月別アーカイブ: 2012年3月

Rachael Dadd “Bite the mountain”

先日Rozi Plainの”Inside over here”というCDを紹介しましたが、そのRozi Plainと一緒に日本国内をツアーしたというRaichel Daddという人のことが気になり、”Bite the mountain”というCDを買ってみました。ライナーノーツやらネットやらを見たら、どうも日本に長期滞在したり日本人とパートナーになったり、ずいぶん日本びいきの人のようです。

音の感触はやはりRozi Plainと共通するものがあります。いろんな生楽器を使った手作り感あふれる音楽で、飾り気のない素朴な木綿のような音の感触は聞いていて本当に気持ちがいいのだけど、唄はしっかりしてるし楽器も達者で、いわゆる「ヘタウマ」な感じはしないのが一昔(いや二昔か)の手作り系インディーズ音楽と違うところかも。ライブを一度見てみたいです。


がんにかかって何もしないで死ぬということ

あまり話題にしたことのない分野ですが・・・。

父親を肺がんでなくし、母親もがんの経験があるということで(いまは元気)、自分が将来がんを患う可能性は小さくないと考えています。
というわけで、がんについては人並みに関心があります。

ちょうど父親が肺がんになった頃、情報収集のためにあれこれ本を買って読んだりしたのですが、そのときに出会ったのが「がんもどき」で有名になった近藤誠氏の本でした。

治療法を選択する際には、それぞれの選択肢の治療効果を評価しなければなりませんが、そのような評価はつきつめたところでは難しい医学の世界の話なので、素人が自信を持って判断するのは難しいものがあります。
そのあたりを括弧に入れると、近藤氏が言っていることの多くはかなり説得力のあるように思われ、いろいろ考えさせられました。

たとえば、抗がん剤でも手術でも放射線治療でもいいですが、ある治療を行った場合と何も治療しない場合で結果が(あまり)変わらないのなら(たとえば5年後に生きている確率が同じとか)、その治療は効果が(あまり)ないわけですよね。もちろん、がんが縮小して苦痛が減るとかいう可能性もあるけど、一方で治療の副作用は多かれ少なかれほぼ間違いなく出るわけで、コストも含めて考えると結果として何もしない方がベターということになるケースも多いのでは、というのが近藤氏の言っていることの一つだと理解しています。

たとえば、治療してもしなくてもケースで5年後に生きている確率が20%だとします。
で、治療しないという選択をした場合、生きている確率は20%です(当たり前ですね)。言い換えると、死ぬ確率は80%です(当たり前ですね)。

なんでこんなことを書いているかというと、アマゾンの近藤氏の本のレビューで「(肉親とか知人とか患者とかが)近藤氏の本を読んで何もしない(たとえば手術をしない)という選択をしたら、その後、がんが進行して亡くなった」といった趣旨のことが書かれているのを読んだからです。星の数は少なかったので、ネガティブな意味合いを込めたレビューなのでしょうし、「何もしないままむざむざと死んでいくなんて」という心情は理解できる面もあります。

ただ、それは当然ありうる事態なんですよね。近藤氏が「患者よ、がんと闘うな」と言っているのは、意味のない闘いはやめましょうということですが、闘うのをやめたら勝つ(治る)可能性が高まるわけではありません。
近藤氏のような考え方に立つということは、(緩和ケア的なものは別として)治療はせずに死ぬ可能性を受け入れる、ということになるんだろうな、と思います。

なにもしないという選択をするのは、現実にはなかなか難しい面があるとは思います。
ひとつは、上に述べたように、なにもしない場合と治療を行った場合との効果が(あまり)変わらないということに確信を持てるほどの知識も情報もない状態で決断をしなければならないという、自分自信の心の持ち方、覚悟の決め方の問題。
あと医者との関係の問題もあります。なにもしないという選択肢をポジティブにとらえ、親身に相談に乗ってくれる医者ってどのくらいいるんでしょうか(いや今は時代が変わってそういう医者もたくさんいるのかもしれないけど)。がんが進行した段階で痛みが出たりすることもあるだろうし、死ぬ間際になったらあれやこれやで医者の世話になる必要がいろいろ出てくる可能性は高いと思うので、「何もしない=医者いらず」ということではないんですが・・・。まぁそのあたりは緩和ケアの領域で考えればいいのか。

というわけで、がんと闘わないことは、自分自身や他のいろいろなものと闘うことになるのだという気がしています。


ホットプレート買ってジンギスカンと広島風お好み焼きをやってみた。

なんか出来心でホットプレートを買いました。タイガーのCRB-A120-Tという製品で、プレートが普通の平面のやつに加えて、焼き肉用とたこ焼き用の計3枚がついていて、7000円弱。

いわゆるジンギスカン鍋(鉄兜型のやつですね)は中央が盛り上がっていて肉の油が周囲に落ちるようになっているのだけど、通常その周囲の部分で野菜を焼くため、野菜が油まみれになるんですよね。さっぽろジンギスカン系の店(新橋の金太郎とか)とかではスリットが空いていて適度に油が七輪に落ちる構造の鉄兜型鍋を使ってますが、今回買ったホットプレートについている焼き肉用プレートも、中央の円形の部分にスリットがついていて、中央の水を張った受け皿に油が落ちるようになっています。この円形の部分、写真で見た感じではちょっと小さいかな?という印象だったんですが、実際は結構大きくて使いやすいです。早速、羊肉のなみかたで買った生肉を焼いてみましたが、なかなかいい感じ。やっぱり焼き肉は焼きながら食べるのが楽しくてよいですね。

