月別アーカイブ: 2013年4月

イアン・アンダーソン@ジェスロ・タル

ジェスロ・タルという名前はロックを聞き始めた中学生の頃から知っていました。
片足立ちしてフルートを吹くイアン・アンダーソンというリーダーのことも。
でも、音を聞いたのはごく最近です。

そのイアン・アンダーソンが来日し、名盤の誉れ高き「ジェラルドの汚れなき世界」(とかいいながら実は私は聞いたことがない・・・)のを完全再現を行なうという話を知って、どうしよーかなーおもしろそーだなーでもそんなに熱心に聞き込んだファンというわけでもないしなーと思っているうちに、気がついたらとっくに来日公演は終わっていたようで。客の入りはいまいちだったっぽいけど、良いコンサートだったようです。

というわけで、ライブ動画など。
これまた名盤の誉れ高き「アクアラング」(これは持ってる)のタイトルナンバー。
音だけ聞く限りは、歌も演奏も曲も素晴らしいんですが・・・。
動画で見るイアン・アンダーソンは、気のふれたエキセントリックな英国人としかいいようがない・・・。

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Joni Mitchell “A case of you”のマウンテン・ダルシマー弾き語り

Joni Mitchellの伝記的DVD”Woman of heart and mind”に”A case of you”のマウンテン・ダルシマー弾き語りのライブ映像が入っていて、すごく良いと思ったのだけど、インタビューの声が入ったり途中で終わってしまったりで、どうも欲求不満だったんですよね。
余計なもの(というと失礼だけど)を取り除いて、最初から最後まで演奏だけを通しで見せてくれー!と思っていたのだけど、さっきふと思い立ってYouTubeを検索してみたら、2年くらい前にお望みのモノがアップされていたようなので、さっそく堪能しました。いやー。すばらしい。

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yojikとwandaライブ@おんがくのじかん

前回yojikとwandaおんがくのじかん@三鷹でライブやったのいつだっけ?と思って検索してみたら、ほぼちょうど一年前だったんですね。もうちょっと前だったような気がするのだけど。感覚よりも実際の時間の経過スピードが遅いのはいいことなのかどうなのか。

トップバッターは失敗しない生き方。MCでシティポップならぬサバーブポップと言ってた(ような気がする)とおり、70年代っぽいオーソドックスな音かと思いきや、時々発狂するのが面白い。音量的にもうちょっと歌がよく聞こえるといいな。
二人目はシャンソンシゲルという男性ソロ。いわゆるシャンソンでは全然ありません。塗ってるのか剥げてるのかよくわからない壮絶な表板のアコギにマグネチック(?)のピックアップを取り付けて、ディレイなどエフェクターを効かせ、変則チューニングの弦をピックで激しくストラミングしながら、何語だかわからない(そもそも言葉かどうかもわからない)歌を聞かせてくれました(こちらも時々絶叫というか発狂)。いやーギターについては私の好物な要素がいっぱい詰まっていて大好きですね。MCやステージ進行もなんだか天然にへんてこな感じがして楽しかった。
トリはyojikとwanda。3/30にデュオで演った時と曲目はかなり共通しているのだけど、ウッドベースとドラムが入るとやはり全然違った感じ。さらに、前の2組の発狂成分にあおられたのか(?)、今まで見た中でもかなりノリノリというかハイテンションな演奏だったような。にこやかに手を振って声援に応えたり、変なカウントを出してリズム隊を固まらせたりしたwandaくんは特に絶好調な感じ。yojikさんは前半飛ばしたせいか後半すこしだけ喉の調子が引っかかっているように感じたものの、いつもながら最後まですばらしい唄。
5/16のレコ発@下北沢440が楽しみです。

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OTONARIという音楽雑誌の「働くバンドマンのリアル」という記事について

ふとしたことからOTONARIという音楽雑誌が最近出たことを知りました。
音楽ジャーナリストを養成する学校の生徒が作った雑誌だそうで。
普段、定期的に音楽雑誌を読む習慣はないのだけど、本屋で立ち読みして時々気が向いたら買ってみることはあり、今回もそんなノリで買ってみました。
目を引いたのは「働くバンドマンのリアル」という特集記事。あまり音楽雑誌では目にしないテーマのような(私が知らないだけかもしれないけど)。

ちなみに、私はサイトのプロフィールで「第二種兼業音楽家」などと冗談半分に名乗っています。
もっとも音楽家としての活動は全く「業」としての体をなしておらず圧倒的に持ち出しが多いことを思えば、そもそも「兼業」などと呼ぶに値するのかどうか疑問で、アマチュアに毛の生えた程度というのが実態かもしれませんが。
何はともあれ、曲がりなりにも仕事をしながら音楽活動をしていることは事実です。

そんな立ち位置で読んだ「働くバンドマンのリアル」という記事ですが、「仕事と音楽」「バイトと音楽」という2部構成になっていて、音楽活動をしながら仕事を選択した者とバイトを選択した者には違いあるのではないかとの仮説のもと、それぞれの類型にあてはまるミュージシャン2人ずつ計4人にインタビューを行っています。
読んでいて感じたのは、ちょっと一般論っぽくなってしまうかもしれないけど、いろんな分野で、昔はオールオアナッシングだったものが、中間的なあり方が増えてきているなということ。
例えば音楽については、昔はレコードを作って流通にのせるというのはイニシャルコストが非常に大きく簡単に出来ることではなかったけど、今はネットを使えば取りあえず誰にでも聞いてもらえる状態を実現するのは全然難しくないですよね。
もちろん、実際にどれだけ多くの人に聞いてもらえるかは音楽の質やプロモーションの努力などに大きく依存するわけだけど、そのあたりが程度問題になった結果、全面的に音楽で食っている人と音楽ではほとんど稼いでいない人の間にさまざまな段階がグラデーションを形成しているように見えるわけです。
もっとも、この記事に載っている事例を見ると、例えばフジロックに出ていたりするので、フルタイムの音楽活動をやっていても全然おかしくない感じではありますが・・・。

