月別アーカイブ: 2007年4月

アナログプレーヤいじり その15~ピックアップの低域共振周波数を計ってみる その3


去年の5月11日のエントリーで紹介した、トーンアームのヘッド重量と実効質量のグラフですが、なぜアームによってグラフの傾きが異なっているのか、その理由について考えてみました。
※上のグラフは、「レコードとレコード・プレーヤ(ラジオ技術社)」に載っていたもので、以前のエントリーで紹介したものグラフよりも多くの機種のデータが取り上げられています。

(1)ヘッドの実効質量がヘッド重量に比例(というかほぼイコール)するのに対し、カウンターウエイトの実効質量はヘッド重量の2乗に比例する。
・ヘッド重量を倍にすると、バランスを取るためにはカウンターウエイトの支点からの距離を倍にしなくてはなりません。
・カウンターウエイトの実効質量は支点からの距離の2乗に比例します。
・従って、カウンターウエイトの実効質量はヘッド重量の2乗に比例することになります。
(2)(ヘッド重量を一定とした場合)実効質量全体に占めるカウンターウエイトの実効質量の割合は、カウンターウエイトの重量が小さいほど大きくなる。
・ヘッド重量を一定とした場合、例えばカウンターウエイトの重量を半分にすると、バランスを取るためには支点からカウンターウエイトの距離を倍にしなくてはなりません。
・実効質量は重量に比例する一方で支点からの距離の2乗にも比例します。
・従って、重量が半分・距離が倍になると、トータルでは実効質量は倍になります。
・つまり、カウンターウエイトの重量と実効質量は反比例することになります。
(3)「ラジオ技術 1973年5月号」の「低音特性を左右するアームの問題点(唐沢祐東)」という記事に以下のような記述があります(概要)。
・ヘッドもカウンターウエイトも大きさを持たない
・ヘッドとカウンターウエイト以外の質量(パイプなど)は無視する
・バランスを取れた状態とする(針圧は0)
と仮定すると、以下の近似式で実効質量が計算されます。
Mt=Mh+Mh^2/Mw
(Mt=全実効質量、Mh=ヘッド重量、Mw=カウンターウエイト重量)
これをMhで微分したものがグラフの傾きになります。
dMt/dMh=1+2*Mh/Mw
ということで、上記の右辺の第2項(カウンターウエイトに由来)があるため、
Mhが大きくなるほど、Mcが小さくなるほど、グラフの傾きは大きくなることにな
ると思います。
(4)例のグラフに載っているWE-308、UA-7045、SME3009S2の写真を見ると、WE-308のカウンターウェイトは細長い形状をしています。細長いということは、カウンターウェイトの重心が支点から遠い距離にあることになり、従ってカウンターウェイトの重量自体は他の2機種に比べて軽いということになるのではないでしょうか(ちょっと強引かもしれません)。
(5)疑問点:
 これまで書いてきたことが正しければ、グラフの形は下に凸の曲線になりそうですが、機種によっては上に凸の曲線になっているものがあります。なぜでしょうか・・・。
※この問題を考えるきっかけを与えていただいた、アナログレコード再生のページのyoshさんに感謝します。

[`evernote` not found]

アナログプレーヤいじり その14~買ってしまいました。


えー。ほぼ1ヶ月ぶりですが。
あー。色々思うところがあって、なんか買ってしまいました。

テクニクスSL-1200MK4。DJ用として名高いSL-1200のオーディオ用バージョンです。
まだ届いて数日ですが、とりとめなく印象を。
1.非常にコンパクトなサイズ。このあたりはプレーヤーシステムとしてトータルに設計されたメーカー品の強みという感じですね。
2.使い勝手も非常に良いです。例えば、ヘッドシェルのコネクターが非常に軽い力でしっかり締めることができます。また、インサイドフォースキャンセラーをかけていてもアームリフターをおろすときにアームが外側に流れないような工夫がしてあったり。
3.ウェイトを回す感触はあまりよくないかな。
4.アームリフターを下ろした状態にしないとアームレストをロックできないのはちょっととまどいました。慣れの問題かもしれないけど。
肝心の音ですが、今まで使ってたプレーヤーに比べると、ちょっと高音にクセがある印象。どうしようかなと思案していて、ふとターンテーブルマットを今まで使っていたもの(東京防音のULTIMA TURNTABLE MAT)に交換したところ、聞き慣れたマイルドな高音になりました。
マニアならば、さらにあれやこれやといじるのかもしれませんが、私はこれで十分です。
レコードをとっかえひっかえ聴いてますが、とても良い音を出してくれています。

[`evernote` not found]