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ビーフ「ドリーミン京浜東北ライン feat.マリナ」のアナログ盤が届いた。

ビーフさんの「ハチの飼育」を聞いたのっていつだっけ?と思って自分のブログを検索してみる。
2005年。10年前か・・・。
記事の中で紹介しているNEXTMUSICもとっくの昔になくなってしまったけど、あそこで活躍していた音楽家のうち何人かは今でも元気に活動していて、コンストタントに作品をリリースしてくれています。

ビーフさんの曲の歌詞って、とても自分には思いつかないような発想で書かれていて、機知に富んでいて面白いんですよね。
音も多様なスタイルでいろいろ仕掛けがあって面白いのだけど、どこかほんのりとした暖かさが感じられるのが良いなぁと思ってます。

で、最新作の「ドリーミン京浜東北ライン feat.マリナ」ですが、SoundCloudでの配信に加えて、Qrateというところからアナログ盤を出すとの話が目にとまり、早速申し込んでみました。これはクラウドファンディングってやつなのかな?300枚予約が集まったら製作するというシステムで、どうなるかなーと思って(いくぶん手に汗握って)見てましたが、最終的には目標達成。無事製作の運びとなりました。
プレスはチェコとか書いてあったかな?結構時間がかかったようですが、昨日無事到着。早速中を開けてみたら・・・。
・おお、青いカラーレコードだ!
・ジャケットはCDの紙ジャケとかに使われるような結構いい紙。白い紙の立派な内袋もついてる。
・ドーナツ盤なのに33回転なんだ・・・。
・B面の「バイスサワー」って一体何?と思って調べてみたら、「梅酢サワー」なんですね。知らなかった。
というわけで、レコードの色に合わせて、たまたま持っていた青いクランプの針を取り付けて写真撮影(もちろん音を出しながら)。
1511beef


スティーヴ・ハウとフルアコ

高校の頃から断続的にイエスの音楽を聴いてきました。

ジョン・アンダーソンのボーカルも、故クリス・スクワイアのベースも、ビル・ブルーフォードのドラムもみんな個性的で好きですが、いまはスティーヴ・ハウのギターが一番好きかな。イエスの個性を形作っている要素の中では。

カントリーやらジャズやらクラシックやらの影響を受けたというスティーヴ・ハウのギタースタイルはとても個性的だけど、ひとつの特徴としてベンド(チョーキング)をほとんど使わないということがあると思います。ベンドを多用したブルージーなソロを弾くギタリストが大半だった70年代初頭のロックでは、かなり変わったスタイルのように聞こえました。
イエスはあまりブルージーな音楽を志向していないから、そういうスタイルなんだろうと思っていたんですが。

去年フルアコを買って、その理由がわかった気がしました。
ちなみに、スティーヴ・ハウが主に使っていたギターはギブソンES-175(参考)というフルアコで、ストラトやレスポールなどソリッドボディのギターがポピュラーだった70年代初頭のロックではこれまたかなり珍しかった。

で、長年ずーーっと、フルアコって普通のエレキギターと同じような(アコギよりもずっと細くて柔らかい)弦が張っているものだとばかり思ってたんですが、実はアコギと同じくらい太い弦だったということが齢●十にして初めてわかりました。これじゃあ気楽にベンドかけられんわな。

ちなみに、スティーヴ・ハウがES-175について語っているインタビューを見つけました。
はは、やっぱりへそ曲がりだったんだな。

おしまいにスティーヴ・ハウがES-175で弾くStarship Trooperなぞ。うーむ、やっぱり良いな。ビートルズのHere comes the sunなんかもそうだけど、こういうタララタララという3つの音を単位とするでアルペジオって大好きで、「青空のかたち」でも使ったりしてます。

【追記】イエスのことを書くこともそんなにないと思うので、ついでに貼っとく。ベストメンバーでのライブは結構珍しいような。1971年というとリック・ウェイクマンは入ったばかりだろうし、スティーブ・ハウだってまだ入って1年もたってないだろうけど。


yojikとwandaの新作「フィロカリア」

池袋は、昔は東京では一番馴染みのある街でした。
札幌に住んでいた子供の頃、母方の祖父母が池袋からバスで10分くらいのところに住んでいて、家族で東京に旅行したときにはいつも(って、物心ついてからは小学校に入る前と中学校に入る前の2回だけだったけど)そこに厄介になってました。
就職のため上京して最初に住んだのが豊島園。通勤は西武池袋線で池袋まで出て、有楽町線に乗り換え。
当時、池袋パルコに入っていた山野楽器では輸入レコードを安売りしていて、お金のない新入社員の頃はよくお世話になりました。

