月別アーカイブ: 2012年9月

北陸旅行(2日目〜その2)

というわけで2日目からは各種イベント。

「おいしいたのしい暮らしの道具」展(→パーマリンクではないので、そのうち内容は変わってしまうと思います)
 地元で手仕事作品の企画開発やフェア開催を行っているノビル舎の企画展。友人のアトリエか猫さんが参加するというので行って見ました。会場は高岡市のアートワークスタディオ・ANというところ。地図で見てもどういう土地柄なのかイメージが湧かなかったのだけど、行ってみたら住宅と田んぼとが入り交じった、のんびりとした感じのところでした。建物はリンク先の写真を見ていただければと思いますが非常にユニーク、いろいろ賞ももらっているらしい。
 か猫さんの作品はいろいろな場所で見ていますが、その時々で見え方が全く変わるのが面白いです。例えばエキュート品川では明るく鮮やかな照明の中、か猫作品のカラフルで楽しい感じがとても印象的だったのだけど、今回は他の参加者が陶芸、木工、竹、鉄瓶という色彩的には渋い和風な世界で、エキュート品川とはある意味全く逆なんですが、それでもか猫さんの作品は浮くことなくしっくりと調和するんですよね(たとえばこれとか)。
 なお、昼食は会場に併設された蕎麦屋「蕎文」でいただきましたが、むちゃくちゃ美味い蕎麦だった!その後、スタッフの方々と一緒にハーブディーとお菓子までいただいてしまった・・・。ありがとうございます&ごちそうさまでした。

氷見フィッシャーマンズワーフ海鮮館
 氷見(ひみ)というのは高岡から氷見線という鉄道で30分くらい行ったところにある港町です。10年前に初めて氷見に来た時、駅でレンタサイクルを借りて港の方にフラフラ行ってみたら、なにやら立派な施設が目につきました。それがフィッシャーマンズワーフだったんですが、建物の前で魚貝類を炭火で焼いているのを見て(匂いを嗅いで)たまらなくなり、ついついビールと一緒にいただいてしまいました(たしか注文したのはサザエだったと思う)。そのあと建物の中でズワイガニを買って、そのまま大阪の友人宅になだれ込んで宴会をしたのでした。
 という思い出があったので今回も立ち寄ってみようと思って事前にウェブをチェックしたら、なんと9月23日で閉館だと!これは何が何でも行くしかないと思って、勇んで行ってみたんですが・・・。残念ながら私が行った時点で既に8割方閉まってました。新鮮な魚貝類はぜんぜん売っていなかったし、店頭で売っているのは炭火焼きではなく「イカのどんどん焼き」というお好み焼き的なやつだけ。戦果ゼロですごすご帰るのも情けないと思い、どんどん焼きを食べたけど、まぁサザエの炭焼きとは比べるべくもなく。いや別にまずいわけじゃないんだけど・・・。

・イカのどんどん焼き

 なお、10月にはフィッシャーマンズワーフに温泉を足したような観光施設「ひみ番屋街」というのができるらしい。うーむ。

・氷見キネマ(おまけ)
 駅前のビルの空き室を改装して作ったミニシアターだそうな。

■ライブ「海模様。」@nowhere
 梅原ヨシヒロさん企画のライブ。梅原さんが関東在住だった頃に2度ほどライブを見に行きましたが、その後故郷の富山にUターンして以来、初めて見るライブです。ナイロン弦とスチール弦のギターを持ち替え、さまざまなスタイルで自在に弾きこなし、というとテクニカルな感じがするけれども、全体として圧倒的に印象に残るのは柔らかくよく伸びる優しい声なんですよね。それにしても、ヨシヒロさんはもちろん、沖縄民謡を三線で弾き語るminiさんも、東京大阪から参戦のおなじみyojikとwandaも、どこか親密な感じの演奏だったような気がしたのは、たぶんnowhereという店(とお客さん)の雰囲気のせいではないかと。
 ちなみに、nowhereには高山本線の速星という駅から15分ほど歩いて行ったのだけど、地方ならではの暗い夜道で、本当に正しい道を歩いているのかすっごく不安でした。nowhereの近くのショッピングモールが目印にならかったらたどり着けなかったかも。


北陸旅行(2日目〜その1)

1日目を読み返して、こんな調子で書いていたらいつまでたっても終わらないような気がしてきたので、2日目からはすこしペースを上げようっと。

2日目の9/8(土)は朝から快晴。旅行前の予報では1日目だけが天気が良く、2日目以降はずっと雨だったはずなんだけど。いずれにせよ、いい方に予報が外れるのは歓迎。
布団から上半身を起こして部屋を見回すと、もう山登りに出発した人もいるし、これから登ろうと準備している人もいる。というか、私以外はみんなそう。まぁ、3連休の初日なわけだから当然だけど。これから富山に向けて下山するなんて奴は私くらいなもの。
というわけで、宿を後にして、痛いくらいの快晴の日差しのなか、遊歩道を室堂ターミナルへ。雪壁の間を走ることで有名な立山高原バス美女平まで下ります。室堂が標高2450メートル、美女平が977メートルだから、標高差にして1500メートルも一気に下ることになります。途中、広々とした弥陀ヶ原を見渡すポイントとか、遠くに称名滝(落差350メートル)を望むポイントとか、見所はいっぱいあるし、そもそも景色全体が素晴らしいのだけど、一方で結構な急勾配のつづら折りの道を延々と下るので、美女平に着いた時にはちょっとふらふらになってしまいました。
それにしても、途中ですれ違うバスは皆、これから山に登ろうという人で思いっきり満員だった。一方、私の乗ってるバスは言うまでもなくガラガラ。

