(77歳)の来日公演は体調不良で中止。
そのときから何となく、
「見たいアーティストは後期高齢者になるまでに見ておこう」
と思うようになりました。

それにしても去年は多くのミュージシャンが亡くなった年でした。
まあ、60年代後半から70年代前半のロック興隆期に活躍した世代が70歳くらいになったわけで、亡くなる人が増えるのは確率的に仕方のないことではあります。
(でも、なんだかそれにつられるようにして(違)、プリンスとかジョージ・マイケルまで亡くなってしまうのはいかがなものかと思えて仕方がありませんが)。
一方、もっと上の世代で亡くなった人もいます。例えばレナード・コーエン(享年82歳)とか。

レナード・コーエンという人については、それほど熱心に聞いてきたわけではありません。ファーストアルバムとベストアルバムを持っているくらい。
でも、遺作となった「You want it darker」がなんだか気になって、買ってみました。静謐で哀愁をただよわせた演奏をバックに、超低音ヴォイスでつぶやくような唄。たぶん自分の死と向き合う内容なんだろうなと思わせる音楽。まだ歌詞は読んでいませんが、あとでゆっくり時間をかけて読んでみたい。

そういえば去年は、何人かの後期高齢者が新作を出した年だとも言えるかもしれません。
たとえばシャーリー・コリンズ(82歳)が37年ぶりの新作「Lodestar」をリリース。こちらも聞いてみましたが、昔に比べて声の音域が1オクターブくらい下がってました。でも、それほど気にならずこういうもんだと思って聞くことができたのは、トラッドというジャンルのせいなのか木訥とした歌い方のせいなのか。

ウィズ・ジョーンズ(78歳)も昨年、ラルフ・マクテル(73歳)と組んで「About time」というアルバムを出しました。
そのことに気づいたのはごく最近で、慌てて買って聞いてみましたが、ギターもバリバリ弾いているし、優しげな声も相変わらずで嬉しい限り。

そして、今年後期高齢者になるデヴィッド・クロスビー(75歳)の最新作「Lighthouse」。CSNの来日公演でも信じられないくらい凄い声で観客を圧倒していましたが、この作品もすごいです(昨日届いたばかりなので、まだ朝の通勤電車で一度聞いただけですが)。リードヴォーカル、コーラス、オルタネートチューニングのギター、どれも瑞々しい。しばらくヘヴィ・ローテーションになりそう。

物理的に肉体を遠距離移動させることが年齢と共に確実に厳しくなっていくことは確かなので、コンサートは見られるうちに見ておいた方がいいとは依然として思うけど、レコーディングについては後期高齢者になっても期待しながら待ち続けたいと思うようになった次第です。

   

[`evernote` not found]

ボニー・プリンス・ビリーとシャーリー・コリンズ

今週末に行われるボニー・プリンス・ビリーとビッチン・バハスの来日公演を見に行くことになりました。

実はボニー・プリンス・ビリーもビッチン・バハスもどういう人なのかよく知りません。
ただ、私のアンテナの複数箇所に引っかかってきたので、興味をそそられたというか、こりゃ行った方がいいなと思ったのです。
新譜「Epic Jammers and Fortunate Little Ditties」を買って聞いてみましたが、なかなか良いです(こちらで試聴などできるようです)。
以前に聞いたボニー・プリンス・ビリーのI see a darknessは21世紀の脱力フォークという印象だったけど、今作はいろんな生音やらエレクトロニクス音やらが混ざった多彩な音。

ライナーノーツを読んでいてほぉと思ったのが、ボニー・プリンス・ビリーとビッチン・バハスが共演するきっかけとなったのが、シャーリー・コリンズのトリビュートアルバム「Shirley Inspired」での共演だったということ。こんなところでシャーリー・コリンズという名前を目にするとは思わなかった。といっても、そんなにすごく熱心なファンというわけでもないんですが、デイヴィ・グレアムとの共演版にしてブリティッシュ・フォークの古典「Fork roots, New routes」は大好きで良く聞きました。あとシャーリー・コリンズの自伝「America Over the Water」も読みました。今思うと、なんで苦労して洋書を読んだのか全然思い出せないんですが、恋人にしてアシスタントを務めていたアラン・ローマックスの話やら食べ物の話やら、なかなか面白かったです。アラン・ローマックスと同居していたアパートの1階にあったビザ屋の話やアイスクリームの話はすごく美味しそうで、イギリスの不味い食い物の話とのコントラストが印象的だったな。あと、アメリカのフォークシーンが伝統を軽視してコマーシャルな展開を見せていることに対して、アラン・ローマックスとともに覚えた違和感とか。

というわけで「Shirley Inspired」も注文してしまいました。
数日後届いたのは立派な紙ジャケとまさかの3枚組。ちょっとびっくり。
そんなボリュームなのでまだ聞いている最中ですが、いろんなミュージシャンが自分なりの芸風でシャーリー・コリンズが歌ったイギリスの伝承曲を料理しています。
ボニー・プリンス・ビリーもビッチン・バハスは何とトップバッターで、「Pretty Saro」という曲を演ってます。懐かしくなるような茫洋とした音。

■シャーリー・コリンズが無伴奏で歌う「Pretty Saro」。いかにも英国バラッドですなー。

■デイヴィ・グレアムとの共演版「Fork roots, New routes」のバージョン。中近東入ったなんともいえず胡散臭いギターが最高。

■Wikipediaによれば、この曲はアメリカに渡ってアパラチアのマウンテンミュージックの文脈で広まったようです。ということでアメリカでもこの曲を演っている人は多いようですが、ここでは最近話題のボブ・ディランのバージョンなぞ。って、これってボブ・ディラン?これってPretty Saro?

ちなみに、シャーリー・コリンズは間もなく38年ぶりの新譜「Lodestar」をリリースするようです。81歳で新作を出すっていいなぁ。

   

[`evernote` not found]