お次は広島風お好み焼き。10年くらい前に四国・中国方面でギターを弾いたりして遊ぶ集いに参加していたことがあったのだけど、そのときのメンバーでカープソースに勤めていた人からもらった広島風お好み焼きの作り方の説明書(カラーの手書きでかわいい!)をずっと保管してあって、いつか作ってやろうと思っていたんですが、ついにその日がやってきたというわけです。

ところで、広島風お好み焼きのソースというと、圧倒的に有名なのはおたふくソースで、近所のスーパーでも普通に手に入りますが、広島では他にカープソースというのがあって、おたふくよりも辛口な味を好むファンも多いようです。が、残念ながら関東地方で売ってる店を見たことがありません。誰か情報求む。
というわけで、結局はとりあえず近所で買ったおたふくソースを使いました。残念。

広島風お好み焼きは、本体を焼いている横で同時に焼きそばを炒めたり卵の薄焼きを作ったりするので、ホットプレートは長方形のものが向いていると思います。私が買ったのも長方形です。というか、最近は長方形のものが多いようですね。

おおざっぱな手順は、
1.生地を薄く延ばして焼く
2.キャベツを山盛りのせる
3.天かすとか薬味類を載せ、もやしをのせる
4.豚肉スライスを載せて、つなぎの生地をかける
5.ひっくり返し、横で焼きそばを炒める
6.焼きそばの上に本体を載せて、横で卵の薄焼きを作る
7.卵の薄焼きの上に本体を載せてひっくり返す
8.火がちょうど良く通ったらソースと青のりを乗せてできあがり!
みたいな感じ。結構手順が複雑なので、最初はまごまごして火が通り過ぎたり、大きく作りすぎてひっくり返すのに難儀したりしましたが、4枚目くらいでそこそこなものができました。まぁ見てくれが悪くても味は美味しいですけど。

・・・写真撮ればよかったな・・・。


ベン・ワットみたいに

3/22のカフェ・ムリウイでのライブで、演奏が終わった後、対バンの東輝美さんから「なんかベン・ワットみたい」と声をかけられました。
正直なところ嬉しかったです。私がやっている弾き語りは、まさにベン・ワット(やトレーシー・ソーン)みたいに演ってみたい!というところからスタートしてるので。

1982-3年頃にトレーシー・ソーンのソロアルバムで聞いたNight and dayは弾き語りではなくて、ベン・ワットのギターにトレーシー・ソーンの唄を乗せたものだったけど、ギターと歌だけでこんなかっこよくてしゃれた音楽ができるのか!とすごく感動したことを記憶しています。
ベン・ワットとトレーシー・ソーンは私と同い年なので、考えようによっては、彼らが二十歳のころにやってたことを約30年遅れでやっているということになります。なんか悔しいような気がしないでもないですが、まぁ仕方がないですね。

それにしても、いわゆるネオアコからの日本への影響って、アズテック・カメラやその後のギターポップの系統からがほとんどで、EBTG系の影響はあまり多くないような気がするのは気のせいでしょうか。


日本語ボサノバの夜@カフェ・ムリウイ 来場御礼!

昨日はカフェ・ムリウイ@祖師ヶ谷大蔵で対バンライブ「日本語ボサノバの夜」で弾き語ってきました。
年度末のお忙しいなか、平日にもかかわらず足を運んでくださったお客さん、ご一緒いただいたOTTさん@ボサノヴァ日本語化計画と東輝美さん、そして今回のライブを企画しお招きいただいたたけしさん@ムリウイ、どうもありがとうございました!

東輝美さんとは初めてお会いしましたが、音楽的バックグラウンドに自分と共通するものがあることがわかってちょっと感動(ヤング・マーブル・ジャイアンツの名前が出てくるとは思わなかった!)。演奏も、ハスキーで低い声でじっくり歌う曲はとても味わい深いものでした。また、爆速ショーロに仰天し、全く異なる世界観で歌われる小舟に驚き、即席で歌詞を作る才能に感嘆し、そしてスッポンポンはやばい(謎)。

OTTさんの粋な日本語ボサノヴァ、いつもながら聞いていてなんかなごみます。それにしても、ライブのたびにほぼ必ず新たに日本語化された曲が披露されるのを聞くにつけ、着々と積み上がっているなぁと思います。とはいっても、しかつめらしい求道の香りのようなものはあまりなくて、MCで「意外と飽きることなく続いてる」という趣旨のことを言っていたような気がしますが、なんか肩肘張らずに楽しんでやってる感じが聞いていても伝わってくるような気がします。

私は・・・花粉症で鼻や喉のコンディションが不安でしたが、ムリウイのスペシャルメニューであるホットジンジャーを3杯飲んだのが奏功したのか、声は割とよく出ていたような気がします。が、ギターはかなりボロボロで、ラストのリオデジャネイロではついに途中で止まってしまうという不祥事が。お聞き苦しい点が多々ありましたことをこの場を借りてお詫び申し上げます(微妙に棒読み)。
一曲カバーで演ったyojikとwandaの「この町が好き」は、ちょっと緊張してしまったけど、なんとか演りとおすことができてうれしかったです。いい曲ですよね〜。

というわけで、日本語ボサノヴァのライブはまたそのうちぜひやりたいと思います。
改めて、どうもありがとうございました!