後期高齢者の音楽

去年の11月から2ヶ月もさぼってしまい、なんと今年最初の投稿ということになってしまいました。
というわけで、本年もよろしくお願いします。

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2003年にジョアン・ジルベルトが72歳で初来日して以来、2004年(73歳)、2006年(75歳)と比較的コンスタントに来日を続け、元気だなーと思っていたんですが、2008年(77歳)の来日公演は体調不良で中止。
そのときから何となく、
「見たいアーティストは後期高齢者になるまでに見ておこう」
と思うようになりました。

それにしても去年は多くのミュージシャンが亡くなった年でした。
まあ、60年代後半から70年代前半のロック興隆期に活躍した世代が70歳くらいになったわけで、亡くなる人が増えるのは確率的に仕方のないことではあります。
(でも、なんだかそれにつられるようにして(違)、プリンスとかジョージ・マイケルまで亡くなってしまうのはいかがなものかと思えて仕方がありませんが)。
一方、もっと上の世代で亡くなった人もいます。例えばレナード・コーエン(享年82歳)とか。

レナード・コーエンという人については、それほど熱心に聞いてきたわけではありません。ファーストアルバムとベストアルバムを持っているくらい。
でも、遺作となった「You want it darker」がなんだか気になって、買ってみました。静謐で哀愁をただよわせた演奏をバックに、超低音ヴォイスでつぶやくような唄。たぶん自分の死と向き合う内容なんだろうなと思わせる音楽。まだ歌詞は読んでいませんが、あとでゆっくり時間をかけて読んでみたい。

そういえば去年は、何人かの後期高齢者が新作を出した年だとも言えるかもしれません。
たとえばシャーリー・コリンズ(82歳)が37年ぶりの新作「Lodestar」をリリース。こちらも聞いてみましたが、昔に比べて声の音域が1オクターブくらい下がってました。でも、それほど気にならずこういうもんだと思って聞くことができたのは、トラッドというジャンルのせいなのか木訥とした歌い方のせいなのか。

ウィズ・ジョーンズ(78歳)も昨年、ラルフ・マクテル(73歳)と組んで「About time」というアルバムを出しました。
そのことに気づいたのはごく最近で、慌てて買って聞いてみましたが、ギターもバリバリ弾いているし、優しげな声も相変わらずで嬉しい限り。

そして、今年後期高齢者になるデヴィッド・クロスビー(75歳)の最新作「Lighthouse」。CSNの来日公演でも信じられないくらい凄い声で観客を圧倒していましたが、この作品もすごいです(昨日届いたばかりなので、まだ朝の通勤電車で一度聞いただけですが)。リードヴォーカル、コーラス、オルタネートチューニングのギター、どれも瑞々しい。しばらくヘヴィ・ローテーションになりそう。

物理的に肉体を遠距離移動させることが年齢と共に確実に厳しくなっていくことは確かなので、コンサートは見られるうちに見ておいた方がいいとは依然として思うけど、レコーディングについては後期高齢者になっても期待しながら待ち続けたいと思うようになった次第です。

   


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