一方、兼業している音楽以外の部分についても、いにしえの「正社員VSパート、アルバイト」という雇用の形が多様化し、非正規雇用や個人事業主(フリーランス)としての働き方がぜんぜん珍しくなくなってきて、これまたどのくらい働いてどのくらい収入を得るかというのが程度問題になってきているように見えます。
さらに、ICTの発展によっていわゆるノマド的な働き方が可能になり、記事にもあるようにライブの楽屋でノートPCを使ってデザインの仕事をする、なんてこともできてしまう。

その結果、どのくらい音楽をやって、どのくらいそれ以外の仕事をするか、そのミックスの比率も人それぞれというか、多様なあり方が可能になってきているので、明確な線引きは難しくなってきているように見えます。
最初に書いたように「働くバンドマンのリアル」という記事は「仕事と音楽」「バイトと音楽」という2部構成になっているのだけど、「仕事」と「バイト」との間に根本的な違いがあるようにはあまり見えないんですよね。
出てくる事例を見ても、01が個人事業主(フリーランス)、02はよくわからないけど例えばこんなとこを見ると、いろいろな雇用形態がありそうです。03はバイトとはいえほぼフルタイム労働に近いし、04はトラックの運転等の肉体労働系でこれまたフルタイム労働に近い(というかそのもの)。どれも「フルタイムの非正規雇用」という点では共通しています(02は不明だけど。あと01は個人事業主なら労働者じゃないので「雇用形態」ではないし、決まった拘束時間があるわけではないので「フルタイム」というのは語弊があるけど)。

話がまとまらなくなってきたけど、最後に産業というか経済の話を。記事に登場する4人のミュージシャンに共通する認識として、音楽で食っていくことは非常に厳しいということがあります。その背景は、言うまでもなく産業としての音楽のパイがどんどん縮小してことにあるわけですが、その要因を考えると、失われた20年などとも言われる長期の景気低迷と、音楽以外の娯楽の台頭により音楽の地位が相対的に低下していることが重畳していて、どちらがどのくらい影響しているのかあまりよくわかりません。先日のエントリーで、いわゆるアベノミクス(のなかのリフレ金融政策)が確実に実行されれば、経済が回復する可能性は高いのではないかと書きましたが、そうなったときに産業としての音楽はどのくらい、どういう形で回復するのか。なかなか予見しがたいところがあるような。
(参考)
時事問題の旬について(追記あり)
同人化する文化

何はともあれ、最初に書いたように「音楽以外の仕事をしながら音楽活動するということ」というテーマは、これまであまりちゃんと取り上げられているのを見たことがないのだけど、いろんな論点についてを発展的に考えることができて面白かったです。以上、尻切れトンボですがおしまい。

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ニール・ヤングの自伝、ボブ・ディランの自伝

本屋を覗いたら、なにやら最近はロックミュージシャンの重厚長大な自伝がいろいろ出ているようで。
というわけで、ニール・ヤングのやつとボブ・ディランのやつを買って読んでます。
どちらもボリュームたっぷりなので(特にニール・ヤングのはすごい量)、まだ全部は読んでないんですが。
共通点は、どちらも自分で書いている(ゴーストライターを使っていない)ことと、時系列ではないことでしょうか。

ニール・ヤングのは、ものすごい数の章に分かれていて、章のほとんどにタイトルがなく(一部にだけあるのが気まぐれな風味を醸し出しています)、話もあっちにいったりこっちにいったりで、まあとてもニール・ヤングらしいです。
実生活では、障害を持つ2人の子供を育て、本人も辛い手術を何度も経験するなど、ハードな経験をたくさんくぐり抜けてきているものの、一方で音楽とか鉄道模型とか車(あれこれのエピソードで車のことが詳細な車種のことも含めて書かれている)とか高品質な音楽配信事業とか、自分がやりたいこれまたたくさんのことへの情熱はあふれんばかりで、それに取り組んでいる様子はいかにも幸せそう。

ボブ・ディランのは、5章から構成されていて、各章は時系列に構成されてはいないものの、個々の章はある特定の時期をじっくり書いていて(ニール・ヤングのは、個々の章の中ですら話があっちにいったりこっちにいったりする)、読み応えがあります。いかにもディランらしい詩的な表現もふんだんにもりこまれているものの、基本的に話はとても明快で、わかりづらいところはほとんどありません。個人的には修業時代にマイク・シーガーのフォーク・ミュージックの演奏を見たエピソードが印象的でした。「さまざまな分野を網羅し、古い演奏法のカタログのようにあらゆる種類の演奏をし・・・それぞれの歌の可能性を最大限に引き出していた」ことに衝撃を受け、自分はこれと同じことをやったとしても永遠に追いつけない、それならマイクが知らない、自分だけのフォークソングをつくったほうがいいのではないかと思った、というくだりはぐっときます。これも含め、音楽をやることに関するさまざまな迷いや悩みが率直に語られていて、いまの私にはとても興味深いものでした(って、まだ読み終わってないけど)。

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