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詩の教室に通う

4月から詩の教室に通っています。

細々と音楽を続ける中で作詞作曲にも取り組んで来ましたが、自分の作る歌詞に少なからず不満があって、もうちょっとなんとかならないかなとずっと思ってました。
不満の内容を的確に説明するのは難しいのですが、例えば惑星のかぞえかたの曲の歌詞は、素朴な手触りながらも散文的な表現にとどまらない言葉の使い方を模索している感じがするんですよね。
この感じを「詩的」と言うのが適切かどうかわからないけど、何となく文学の詩を読んだ時の感じに近いような気がしていました。
それに引きかえ、自分の書く歌詞はどうしようもなく散文的というか…。

などといったことを漠然と思いながら過ごして来たある日。
NHK文化センター青山教室で開催された「生き延びるための言葉教室・第2講」なるイベントに参加しました。
出演は社会学者の岸政彦さんと詩人の文月悠光さん
岸さんのことは昔から知っていて(面識があるわけではありませんが)、最近は本業の社会学関係の著作も次々と刊行される一方で、芥川賞候補になった小説や故・雨宮まみさんとの対談本などなど八面六臂の活躍ぶりに、すごいなぁと思っていたので、このイベントのことをたまたま知ったとき、ほぉと思って深い考えもなく参加を申し込んだのでした。

一方、文月さんのことは実はあまりよく存じ上げなかったのですが、イベントの最中にNHK文化センター青山教室のチラシを見ていたら、「今夜は詩人!」という詩の教室を月1回開講していることを知り、詩の作り方を学ぶのもいいかもなーと思って、これまた深い考えもなく受講を決意。
申し込んだ後ほどなくして満席/キャンセル待ちになったので、タイミングもよかったようです。

というわけで教室に通い始めたのですが、初回こそオリエンテーションも兼ねてワークショップ的なこともやったものの、その後は前回までに提出した作品を先生と受講生で講評し合うという内容。
練習なしにいきなり詩を書くこととなり、金槌なのにいきなりプールに放り込まれるようなプレッシャーを感じましたが、一方でこういう創作って理屈をこねる前にまず何でもいいからとにかく形を作るのが結局は近道であるという話も随分と耳にしてきたので(逆に、あれこれ理屈をこねることが先行して結局は創作が軌道に乗らないというのもありがちな話のようですし)、四苦八苦しながらも何とかかんとか作品を作り続けています。徒手空拳で物を作り続けるのはなかなか精神力が必要とされますが、こういう教室に通っていると、締め切りのプレッシャーがいい意味で背中を押してくれるところがありますね。

というわけで、毎朝、職場近くのサンドイッチ屋で朝食を摂りながら、ちまちまと創作に取り組んでいます。
教室は半年単位ということで、いま受講しているのは9月までですが、10月以降も継続することに。
今後が楽しみです。


YouTubeの行き届いた著作権管理

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昨日の朝にYouTubeにアップしたジョニ・ミッチェルの曲Little Greenの弾き語り動画ですが、夜に様子を見に行ったら、なんだか管理画面に「著作権保護されたコンテンツが含まれています」との見慣れない文言が。
げげっ??っと思って、編集画面を見に行ったら、こんなことが書いてあります。
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いやいや行き届いてますなYouTube。当然、自動的に巡回して拾い上げているんだろうけど、ずいぶん話の早いことで。
でもそのうち動画の内容に広告価値があるか否かがAIで自動判定されて、広告価値なしと判定された場合は著作権使用料を払わなくてはならない、とかいうことになったらどうしよう。

【追記】ついさきほどYouTubeの「あなたへのおすすめ」に「Pentangle before Pentangle – Folksangere 1967」とかいうのが表示されたので、ほぉと思って観に行ったら、「この動画では著作権で保護された音声トラックが使用されていました。著作権者からの申し立てにより、音声トラックはミュート状態となっています。」だと!
著作権管理行き届きすぎや。


スティーヴ・ハウとフルアコ

高校の頃から断続的にイエスの音楽を聴いてきました。

ジョン・アンダーソンのボーカルも、故クリス・スクワイアのベースも、ビル・ブルーフォードのドラムもみんな個性的で好きですが、いまはスティーヴ・ハウのギターが一番好きかな。イエスの個性を形作っている要素の中では。

カントリーやらジャズやらクラシックやらの影響を受けたというスティーヴ・ハウのギタースタイルはとても個性的だけど、ひとつの特徴としてベンド(チョーキング)をほとんど使わないということがあると思います。ベンドを多用したブルージーなソロを弾くギタリストが大半だった70年代初頭のロックでは、かなり変わったスタイルのように聞こえました。
イエスはあまりブルージーな音楽を志向していないから、そういうスタイルなんだろうと思っていたんですが。

去年フルアコを買って、その理由がわかった気がしました。
ちなみに、スティーヴ・ハウが主に使っていたギターはギブソンES-175(参考)というフルアコで、ストラトやレスポールなどソリッドボディのギターがポピュラーだった70年代初頭のロックではこれまたかなり珍しかった。

で、長年ずーーっと、フルアコって普通のエレキギターと同じような(アコギよりもずっと細くて柔らかい)弦が張っているものだとばかり思ってたんですが、実はアコギと同じくらい太い弦だったということが齢●十にして初めてわかりました。これじゃあ気楽にベンドかけられんわな。

ちなみに、スティーヴ・ハウがES-175について語っているインタビューを見つけました。
はは、やっぱりへそ曲がりだったんだな。

おしまいにスティーヴ・ハウがES-175で弾くStarship Trooperなぞ。うーむ、やっぱり良いな。ビートルズのHere comes the sunなんかもそうだけど、こういうタララタララという3つの音を単位とするでアルペジオって大好きで、「青空のかたち」でも使ったりしてます。

