月別アーカイブ: 2016年11月

出雲旅行記 その9(呑んだり食ったり)

なんだか番外編っぽいけど、呑み食い関係の情報をまとめて、旅行記の締めくくりとします。
ちなみに今回は写真は全くありません。

かねや(出雲大社)
 出雲大社では午後1時から定時ガイドに参加するので、昼飯は必然的に出雲大社付近で、ということになります。
 出雲に来たら出雲そばでしょう!と思いつつ、メジャーな観光地ということもあって、呑み食いにはあまり多くは期待しないでおこうと思いながら食べログを検索。結果を見ると、上位はそんなに点数に差がないので、混んでいたり並んでいたりしている店は避けようという方針で、そば屋がありそうな方角に歩いて行きました。が、道は地図で見た印象と異なり、なんだか全然賑わっていない。本当にこの道なんだろうかと不安になりなががら歩いていたら、そのうち店が見えてきて一安心。あとで気づいたけど、この道の地味な雰囲気は、たぶん昔ながらの景観を保つために、けばい看板や広告を出すのを規制しているということなんじゃないかな。
 結局行ったのは「かねや」という店。外に並んではいなかったけど、常に8割方の席がうまっているという程良い混み具合。注文したのは割子そば750円。赤くて丸い器が3段。もっと高い三色割子というやつはいろいろ具が入っているけど、私が頼んだやつは薬味がのっているだけのシンプルなもの。でも、そばもつゆもなかなか美味しかった。一段食べたら、その中のつゆを2段目にかけるという食べ方はあとから知りました。あと、釜揚げというのも出雲独特なスタイルだということも。もっとちゃんと予習すれば良かった。

湯乃上館(湯村温泉)
 2日目に泊まった湯村温泉の宿ですが、離れのいろり端で食べた晩飯がとても美味しかった! ひらめの昆布〆に始まって、いろりで焼いてくれる鮎や油揚げ(奥出雲の大豆で作ったものだとのこと。外側がぱりっとしていて素晴らしい)などなど。温泉で炊いた仁多米がまた美味い。

庭園茶寮 みな美(松江)
 9月に一月と六月という境港の雑貨屋さんで個展を行った友人のアトリエか猫さんから、松江の観光情報をいろいろいただいてました。おかげさまでレイクラインとか堀川遊覧船とか情報を存分に役立てたのだけど、中でも大当たりだったのが庭園茶寮 みな美という老舗旅館が経営するお店。もう入口からして上品な和の世界なのだけど、かといって私のようなバックパックを背負ったカジュアルな旅行者が入ってもそんなに違和感があるわけでもありません(と信じたい)。お客さんは品の良い中高年の方がメインのようだけど、昼ご飯を食べに来た普段着の若者の客もちょぼちょぼとはいる。
 いただいたのは名物の鯛めし。どういうものかはお店のリンク先を見てください。ちなみに最初からこういうふうに具材がごはんの上にのっているわけではなく、自分でのせて出汁をかけるんですが。広い窓から庭とその向こうの宍道湖(というかそこから流れ出る大橋川)を眺めながらのんびりと昼食をいただくのはなかなか優雅な気分。

■東風(こち)(松江)
 こちらもか猫さんに教えてもらった店。JR松江駅から10分くらい歩いたところにあります。松江城方面とは反対の方向なので、観光っぽい雰囲気のある界隈ではありませんが、こういう地元っぽい感じがかえって良かったりして。
 ちょっと寒かったので、出雲の天穏というお酒を熱燗で一杯やりながら、暖かい蕎麦をいただきました。なんだか深まる秋を感じてしみじみしてしまったり。

彩雲堂(松江)
 JR駅ビルの中でお土産を物色した際に、若草というひときわ鮮やかな緑色の和菓子が目に留まりました。解説を見ると、なにやら由緒正しいものらしい。ということで、柚子じょうようというまんじゅうとともに購入。あとでネットで調べたら、若草は江戸時代の松平治郷(不昧)という茶道をたしなむ粋人の藩主が好んだ和菓子を復活させたものだとのこと。


出雲旅行記 その8(中海)

今回の旅行は3泊4日でしたが、最初の日と最後の日は観光なしの移動日だったんで、実質は1泊2日でした。
なんで前後に移動日をつけたのかというと、純粋にコストの問題です。
最近の飛行機は便によってすごく値段が違うんですよね。
今回計算してみたら、前日夜の便を使って前泊したり翌日朝の便を使って後泊したりした方が、ホテル代(東横イン)込みでも安いことが判明。
というわけで、こういうことになったんですが、結果的にはゆったりとした旅になってよかったです。
同じ日に移動と観光がごちゃまぜになると、どうしても慌ただしい感じになるけど、移動日を分けることで観光もじっくりのんびり楽しむことができる。
今後の旅はこんなゆったりした感じにしたいなと思いました。もう年だし。

東京から松江に行く際に使える空港は米子と出雲の2つがあります。
米子は県が違うけど、距離はほぼ一緒。米子はANAで出雲はJAL。
どっちでもよかったんですが、便の時間やら料金やら(大した違いはなかったけど)の関係で、今回は米子を使うことに。

※ところで、米子「鬼太郎」空港とか、出雲「縁結び」空港とかいうネーミングには、どーも違和感があります。

行きは、平日夕方に少し早めに仕事を切り上げて飛行機に乗りました。
米子に着いたのは20時過ぎ。もう真っ暗です。
そこからバスで45分かけて松江に移動するんですが、窓の外を見ても明かりのようなものが全然なくて、とにかく暗い。
「さすが地方は東京とは違って夜はちゃんと真っ暗になるな」などと感心していたんですが、帰り(午前)に同じバスで米子空港に向かったとき、行きのバスの景色が真っ暗だった理由がわかりました。
なんと道路が中海(「なかのうみ」だと思っていたけど「なかうみ」とも読むらしい。あんまり個性的とは言いがたい名前にも関わらず宍道湖よりもでかくて中国地方では最大、日本全体でも5番目に大きい湖)の中というか上を走っていて、道路の左右がみんな湖面という天橋立状態というか野付半島状態だったんです!(喩えがわかりづらいか)
下の地図を見ると、左上の春日神社から右下の江島大橋(ベタ踏み坂)まで、湖の上を県道338号線が走っているのがわかると思います。

