月別アーカイブ: 2006年1月

スキージャンプを見に行くはずが・・・

しばらくマイクプリの話に終始してたけど、そろそろ他の話も。

この土日、札幌でスキージャンプのワールドカップが開催されるので、オリンピックイヤーということもあり久々に観戦したい思って、先日旅行会社のパックを申し込んでいました。が、今日関東は積もるくらいの雪が降ったため、飛行機が欠航!
まぁ、それでも旅行会社のパックはキャンセルが楽でよいです。自分で航空券を申し込んだ人は航空会社の窓口で手続きをすることになりますが、こちらは数十メートルの長蛇の列が出来てました。僕はそれを横目で見ながら早々に羽田空港を後にし、京急蒲田駅近くのニイハオで餃子とラーメンを喰って帰宅。風呂に入った後ふて寝したのでした。くそー。
ま、あったかい部屋でぬくぬくとテレビ観戦するのも悪くないですけど、でも現場で大会の空気を味わいたかったなぁ・・・。


マイクプリ自作への道 その20~雑音指数計算(悪のり版)

昨日のエントリーで書いたやり方が正しいかどうかわかりませんが、悪のりして僕なりに雑音指数を考えてみました。こんな考え方でいいのかどうか全く保証の限りではありませんのでそこんとこよろしくです。

「基礎トランジスタアンプ設計法」によれば、オペアンプの雑音指数は以下の式で計算されます。
雑音指数=10×log((信号源雑音電圧密度の2乗+オペアンプの入力換算雑音電圧密度の2乗+(オペアンプの入力換算雑音電流密度×信号源インピーダンス)の2乗)÷信号源雑音電圧密度の2乗)
で、
○MCカートリッジなどでは、「信号源雑音電圧密度」を信号源インピーダンスの熱雑音として計算するが、コンデンサーマイクの場合は昨日のエントリーで書いたような方法で算出する。RODE NT1-Aの場合は8.8nV/√Hzとして計算します。
○「オペアンプの入力換算雑音電流密度×信号源インピーダンス」は、オペアンプの雑音電流が信号源インピーダンスに流れ込んだ結果発生する電圧の大きさを表しますが、これは文字通りマイクのインピーダンス(RODE NT1-Aの場合は100Ω)で計算することにします。
で、雑音指数を計算した結果は以下のとおりです。
○AD797: 0.05dB
○NE5534: 0.57dB
まぁ、こんなに小さかったらどっち使おうとかまわないという話になりますね。
ついでに、低い信号源インピーダンスには向かないと言われるFET入力のLF357についても計算してみましたが、こちらは4.56dBとやはりちょっと大きいようです。


マイクプリ自作への道 その19~雑音について

たまたま見つけた変人音館というサイトの中にマイクプリの製作という記事があったので、興味を持って読んでみました。
(今回はちょっと立ち入った内容です)

正直なところ、ネット上でマイクプリの雑音についてきちんと計算しているのを初めてみたのですが、ここで気になる記述が。

オペアンプをAD797からOPA627AP(En=5.6nV/√Hz, In=2.5fA/√Hz)に変更してみました。最大ゲインを26dBに変更して、室内で録音してみましたが、AD797とOPA627とのノイズ差がほとんどありません。計算上は、少なくとも2倍以上のノイズの差があるはずなのに、です。

詳しい方に質問したり(非常に迅速かつ丁寧に貴重なアドバイスをいただきました。ありがとうございます)、エクセルであれこれ計算したりしつつ理由を考えてみましたが、どうも以下のようなことなのではないかというのが現時点での認識です。
●コンデンサーマイクが実際に発する雑音電圧は、コンデンサーマイクのインピーダンスから計算される熱雑音よりもずっと大きいのではないか。
 例えば、RODE NT1-AのS/N比を見ると、
 88dB (1kHz rel 1 Pa; per IEC651, IEC268-15)
 となっています。
 但し書きの正確な意味がいまいちよくわかりませんが、信号の方は1kHzの音声1パスカル(94dB SPL)の時の信号電圧(NT1-Aのスペックを見ると25mVとなっています)、雑音の方はIHF-Aで重み付けした雑音電圧ということなのではないかと考えました。
 てなわけで雑音電圧を計算すると、
 25mV÷雑音電圧=88dB
 より、
 雑音電圧≒1μV
 となります。さらに、帯域幅当たりの値(雑音電圧密度)にするためには、IHF-Aで重み付けしている場合は帯域幅は13000Hzで考えれば良いとのことですので、
 1μV÷√13000Hz≒8.8nV/√Hz
 一方、NT1-Aのインピーダンス100Ωの熱雑音を計算すると、
 √4kTRs=1.3nV/√Hzです。
※なお、このような計算でよいかどうか、RODE Microphones社に問い合わせてみました。もし返事がいただけたら報告します。
●このようにマイクのインピーダンスから計算される熱雑音よりもコンデンサーマイクが発する雑音全体の方がずっと大きい理由は、おそらくコンデンサーマイク内部から発する別の雑音(例えば内蔵されているFETが発する雑音)が付加されるからではないかと想像しています。
●「解析 OPアンプ&トランジスタ活用」という本に載っている「代表的な低雑音オペアンプの電気的特性」を見ると、最も雑音電圧密度が大きいもの(NE5534A)でも3.5nV/√Hzに過ぎず、上記の8.8nV/√Hzという値よりもずっと小さいことがわかります。したがって、これらの低雑音オペアンプを使う限り、S/Nに大きな違いは出ないということになるのではないでしょうか。
●となると、OPアンプによる増幅回路の設計技法に載っている方法に疑問が湧きます。オペアンプの特性ノイズ抵抗と信号源インピーダンスが等しいときに雑音指数が最小化することは確かでしょうが(「基礎トランジスタアンプ設計法」に載っている式(4-118)の対数の中身をRsで微分して0と置くと出てくる)、この信号源インピーダンスを考える際にマイクのインピーダンスで考えていいのか、さらにオペアンプの特性ノイズ抵抗と合わせるためにトランスを使うことは妥当なのか、疑わしく思えてきました。
・・・というわけで、次はトランスなしのアンプにチャレンジ!(爆)


マイクプリ自作への道 その18~録音してみました


というわけで、早速完成したマイクプリで録音してみました。

☆チャンネル1で録ったものはこちら
・入力トランス:Lundahl LL1538XL
・オペアンプ:NEC UPC815
☆チャンネル2で録ったものはこちら
・入力トランス:Jensen JT-16-A
・オペアンプ:Analog Devices AD797
音質がよくわかるようにとMP3ではなくAIFFでアップしたため、ファイルサイズがちょっと大きいけど、何卒ご勘弁を。
さらに、長らくギターをさぼりまくっていたこともあって、元々大したことない腕前が奈落の底に転落しておりますので、そのようなひどい演奏でも大目に見てくれる寛大な方のみお聞きいただければ。
個人的な感想ですが、駄耳なこともあって、ぱっと聞いても違いがよくわかりません。何度か聞いているうちに、何となくJensen+ADの方が高音が細やかに出ているような気がしてきていますが・・・。まぁ、どちらも一応使い物にはなってくれそうなのでいいっす(いい加減)。
しばらく使っているうちにだんだん気づく(あるいは気になってくる)ことが多いので、そのうちまたコメントするかもしれません。
※1月22日追記:録音し直したものと差し替えました。