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「ギター・マガジン・ピックアップブック」

「ギター・マガジン・ピックアップブック」というムック本を古本で入手しました。
2003年発行という、やや古い本ですが、ピックアップ94機種(ハムバッキング50機種、シングルコイル44機種)の音をCDで聞けるというのが売り。
ということで聞いてみましたが・・・。うー。予想通り94機種も聞くとわけわかんねー。香水を選ぶとき一度に試すのは3種類までとか言われるらしいけど、そんな感じ。
まあそれでも、ハムバッキングとシングルコイルの音の違いはよくわかりましたよ(そんなもん94機種も聞かなくたってわかるって?まあそうなんだけど・・・)。
あと、やはりシングルコイルの中でもフェンダー系とP-90系は全然違いますね(そんなもん・・・以下略)。
逆に言うと、ハムバッキング同士、シングルコイル同士では、確かに音は一つ一つ違うんだけど、これじゃなきゃだめ!みたいな感じはあまりなかったかも。
何はともあれ、自分が好きなのはP-90系だということを再確認。ハムバッキングとシングルコイルのどっちが好きかと言われたら前者なんだけど、もうちょっと高音にひと伸び欲しいなということでP-90、という感じ。

ちなみに、ハムバッキングとシングルコイルがそれぞれCD1枚に収められているんだけど、両者のフレーズが違うんですよね。冒頭のクリーントーンは、前者が白玉系のじゃらーんという弾き方、後者はファンクっぽく低音弦の単音リフの後に高音弦ハイポジションで16分音符のストラミング。まあ実際の使い方はこうだと言われればそうかもしれないけど、比較はしづらい。


歌詞づくりの苦労

最近ぱらぱらと眺めている「ポオ 詩と詩論」という本にこんなことが書いてありました。

・・・真なるものに対して敬意を払うことにかけては、ぼくは人後に落ちないつもりだが、やはりここで或る程度、真理一流の説得の流儀が有効な範囲というものをはっきりさせておこうと思う。その方が真理の説得力を強めるし、やたらに範囲を拡げて、かえってそれを弱めるようなことはしたくない。(中略)真理を確固たらしめるには、単純、正確、簡潔でなければならない。冷静沈着で、感情に左右されてはならない。つまり、できるだけ詩的とは正反対の心の状態になければならない。真理一流の説得の流儀と詩のそれとの間にある根本的、断絶的な相違が見分けられないようでは、盲同然である。・・・(詩の原理)

ふだん仕事をしているときは、どちらかというと、ここでいうところの「真理」の世界に近い心持ちだと思うし、それ以前にもともと自分の体質がそっちに近いと思ってるんですが、そういう人がいざ歌詞のようなものを書こうとすると、何か普段の心持ちとは相容れないものを感じて、とても不自由な感覚を覚えたりします。
それを何とかしようと思って、休日に風呂に入ったり極力だらだらして、頭の中をとりとめないようにしようとするんですが。

でも、そんなふうにしていったんネタが出てきて、あとは整理編集、みたいな段階になったら、むしろ平日の朝の仕事前の時間帯とかの方が作業がさくさく進んだり(ポオ自身による”The Raven”の制作の解説を見ていても、なんかそんな感じがしました)。

まだまだ歌詞を作る作業スタイルが確立したとは到底いえないレベルですが、あれこれ試行錯誤する中でぼんやりと感じたことを書いてみました。


ボヤッとしなければ

「ああ詞心、その綴り方」という本のイントロダクションで、著者の鈴木博文がこんなことを書いています。

二十歳からいちおう音楽で銭をもらうという定職について早や二十年(中略)その二十年という過去の中で、ちゃんと音楽を演奏していた時間は、とても短い。ほかの時間はほとんど、ボヤッとして詞を書いていたような気がする。
僕はボヤッとしなければ詞や文章が書けない。