今回は中海の写真は全然撮れなかったけど、なかなか良い景色なのでお勧めです。

ところで、実は江島大橋(ベタ踏み坂)もちょっと楽しみでした。
「ベタ踏み坂」って何?と思った方はこちらをどうぞ。要するに上り勾配がかなり急な橋なんですが、写真を見るとなんだか壁が立ちはだかっているように見えます。
こういうのは望遠レンズで撮るとそれらしいんだろうと思いますが、例によって私のカメラについているレンズは魚眼(泣)。
それでも、思いっきり拡大したら、一応は撮れていました。。。
1611izumo32


出雲旅行記 その7(宍道湖の夕暮れ)

松江市内をレイクラインという観光客向けのバスが走っています。
JRや一畑電車の駅と観光地を結ぶ循環ルートを一方向に20分に1本くらいの頻度運行していて、なかなか便利。
一回乗ると200円、一日券が500円なので、3回以上乗ればもとがとれます。

私も一日券を買ってあちこち回っていたんですが、そのうち夕方に「夕日鑑賞コース(嫁ヶ島運行ルート)」なるものが設定されていることに気づきました。要するに、夕日がきれいな時間帯だけ宍道湖の方をぐるっと回るルートに変更になるということですね。

宍道湖の夕日というのは当初の予定には全然入っていなかったんですが、別に他の予定があるわけでもなかったので、興味を持って乗っていることにしました。
突発的な予定変更だったので、そのルートのバス停まで少し歩かなくてはならなかったり、バス停にたどり着く直前にバスが一本通過していったりしましたが、なんとか乗ることができました。昼間に乗ったバスよりも遙かに混雑してましたね。そんなに人気があったのか宍道湖の夕暮れ。

■バス停。すでに日は暮れかかっています。バスから湖に沈む夕日を見ることができるのか微妙な情勢。
1611izumo27

■なんとか間に合いました。が、例によって魚眼レンズは遠くのものを克明に写すことには全く不向きで、これだと太陽が写っているかどうか全然分からないですね。。。
1611izumo28

■目一杯拡大。一応、まだ太陽は沈んでいません。
1611izumo31

■嫁ヶ島。ちょっとタイミングが遅くてすでに日は沈んでしまい、Wikipediaに載っているような夕日は見ることができませんでした。
1611izumo29

■宍道湖大橋を渡っているところ。右手前方の町並みは松江しんじ湖温泉あたりかな。日は沈んでしまっているけれど、これはこれでなかなか風情のある眺めかと。
1611izumo30

予定外のイベントにしては、なかなか良いものを見ることができて満足。


出雲旅行記 その6(堀川遊覧船)

「美しい水の都」というイメージを松江に対して抱いたきっかけは、たぶん子供の頃に読んだ小泉八雲の本だったと思います。
「たぶん」というのは、どういうタイトルの文章にどういうことが書かれていたか、全く思い出せないからなんですが。
最近では、「ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008」という本に収められたエッセイで、松江の美しさが語られていて、ほぉと思ったり。

で、今回初めて松江をゆっくり回ってみたのだけど、確かに「美しい水の都」でした。
それを満喫できるのは、堀川遊覧船です。
松江城の堀を小舟に揺られてゆっくり巡るわけですが、歴史を感じさせる水辺の町並みの日常的なたたずまいが実にのどかです。
いや、それ以前にぼーっとしながら水の上を舟に揺られていくこと自体がのどかなんですよね。
天気にも恵まれたし、最高でした。

■横道というか横堀。この向こうはどうなっているんでしょうか。遊覧船が行かない堀もいっぱいありそう。
1611izumo22

■石垣があるとやはりお城っぽい。
1611izumo25

■こんなふうに緑が鬱蒼としているところもあります。
1611izumo26

■低い橋の下を通過するときには屋根が下がります。客も体を低くしなくてはなりませんが、体の柔軟性が著しく低下していることを痛感させられます。ストレッチやらんと・・・。
1611izumo23

■ありふれた町並み。家のベランダから堀が見える生活ってどんなんだろうと想像してみたり。
1611izumo24


出雲旅行記 その5(菅谷たたら山内)

湯村温泉で一泊して、次の日は松江に直行する予定だったんですが、せっかく出雲の山奥にいるんだから、何か見るものはないかなと思って少し調べてみたら、見つけたのが菅谷たたら山内という、かつてたたら製鉄が行われていたところ。ということで、ちょっと立ち寄ってみました。
メインのたたら製鉄所は「菅谷高殿」という建物。外見はでっかい農家の建物という感じ。屋根は柿葺き(こけらぶき)というものだそうです。
1611izumo20

中はこんな感じ。真ん中の炉(白い土を練り上げて作ったお風呂といった感じの、いかにも手作りなものです)で三日三晩交代でふいごを人力で動かして作業し、高熱の鉄を取りだして、目の前の川までころがしていったとか、炎が何メートル(10メートルだったかな)にも達するので、昔は屋根はなくて吹き抜けだったとか、いろいろ説明を聞きながらイメージすると、これはなかなかすさまじい場所だったんだなと実感。
でも実際の屋内はすごく底冷えしていて(晩秋の奥出雲はやはり寒かった)、早々に退散。
1611izumo21