にしん漬け

子供の頃、母親がよくにしん漬けを漬けていました。
にしん漬けというのは、北海道ではポピュラーな漬物で、メインの材料は一辺3センチ程度のにしん、でっかく乱切りにした大根、これまたでっかく切ったキャベツ、千切りのにんじんなど。にしんと麹の風味が独特で、薄味の野菜をバリバリたくさん食べる漬物でした。秋口につけ込み、冬の間に食べる保存食という性格もあったかと思います。
生まれ育った古い家には台所が二つありました。古い方の台所はほとんど使われておらず、冬には暖房が入っていなかったので常時氷点下になるかならないかの状態だったのですが、これが漬物を置いておくのに最適の環境だったんですよね。あの凍る寸前のにしん漬けは本当に美味かった。

そのうち母親も面倒になったのか、にしん漬けを漬けることもなくなり、その後は北海道との縁も切れて、ずいぶん長い間にしん漬けを口にすることはありませんでした。
そんなわけで、なぜ最近になって急ににしん漬けのことを思い出したのかわかりません。ジンギスカン(羊肉)とか甘くないとうきびとか、昔慣れ親しんだ食材を通販で取り寄せるうちに、ふと思い出したということだったのかな。

ネットで検索して見つけたのは、留萌の丸夕 田中青果という漬物屋でした。
「やん衆にしん漬」という商品が何とアマゾンで手に入ることがわかり、早速ゲット。
食べてみましたが、まぎれもなくにしん漬けの味がして感動しました。子供の頃に食べた自家製のにしん漬けの味の記憶とは違うけど。漬物みたいな発酵食品が同じ味ってことはまずないですよね。

ただ、産直にありがちなことですが、2100円の商品で送料が980円は痛い。
都内で扱っていたりしないかなぁと思ってウェブサイトを見ていたら、何やら秋に全国各地のデパートで行われる北海道物産展に参加している模様。
催事のコーナーに日時と場所のリストが載っているので、興味のある方はどうぞ。とりあえず10月中くらいはどこかここかで手に入りそうです。


2 thoughts on “にしん漬け

    1. heli 投稿作成者

      とうきびに限った話ではありませんが、果物とか何でもかんでも「甘い」ことが売りになってますよね。市場調査の結果「甘い」ことに対するニーズが大きいことが証明されているのなら仕方がありませんが、個人的には少なくともとうきびは昔の甘くないやつが好きです。今では仁木の紅果園くらいでしか食べられませんが。ああまた行きたい>紅果園。

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