英仏詩の朗読サイト

言葉に音楽がつくと詩であり、音楽のない言葉は散文にすぎない。

・・・とまでポーは言ったと、「対訳 ポー詩集」には書いてあります。
まあ、そこまで言わないまでも、詩においては言葉の音声の側面が重要だというのはよく言われる話ではあります。

あと、言葉の美しさみたいな話もありますよね。○○語は世界一美しいとか、日本語より美しいとか。怪しい話ではありますが。

その割には、日本では欧米の詩の原語の音を感得できるような環境があまり整っているようには思えないのは私だけでしょうか。

あと、それ以前の問題として、文字レベルでもオリジナルの言語の形で詩を読ませるよう手引きするものもあまりないように思います。
英語の詩については、岩波文庫から詩人ごとに対訳が出ているなど、比較的充実しているようですが、たとえばフランス語の詩だと「フランス名詩選」くらいで、しかもアマゾンのレビューを見ると、

類書があまり無い事から貴重な一冊であるのは確かですが、解説らしい解説が無いのが残念でした。
イギリス、アメリカ名詩選ではほとんどの詩に、どういう経緯で書かれたどういう趣旨の詩なのか、丁寧な解説が添えられており、歴史や当時の社会情勢、国民性や世論などを知るのに大変役立ちます。

とか書かれてたりします。やっぱり類書はあまりないんだー。

というわけで、ちょろちょろアマゾンやネットを漁ってみました。

■ポー
1)対訳
「ポー詩集―対訳 (岩波文庫―アメリカ詩人選)」。近所の本屋で売っているくらい入手しやすいのはありがたいことです。訳者の加島祥造氏の

英米での低い評価とフランスでの高い評価ーこの間に、もうひとりの詩人ポーがいるのではないか。

というニュートラルなスタンスも好ましい感じがします。解説も充実しています。
2)音声
海外のサイトを探したら、LibriVoxというサイトが見つかりました。
まだほんの少ししか見てませんが、すごく充実したサイトのようです。
Listenの側のCatalogボタンをクリックし、検索ボックスの下のAdvanced Searchをクリックし、Authorにpoeと入力し、Category/Genreをpoetryにしてsearchボタンを押すと、わさわさと出てきます。しかも、The Ravenみたいな代表作は各国語版まであります(フランス語版は、ボードレール訳とかマラルメ訳とかいろいろあります)。

■マラルメ
1)対訳
もともと英語もあまりできませんが、フランス語に至っては全くの無知なので、対訳は必須。フランス名詩選にもいくつか載っているみたいですが、”Collected Poems and Other Verse (Oxford World’s Classics) “という英語の対訳が出ているので買ってみました。想像するに、日本語よりも英語の方がはるかにフランス語に近いので、英語で読んだ方がよりフランス語を読むのに近い感覚で理解できるのではないかと(英語力の問題もあるけど・・・)。
2)音声
Litterature audio.comというサイトを発見。「青空(L’Azur)」という詩を聞きたいと思って、検索ボックスに”mallarme L’Azur”とか入れて検索すると、”Apparition”と”L’Azur”という2つの詩が出てくるので、あとは再生ボタンを押すなりダウンロードするなり好きにすればよいです。

いやーネットの検索って楽しいですね(手段が目的と化しているような気がしないでもない)。

 


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