カテゴリー別アーカイブ: 暮らし

服部真里子「行け広野へと」

ほんのちょっとしたきっかけで、短期間のうちに思いもよらないような形で物事が展開していくことがたまにあります。

例えば、ちょうど10年前にガットギターを買ってボサノヴァの弾き語りを始めたこと。
あれがなかったら、その後の曲を作ったりCD作ったりライブやったりという展開はなかった。
いや、そういう音楽活動ができたらいいなとずーっとずーっと思ってはいたんです。
でもできなかった。
音楽のジャンルとかスタイルとの「相性」ってあるんだなと、つくづく身に沁みました。ロックでこういう展開をできなかった自分、みたいな。

今年の4/7にNHK文化センター青山教室で行われた「生き延びるための言葉教室・第2講 岸政彦 × 文月悠光」に参加したことも、どうやらそのような「ほんのちょっとしたきっかけ」であったようです。
正直なところ、このイベントに申し込んだときには、文月さんのこともあまりよく知らなかったくらいなので、まさかその後に文月さんの詩の教室に通って、まがりなりにも詩をいくつか書くことになるとは全く想像もしてませんでした。

そして、そこからさらに芋づるを手繰り寄せて出会ったのが、同じくNHK文化センター青山教室で短歌の講座をもっている服部真里子さん(※ツイッターによればご病気でしばらく治療に専念されるとのこと。早く回復されるよう願ってやみません)。
短歌は詩以上に全くもって未知の世界だったわけですが、それだけに服部さんの歌はかなりの驚きというかカルチャーショックでした。いや、なんかすごいことになっているのだな。

というわけで、服部さんの第一歌集「行け広野へと」のいくつかの歌について、ささやかながら感想なぞ。

キング・オブ・キングス 死への歩みでも踵から金の砂をこぼして

私はキリスト教についてもほぼ全く無知なので、確かなことは言えないのだけど、服部さんの歌には「キング・オブ・キングス」のようにキリスト教に関係していると思われる言葉やエピソードがしばしば登場するようです。それはともかくとして、

・キング・オブ・キングス
・死への歩み
・踵から金の砂をこぼす

という、互いに距離のある三つの独立した点が、豊かなイメージを媒介した関係を保ちながら、とても大きな平面を作り出しているように感じられて感動的です。

あと「キング・オブ・キングス」などという言葉を短歌に使うこと自体がすごく斬新に感じられたのだけど、上には上があります。

手を広げ人を迎えた思い出のグラドゥス・アド・パルナッスム博士

これ見たときは流石に吹きました。下の句全部使って「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」かいっ!
でも、この歌は何気に上の句もいいんですよね。「手を広げ人を迎えた」という喜ばしい感情に満ちたイベントが「思い出」という形でやや淡く美しいものになっています。

春に眠れば春に別れてそれきりの友だちみんな手を振っている

ここでは「眠り=夢」により、おそらくリアルタイムには悲しさもあったのではないかと思われる「別れてそれきり」というイベントが、やはり淡く美しいものになっています。

陶製のソープディッシュに湯は流れもう祈らない数々のこと

お風呂でぼーっとすることをこよなく愛する人間として、この歌は本当に大好きなのだけど、ポイントは「もう祈らない数々のこと」。ここが「いま祈っていること」の話だったら、この歌は現在という一時点にフォーカスしたものになるのだろうけど、「もう祈らないこと=昔は祈っていたこと」とすることで、過去に向けた時間の広がりが感じられる歌になっているように思います。

全体として、意味的にギリギリ遠いものを組み合わせて大きな時間・空間の広がりを出そうとしている歌が多いように思います(そうじゃない歌で良いものもいっぱいあるけど)。短歌というコンパクトな形式でこれだけ大きな世界を描けるのか、という驚きをもたらしてくれた歌集でした。

以上は、最近刊行された第二歌集「遠くの敵や硝子を」を入手する前に書き上げたかったのだけど、間に合わんかった。こちらの感想も近日中に書くつもり(たぶん)。

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「アトリエか猫作品展」と「yojikとwanda11周年演奏会」

平日はあほみたいに忙しい日々(当社比)ですが、せめて土日は。。。

■12/16(土)
「前田葉子・アトリエか猫 作品展 ー冬を楽しむー」 @新宿髙島屋10階 ギャラリー暮らしの工芸に行ってきました。アトリエか猫さんの新柄「手紙」をようやく見ることができました。ネット上の写真で見てはいたけど、やはり現物の質感は格別です。他にもカトラリー柄の新色とか、新しいデザインの構想とか、いろいろ見たり聞いたり楽しかった!
■12/17(日)
yojikとwanda11周年演奏会「In the light @明日館」に行ってきました。yojikとwanda初めて見たのは2008年6月だったけど、その1年半前に行われた明日館のライブはフランク・ロイド・ライトの建物という魅力もあって自分の中では半ば伝説化していたので、今回見に行くことが出来てとても嬉しかった。
yojikとwandaの曲のうち(私の中では)ムリウイやleteが似合う曲の系列というのがあって、それはたとえばHey!Sa!の真ん中辺の曲とか「ロンリーハート」とかなのだけど、明日館もまさしくそういう雰囲気の会場でした。でも、そんな静謐な雰囲気をぶちこわすかのような最後の狂乱状態も素晴らしい。

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札幌周辺旅行記(その1)

先週末から3泊4日で札幌に行ってきました。
メインの目的は10/20に閉店する福来軒本店に行くことですが、それだけだったら、もう少し旅行料金が安くなる9月〜10月にしたでしょう。

