月別アーカイブ: 2013年4月

3/30ライブ@north marine drive 新曲動画その3〜音楽は僕らを

先日のライブで披露した新曲3曲の動画を五月雨式に公開します。

■音楽は僕らを(作詞・作曲:heli)
対バンのyojikとwandaと知り合ったのは2008年です。ネットの友人から教えてもらって音源聞いたり動画見たりしてすっかりファンになり、ライブを見に行ったりしているうちに仲良くなって今日に至ります。
彼らと知り合った頃、私はまだほとんど曲も作ってなかったしライブもやってなかったんですが、彼らに感化されたというか触発されたというか背中を押されたというか、そんな感じで音楽活動に乗り出したのでした。
思えば、彼らだけでなくNIFTYのFMIDIにせよヤマハのギター教室にせよNEXTMUSICにせよ、音楽関係の出会いにはずいぶん恵まれてきたよな〜・・・なんてことを今回のライブの準備をしながら思い出していたら、なんだかぼろっとできた曲です。
ほとんど何も考えずに作ったので、コードも演奏も歌詞もかつてないほどシンプル。
最初はこんなんでいいかなぁ?とも思ったけど、今回のライブはボサノヴァだけでなくいろんなスタイルで演ることを考えていたので、敢えていじくりまわさずそのままでいきました。

音楽は僕らを連れてきた
いまだ来たことのない所へ
音楽は僕らを連れてきた
かつて見たことのない世界へ

目を閉じて飛び込んだり
石橋叩いて壊したり
そんなことでも続けていたら
知らなかった自分を見つけたよ

音楽で僕らは巡り会う
いまだ会ったことのない人たち
音楽を僕らは奏でよう
誰も聴いたことのない世界を

暮らしや仕事に追われて
やってられないこともある
それでも音楽がありさえすれば
とっておきの場所を作れるよ

音楽で僕らは旅に出る
いまだ行ったことのない所へ
音楽で僕らは旅に出る
かつて見たことのない世界へ

誰も聴いたことのない世界へ
誰も見たことのない世界へ


3/30ライブ@north marine drive 新曲動画その2〜ホルモン

先日のライブで披露した新曲3曲の動画を五月雨式に公開します。

■ホルモン(作詞・作曲:heli)
第一弾の「自然には、かなわない」と対になる曲として構想したのだけど、「ホルモン」の方がずっと歌詞を書くのに難儀しました。まだこれからも手を入れるかも。ヘッドセットマイクを使ったエレキギターの弾き語りというのは初めて試してみましたが、なかなかいい感じで出来たのではないかと(ギターは下手くそだけど)。

むやみに自転車をこいで
けわしい坂道を登る
コンビニで買った缶ビール
あおって息を鎮める

このぎらついた太陽
焼けた肌がひりつく
どんなに逃げようとしても
何もかもがうまくいかない

鮮やか過ぎる光が
心をかき乱すのは
この体の中を
流れるもののせいだ

夜通し音楽を聴いて
朝からいつもフラフラで
ぼんやりタバコを咥えてる
世界が動き始めても

このこんがらかった人生
取り返しがつかない
全て投げだそうとしても
どうしたらいいかわからない

狂おしすぎる想いが
眠りを妨げるのは
この体の中を
流れるもののせいだ

全てがわかっていても
どうにもならないわけは
この体の中を
流れるもののせいだ


3/30ライブ@north marine drive 新曲動画その1〜自然には、かなわない

先日のライブで披露した新曲3曲の動画を五月雨式に公開します。

■自然には、かなわない(作詞・作曲:heli)
あまり文学に縁のある人間ではないんですが、むかし読んだ太宰治の小説に出てきた言葉が記憶に残っていて、使わせていただきました。今回、曲を書くにあたり、太宰治のなんという小説に書いてあったんだっけ?と思って検索してみたところ、「花燭」という作品であることが判明。青空文庫に行って読んでみましたが・・・。うーん、ほとんど記憶がない・・・。
ちなみに、ライブでピアノを弾くのは初めて。ギターの方がずっとずっと練習してるんだけど、ピアノの方がしっくりくるのは、昔取った杵柄というやつでしょうか(4年くらいやっただけなので大して上手かったわけじゃないけど)。なんだか悔しいというか哀しいというか。