9/17で2曲ほど新曲を披露しようと思っているんですが、片方は「こういうテーマで曲を書こう」と思ってからずいぶん時間がたってしまいました。
とはいっても、その間、ずっとその曲のことを考え続けてきたわけでもありません。ときどき思い出したようにボーッとしながらそのテーマのイメージを膨らませてきただけです。
で、時々パソコンに向かって言葉を連ねてみるんですが、なんだかぴんとこなかったり、思ったように形にならなかったりすると、すぐに放り出す。
そんなことを何回か繰り返していると、一年くらいすぐ経ってしまう。

何もせずにぼーっとする時間がもっと欲しいです。
いや、世間の平均に比べたら、たぶん私はぼーっとする時間をたくさん持てている方だと思うんですが。


David Crosby “If I could only remember my name”

Ben Wattのサイトを眺めていたら、My guitar influenceという記事が目に留まりました。非常に多彩なジャンルのギタリストの曲が挙げられているのですが、その中にDavid CrosbyのTraction in the rainという曲がありました。
どんな曲だっけと思って、CDの棚を探したんですが・・・見当たらない。
David Crosbyのソロアルバム”If I could only remember my name”は、買って持っていると思ってたのだけど、どうやら思い違いだったようです。最近こういうことが多くて困ります。ほんと年取るってやーね。
というわけで、買って聞きましたが・・・おお、これはすばらしい!
一曲目からべろんべろんな低音弦が特徴的なオルタネートチューニング炸裂という感じ。
中でもTraction in the rainは究極に美しい響きでメロメロです。

そこで思い出したのが、Joni MitchellのファーストアルバムをDavid Crosbyがプロデュースした頃のことについて、David Crosbyが回想するインタビュー記事
人名表記やら誤字脱字やらがちょっと目に付きますが、中身については、Joni Mitchellと出会ってオルタネートチューニングで曲を書くようになり、CSNのファーストアルバムに収録されたGuinevereが生まれた話とか、とても興味深いです。
Joni Mitchellはすごいペースで曲を作っていたようです。

「Guinevere」は実際、一ヶ月もかかった。でも彼女は僕がそうやって苦しんでいるのをよそ目に週に5曲も書たんだ(笑)。

・・・まぁ、Joni Mitchellみたいな天才はほっといて、Guinevereみたいな素晴らしい曲が一ヶ月でできるんだったらいいじゃないかという気もしますが。
CSNのファーストアルバムを見ると、一曲目のSuite: Judy Blue EyesはStephen Stills作、二曲目のMarrakesh ExpressはGraham Nash作、そして三曲目のGuinevereはDavid Crosby作ですが、個人的にはこの3曲ではGuinevereが圧倒的に好きです。

ちなみに、”The Complete Book of Alternate Tunings”という本には、David Crosbyのソロアルバムに収録されたいくつかの曲のチューニングが載っています。
オルタネートチューニングも、いつか腰を据えて研究したいんですが、いつになるやら。


ギターの弦高

アコギを弾いていたころ、アコギの弦高は、強くストラムしたときのビビリが許容できる範囲で極力低くしたいと思ってました。
ジャズのリズムギターみたいに音量を稼ぐために弦高は極力高くする、という考え方もあるようですが、やはり低い方が弾きやすいと思います。

最近エレキギターを弾くようになって思ったのが、エレキの弦高は低ければいいってもんじゃないなということ。
エレキって、ミュートがとても大事ですが、ちょっとさわっただけで押弦できてしまうほど弦高が低いと、ミュートもかなり気を遣わないといけなかったりするんですよね。エレキはアコギよりも弦のテンションが低いせいもありますが。
私みたいに弾き語り用途だと、演奏中にギターだけに集中することが出来ないので、多少ずぼらに弾いてもあまり問題がでないことが望ましいです。なので、超絶速弾きに最適化したような低い弦高のセッティングよりは、多少高い弦高の方がいいんじゃないのかな、と最近思うようになりました。
もう少し上達したら、また考え方が変わるかもしれないけど。

なお、弦高による音色の変化は気にしません(今のところ)。