もう一つの目的はサマー(スキー)ジャンプを見に行くこと。札幌の大会は8月第1週に開催されるので、これで旅行時期がピンポイントに決まってしまいます。

今回は8/6(日)の大倉山チャレンジカップ2017サマージャンプ大会というのを見に行ったんですが、女子は上位選手が海外遠征にちょうど出発してしまって不参加(前日の札幌市長杯には出場していたようなんですが。。。)だったのがちょっと残念。一方、男子は葛西、竹内、伊東がそろって出場。みんな良いジャンプをしてくれて、なかなか見応えがありました。
何より、夏の青空の下で見るジャンプ台は最高! 札幌の空気は東京よりも圧倒的に涼しく乾いてはいますが、さすがに真夏の炎天下は日差しが強烈で、めちゃ日焼けしたっぽい。

■ジャンプ台のでかさはどうやっても写真では伝わらないので、ぜひ足を運んで体感してほしいところ。初めて見る人の多くは唖然とします。

■着地面の真横のかぶりつきのところまで観客席があるジャンプ台は世界的にも稀なのでは? 選手が身体をほぼ水平になるまで前傾しながら時速90キロで空をぶっとんでいくのを目の前で見るのは、なかなか強烈な体験です。というか着地面の急な角度がそもそもあり得ません。写真を撮った場所から下を見下ろすと、こんなところに向かって飛び降りていくのかと愕然とします。

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綱島の桃

先日買った初めてのスマホiPhoneでwordpressに初投稿してみる。

昨日は予約していた桃を取りに行ってきました。

以前に紹介した綱島のピーチゴルフセンターは最近廃業したようですが、もともとの本業(?)の桃園は続けていくようです。

ただ、日月桃は今年も不作で販売されず。残念。

というわけで、今年は初めて白鳳を買ってみました。

事前に予約を取り、樹上で完熟させて、収穫したその日に渡すという販売方式。

そんな桃は、まずもって濃厚な甘い香りがすごい。

味も市販のものではなかなか味わえない、濃くて甘いもの。

ごちそうさまでした。

来年こそは日月桃を食べたいものです。

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舌切り雀

去年の秋、歯医者の定期通院に行ったところ、舌にポリープのようなものが出来ていると指摘されました。
たぶん大丈夫だとは思うけど、口腔外科の先生を紹介するから念のため見てもらってください、とのこと。
なんとなく不安を感じつつ紹介された病院に行ってきました。家から電車を乗り継いで50分くらい。
診察の見立ては
・乳頭腫というもので、白くて柔らかいのでまず間違いなく良性と思われるが、念のため切除した方が良い。
・切除手術の所要時間は30分くらい
・切った場所を縫うので、抜糸するまでの一週間くらいは喋りづらくなる
とのこと。
一週間も喋らなくて良いタイミングをいつ確保できるかわからないので、その日は一旦保留にして帰宅しました。

それはともかく。

舌を縫う?

というわけで、早速ぐぐってみたところ、たとえばこんな記事が見つかりました。
舌を縫った写真もあるよ。げええええええ。めっちゃ痛そうというか、見ているだけでなんだかざわざわしてくるんですけど。

というわけで半年近く放置していたのだけど、そろそろ今のうちにやっておかないと、また仕事が忙しくなってきたら時間が取れなくなると思って、3週間くらい前の土曜日の午後に手術しました。

最初は麻酔。まず薬を塗ってしびれさせて、そのあと注射という二段階方式だったと思うけど、特に問題なし。
その後はいよいよ切除。いわゆる電気メスというやつなんでしょうか、切りながら高周波で焼いて止血するということで、経験者の記録の中には牛タンが焼ける香ばしい匂いがするという話もあって、「牛タンならぬ人タン。森下人タン。なんちて」などとくだらない面白ネタにできるかと思って楽しみにしていたのだけど、思ったほどそういう匂いもせず、ちょっと期待はずれ。
しかも、そろそろ完了という頃になって、やや麻酔が切れてきたのか、結構舌の奥の方の部位だったこともあって、急に嚥下反射が。おかげで、さいごの一針がはずれてしまったようです(というより粘膜が裂けたということらしい。ぎょええええ)。まあそれでもなんとか終了。

終了後は、痛み止め、腫れ止め、化膿止めの処方箋をもらいました。
が。自宅の近所の調剤薬局をいくつか回ったのだけど、土曜日の午後ということで営業してないところばかり。そうこうしているうちに麻酔が切れてじわじわじわじわと痛みが。
焦りと痛みが募る中、ようやく一軒、空いている調剤薬局を見つけ、もらった薬を直ちに服用。
その日の夕方以降の状態は、痛みは眠れないほどではなく我慢できるレベルではあるけれども、痛いことは痛い。あと、化膿しているわけではないのだろうけど、やはり腫れて熱を持っている感じで、どうにも辛い感じ。
というわけで、その日の夜に予約していた惑星のかぞえかたのライブは泣く泣くドタキャンし、家でひたすら床に伏せっていました。

その後、抜糸までの一週間の状態はというと、喋るのは思ったほど問題なかったんですが、問題だったのは飲み食いですね。最初の二日くらいはさすがに固いものを食べるわけにはいかず、レトルトのおかゆとか野菜ジュースとかでしのいでいましたが、それでも呑み込むときには舌を全く動かさないわけにはいかず、そのたびにかなり痛みがあり、相当不自由な思いをしました。それでも日一日と状態はめざましく良くなり、水曜日にはカレーライスが食えるようになり、その後も舌の動きが糸で制約されている違和感はあるものの、特に固いものでなければ普通に食べることはできていました。

で、土曜日にはめでたく抜糸。次の土曜日にもう一回確認しておしまい。

やれやれ。

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