でも、豊島園に2年間住んだ後は、池袋との縁もぶっつりと切れてしまいました。

なので、今回yojikとwandaの新作「フィロカリア」発売記念インストアライブが行われたHMVエソラ池袋は、今や完全にアウェーな場所。
そもそもHMVって池袋にあったことも知らなかった・・・。

というわけで、先週末に行ってきました。
東急東横線から乗り換えなしで池袋に行けるのはとても便利。
なんだけど、実は少し早めに出て小竹向原まで行き、江古田のプアハウスまで歩いてカレーを食ってきました。
どうも都の西北方面に行くと懐かしくてついつい足を運んでしまいます。

というわけで昼飯を食ったあと、HMVエソラ池袋へ。
池袋西口界隈は再開発ですっかり変わってしまっていて迷う。そりゃ私が覚えているのは30年近く前のことだから変わっていて当然だけど。
なんとかたどり着いて、CDを買って会場に行ったら、すでにステージにはyojikとwandaの姿が。
椅子席が設けてあったけど満席だったので、まずは後ろで立ち見。
なんとなく出だしは慎重にしずしずとした演奏だったけど、少しずつテンションアップ。
と思ったところで前半終了。椅子に座っていたお客さんが一人いなくなったので座る。
中盤はジャケットデザインを手がけた惣田さんと、フィロカリアをリリースしたレーベルCompare Notesのオーナー小田さんの対談。惣田さんの率直な受け答えが面白い。途中からyojikさんも参戦。右奥で一人ギターをつま弾くwandaくん。
その後、後半のライブ。前半よりエンジンがかかってテンション上がった感じ。曲もいろいろ聴けてよかった。

最後はサイン会。yojikさん、wandaくんにはサインを、惣田さんにはサインの他に「ぎょうざくん」を書いてもらいました。ゆるーい(あとで画像をアップしようかな)。

さて、新作のフィロカリア。
収録曲はいずれもライブで耳にしたことがあるものですが、彼らの場合はライブでも毎回演奏の仕方が変わるくらいなので、レコーディングバージョンは当然のようにいろんなことをやっていて新鮮です。しかも「いろんなこと」をやる手つきがとても楽しげなんですよね。
構成的にも、ワンルーム・ダンシンからフィロカリアまでの4曲はリズムが効いたポップな曲。ゆりの花と唯一のカバーThe Water is wideをゆったりじっくり聴かせて、キリエとRomeoはディープな世界に引きずり込む伝統の名曲。ポルカを挟んでタリスマンでまたリズミカルなポップに戻して締める。という具合にアルバムらしいしっかりとした流れがあるので、これはやはり通しで聴きたいところ。
そんなわけでベストトラックという考え方そのものがなじまないかもしれないけど、敢えて言うならタイトルナンバーのフィロカリアかな。ライブでデュオで聴いていてももちろん良い曲だったのだけど、スタジオ版ではシンプルなバンド編成のバッキング(特にドラム!)がとても素晴らしくて、この曲のポップさが最大限引き出されている感じ。

ワンルーム・ダンシンのPVを貼り付けておきます。とてもかわいい!


素っ裸の音

ビートルズの「サージェント・ペパー・・・」に「グッド・モーニング、グッド・モーニング」という曲が入ってます。
ブラスやら動物の鳴き声・足音やらがいっぱい入っていて、いかにも「サージェント・ペパー・・・」っぽい曲ですが、好き嫌いということだと「まあまあ好き」くらいの感じかな。

その後、バージョン違いやらアウトテイクやら(オフィシャルには)未発表の曲やらを集めた「アンソロジー」がリリースされましたが、そこに収録された「グッド・モーニング、グッド・モーニング」は、アルバムバージョンとのあまりの違いに驚愕。ブラスと動物をはぎとったら、こんな変拍子パンクみたいな曲だったのか!(ドラムやギターの音量の違いもあるけど)前につんのめったようなドラム、いかにもポール・マッカートニーらしいメロディアスなベース。いやーかっちょええ。

そういえば「ジョンの魂」という邦題で知られるジョン・レノンのソロアルバムもそんな素っ裸な音だった。
「アイ・ファウンド・アウト」とか、間奏もおよそソロらしきものは何にもなくて、ちょっとだけ色をつけたリズムギターでひたすらごり押し。

こんな素ラーメンみたいな音を好んで聴いてきたことも、自分の音楽作品を作る上で大きな影響があったかもしれません。