今日も電車の中から
眺める日の出が綺麗だな
仕事があるだけツイている
時代はまだ続くかな

独り合点の思い込みで
苦しんでいたあの頃の
こんがらかった気持ちが
今はもうよくわからない

植物が育つみたいに
ゆるやかに幸せになった
生傷が治るみたいに
ひとりでに幸せになった

今日も朝から光らせた
シュレッダーの満杯のランプ
体の垢を落とすように
日々の面倒を捨てていく

単純な暮らしを続け
現実的なことだけが
きつかったり嬉しかったり
なんだか楽になってきた

雨が岩を穿つみたいに
気がつくと幸せになった
憑き物が落ちるみたいに
他愛なく幸せになった

自然には、かなわない


日銀「量的・質的金融緩和」決定〜いわゆるアベノミクスのリフレ金融政策について

先日のライブの動画を上げようと思ってましたが、どうやら昨日は歴史的な日になったらしいので、珍しく経済の話。

まずはNHKのニュースから。

■日銀「量的・質的金融緩和」決定
日銀は、黒田総裁の就任後初めてとなる金融政策決定会合を4日まで開き、2%の物価目標を2年程度で実現することを念頭に、「量的・質的金融緩和」と呼ぶ新たな金融緩和の強化策を決めました。今後、日銀が供給するお金の量を、2年間で2倍にするなど、これまでにない大規模な金融緩和に転換することになりました。

ちなみに、日銀の声明文はこちら

3年ほど前のエントリー(これこれ)で、デフレ問題について少しだけ書いたことがありますが、あのときはまさか3年後にこんな劇的な形でリフレ金融政策が実行に移されることになるとは思いませんでした。上記のエントリーでも書いたとおり、山形浩生氏が翻訳したポール・クルーグマンの「日本がはまった罠」を目にして十数年が経過、私自身は別に何か努力したわけではないけれど、なんとも感無量なものがあります。

もちろん、リフレ金融政策が実行されるに至った背景には、そのような政策を支持し、その実現に向けて倦まず弛まず努力を続けてきた方々の貢献によるところが大きいわけですが、その一方で、今それが実行されつつあることについては「運が良かった」というか、偶然の産物という側面があることも否めないように感じます。

なんでそう感じるのかというと、リフレ金融政策を支持するかどうかって、経済政策以外の政治的信条からは比較的独立しているというか、関係が薄いからなんですよね。

例えば、安倍晋三という人がこれだけリフレ的金融政策を理解し、強く押し進めるようになったことは、教育や憲法などに関する安部氏の政治的信条の必然的帰結というわけではあまりないんだろうと思うわけです。自由民主党であることとも本質的にはあまり関係ないでしょう。実際、民主党でもリフレ政策を支持する議員が「デフレ脱却議連」を結成したりしています。残念ながら党の主流派となることはできませんでしたが。一方、昨年の総裁選でもしも石破氏や石原氏が総裁に選出されていたとしたら、このようなリフレ金融政策が実行されることもまずなかったはず。

というわけで、安部氏がリフレ金融政策を支持したことも、同氏が昨年の総裁選で総裁に選出されたことも、かなり運がよかったなと思わざるを得ないんですよね(もちろん、安部氏に熱心にリフレ金融政策を説いた人がいたはずなので、何でも運とか偶然のせいにするのは、そのような努力をした人に失礼だとは思いますが)。

さて。あまりこういうことは言いたくないけど、昨年末の衆議院選で私は自民党に投票しました。それは安部氏がリフレ金融政策をやると言っていたからです。
一方で、私はどちらかというと左翼的な人なので、安部氏のそれ以外の政治的主張には正直あまり賛同できないものが多いのも事実です。でも、そういうことには敢えて目をつぶって、安部総裁率いる自民党に投票したのは、ただただ
恒産なくして恒心なし
ということに尽きます。
「経済成長の時代は終わった」とか「これからは心の時代だ」とか「清貧」だとか言いながら、これまでの経済状況を肯定する人もいるけど、経済の低迷により、就職できなかったり職を失ったり非正規雇用で不安定な立場に立たされたりブラック企業で低賃金で死ぬほど働かされたり、どれだけ多くの人が境遇に立たされてきたか。そんな立場に立っても立派な心を持ち続けられる人もいるだろうけど、経済的苦境が人の心を荒ませることが多いのもまた否定しがたいと思います。

さらにいえば、左翼的というか社民的というかソーシャルというか、そういう政策を実現するにはしかるべきコストが必要ですが、そのコストをまかなうのは他でもない、経済活動から生まれる余剰・余裕のはずです。もちろん、そういう施策の現場を支える人の献身的なボランティア精神によってかろうじて支えられてきた部分も多々あるとは思いますが、やはりそういう政策を望むのなら、「経済がうまく回る政策は何か」も併せて考える必要があるのではないのかなと思ったりもします。

というわけで、安倍首相や自民党を支持しない人にも、ぜひリフレ経済政策については知ってほしいと思います(なんて偉そうなことを言えるほど私は知っているわけではないのだけど)。その上で、経済がいい感じで回るようになったら、是非その余裕・余剰をどのように使うかについて闘って欲しい。民主党が日銀総裁の同意人事でぶちぶち言っていましたが、戦場はそこではないはずだと思っています。

最後に。いわゆるリフレ金融政策がどういうものかを知る上で役立つサイトとして、リフレ政策ポータルWIKIと、そこにぶらさがっている反デフレ政策FAQ中のFAQをお勧めしておきます(最初の方はややとっつきづらいので、途中から読んだ方がいいかも)。是非読みましょう。私も読みます。