【追記】イエスのことを書くこともそんなにないと思うので、ついでに貼っとく。ベストメンバーでのライブは結構珍しいような。1971年というとリック・ウェイクマンは入ったばかりだろうし、スティーブ・ハウだってまだ入って1年もたってないだろうけど。


ヒューストン

昨日の記事で取り上げた「Jazz The New Chapter ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズの地平」の中に、グラスパーの経歴についてこんなことが書いてあります。

彼は地元ヒューストンのハイスクール・フォー・ザ・パフォーミング・アーツへ進学。ミュージシャン、俳優、声優、コメンテーターなど、様々な人材を輩出するこの名門高校のジャズ科で、楽曲やハーモニーなどの理論の基礎を学んだ。

また、同書の山中千尋のインタビューでも、「今活躍する多くのミュージシャンを輩出しているヒューストンの高校」という言及があります。

ヒューストンといえば、先日取り上げたマルキオーネ・ギターズもヒューストンにあります。
マルキオーネを知るきっかけになった、渡米してマルキオーネで働いている方の膨大なブログ、まだごく一部しか読んでませんが、ヒューストンの地元の音楽シーンのようなものがおぼろげながら伝わってきます。
「さすがアメリカ、ヒューストンなどというローカルな街でもちゃんとそれなりの音楽シーンががあるんだな。それにしてもなんでマルキオーネみたいなトップレベルと目されているらしいギター製作家がヒューストンなんかにいるんだろう」なんて思ってましたが、どうやらそれは思い違いだったようです。
ウィキペディアを見ると、ヒューストンは人口約210万人と全米で4番目に大きい都市で、都市圏人口は592万人。日本で言うと、名古屋が市自体の人口(228万人)も都市圏人口(532万人)もだいたい一緒ですね。
でも、これまで読んできたアメリカのポピュラー音楽に関する書き物で、ヒューストンという街がクローズアップされたことってあったかなぁ。見落としていただけかもしれないけど。
うーむ。


胃カメラを呑んだ。

以前から喉に痰がからんで唄に若干支障が出る状態が続いていました。

最初に行った職場の近くの耳鼻咽喉科の見立てでは、鼻炎により生成された鼻汁が喉の方に流れていって痰になるのであろうとのこと。
というわけで、処方された抗生物質を2ヶ月くらい飲み続けました。
結果、鼻炎による鼻汁はほぼなくなったんですが、痰が引っかかる現象は改善はしたものの完治には至らず。
別の耳鼻咽喉科(声を職業としている人の間では有名なところらしい)に変えてみたんですが、あれこれ検査をしても見立てはほぼ一緒。
腫れ止めと痰を出やすくする薬とアレルギーの点鼻薬が処方されました。

そんなとき、たまたま逆流性食道炎の話を耳にしました。
胃の内容物とともに胃酸が逆流してきて、食道や喉のあたりを荒らすことにより、声が枯れたり喉に違和感を覚えたりするとのこと。
たしかに、時々胃の方から酸っぱいものがこみ上げてくるような感じがすることがあるので、もしかしたらこれかなと思い、消化器科を受診することにしました。

医師に症状を説明すると、胃カメラ検査をすることになりました。が、最速で2週間後だというので、それまでは逆流性食道炎の薬を飲むことに。
市販の薬ではガスター10がポピュラーなようですが、今回処方されたラベプラゾールという薬はさらに強力らしいです。
というわけで2週間薬を飲み続けましたが、たしかに酸っぱいものがこみ上げてくることはほとんどなくなりましたし、それに伴って喉の調子も改善されたような気がします。耳鼻咽喉科で処方された薬も奏効したのかもしれませんが。

胃カメラもいろいろあるようですが、今回やったのは経口内視鏡検査というやつです。
最近は鼻から細いカメラを通す経鼻内視鏡検査というのがあって、経口よりもずいぶん楽らしいのですが、カメラの性能的には従来型の経口のものの方がよいらしく、こちらでやることになりました。
とはいえ、これまで身の回りの胃カメラ経験者から胃カメラを飲み込む大変さをずいぶん聞かされてきたので、ただでさえ嚥下反射が強い私は大丈夫なんだろうかと心配になりましたが、私が行った病院では検査前に鎮静剤による麻酔を行ってくれるようで、これだとずいぶん楽らしい。ただ、検査が終わった後1時間くらいは休憩する必要があるとのこと。まあこれは勤務先で午前半休を取れば何とかなるでしょう。

で、いよいよ検査の日がやってきました。
食事は前日21時までですが、それ以後も水やお茶は飲んでいいし、当日朝も水一杯くらいならいいとのこと。人間ドックのバリウム検査は前日21時以降絶飲食なので、それよりは楽です。
朝は8時半集合。ベッドに横になり、点滴と採血の針を刺され、真ん中に胃カメラを通す穴の空いたマウスピースのようなものを咬まされ、少し経ったところで意識消失。
意識が戻ったら何もかも終わってました。こりゃ楽だわー。
しばらく休憩した後、医師から結果説明を受けました(写真も見せてくれました)。ガンだとか潰瘍だとかびらんだとかいった重大な問題は特になく、ごく小さなポリープはいくつかあるもののわざわざ切るほどのものでもなく、もうしばらく胃酸を押さえる薬を飲み続けるくらいでよかろうとのこと。
あと、喉の違和感など逆流性食道炎の症状と目されるものの原因の半分くらいはストレスだとのこと。うーむ。。。

ま、重大な問題はないとのことなので一安心。
あとは、もらった薬を飲み続けてどうなるかですが、今のところは割といい感じになってきている気がしますし、先日のムリウイのライブも声の調子はだいぶ良くなってきたように思います。