美女平からはケーブルカーで立山駅まで標高差500メートル下ります。山岳らしい交通手段はこれが最後。立山に着いた時には、普通の町並みや道路を走る車なんかを見て、いかにも下界に降りてきた気分に。

■美女平駅

■立山駅

ここからは富山地方鉄道の電車で富山に。前半は山の中を常願寺川に沿って下り、岩峅寺から先は富山平野の田園風景の中をひた走ります。ローカルな鉄道に揺られていく気持ちよさを味わうのはずいぶん久しぶりだな〜。
1時間後、電鉄富山に到着。これで立山黒部アルペンラインの旅は終了。

以後はイベント毎にレポ書きます。


北陸旅行(1日目その4)〜室堂

1日目の宿泊地は室堂。いままで室堂というのは名前だけしか知らなかったのだけど、今回の旅をきっかけにいくつかのことを知りました。

立山黒部アルペンルートの最高地点
私が生まれ育った北海道で一番高い山は大雪山旭岳の2,291メートルですが、室堂はそれよりも高くて標高2,450メートル。私が今まで訪れた場所の中では一番標高が高い場所です(ちなみに旭岳ですら山頂までは行ったことないです)。高山病的な症状が出たりしないかと少し心配でしたが、結果的には全く問題ありませんでした)。

■室堂の由来
もともとは室堂小屋という江戸時代からある日本最古の山小屋のことで、いまは室堂ターミナル周辺一帯(室堂平)のことを指すようです。

■宿泊施設がいくつかある
有名なホテル立山のことは知っていたけど、他にもいくつか宿があることは知りませんでした。今回はそのような宿の一つ、みくりが池温泉に宿泊(最初はホテル立山に泊まってみようかなと思ったのだけど料金が・・・)。

というわけで、室堂ターミナルを出て、室堂小屋を見に遊歩道をぶらぶらと歩き出しました。天気もまずまずよく、立山の景色と空気を堪能しながら歩いていたのですが、突然なにやらけたたましくサイレンを鳴らした車が後ろから爆走してきて追い抜いていきました。なんだなんだと思って車の行き先を見ると、遠くの山道に何人かの人が集まっているのが見えました。けがをしたか気分が悪くなったかしたりしたのかなと思ってさらに見ていたら、止まった車から人が降りて、人が集まっているところまで急行(結構距離はあったような)。しばらくしたら、なんと心臓マッサージを開始・・・。げげーんと思ってたら、何人かでその人を持ち上げて(といってもかけ声とかが聞こえてくるので様子がわかるだけで、持ち上げられている人の姿は見えない)、車までえっちらおっちら運んで乗せて搬送していきました。
あとでふと思い出してネットを検索してみたところ、日時からしてどうやらこれらしい。合掌・・・。

というわけで、気を取り直して室堂小屋。江戸時代からあるだけあって年季の入った建物です。

さらにぶらぶら遊歩道を歩いて、本日の宿であるみくりが池温泉に到着。

私が泊まった部屋はたしか12人の相部屋。和室の大部屋で、入り口からみて左右に布団がずらりとならんでいるという感じです。私が部屋に入った時にはまだそれほどお客さんはいなかったので、一番手前隅の布団をゲット。金曜日だったので全ての布団がふさがったわけではなく、7〜8割くらいの入りだったかな。

そんな宿で私はひたすら寝てました。
標高が100メートル高くなるごとに気温は0.6度下がると昔理科の授業で習ったけど、それで計算すると標高2400メートルなら平地よりも15度も低いことになります。体感的にはそこまで低いとは思わなかったけど、いずれにしても平地に比べたら遙かに涼しいことは間違いありません。もちろんエアコンなぞ全く不要。
こんなところに夏ばてでへろへろの状態でやってきたら、もう寝るしかないです! 着いたら寝て温泉入って寝て晩飯食って寝て朝風呂入って寝て朝飯食って寝て・・・みたいな調子で、トータルでは14時間くらい寝ていたんじゃないかな。相部屋なので他の客がざわざわしたときもあったはずですが、そんなの知ったことかとばかりに問答無用でひたすら寝倒してました。「立山に避暑と静養を兼ねて参りました」とか言えばなんだかセレブな感じですが、実態はこんなもんです。

食事もなかなか美味しかったし温泉も気持ちよかったけど、「室堂で何やってましたか?」と聞かれたら、やはり「ひたすら寝てました」と答えるほかない、そんな一晩でした。


北陸旅行(1日目その3)〜黒部ダム

※立山黒部アルペンルートの詳細は、オフィシャルガイドの「駅めぐり」のページの一番上の図がわかりやすいです。

さて、1日目のメインイベントは何と言っても黒部ダム!だと思ってました。
扇沢からのトロリーバスが到着した黒部ダム駅はまだトンネルの中。黒部ダムの展望台に行くには、ここから200段の階段を上らなくてはなりません。
なんとかトンネルを上りきって外に出ると、おお、黒部ダムだ!放水すげー!ダム湖でけー!
・・・なんですが、正直に言うと、ほぼ事前に抱いていたイメージどおり、という印象でもありました。「とにかくすっげー巨大なダム」という観念があらかじめ刷り込まれてしまっていたためか、無駄に期待が膨れあがりすぎていたのかもしれません。
とはいっても、そんな期待に十分応えるものであったことも確かで、展望台からダムの底を見下ろした時の落差にはくらくらするし、これだけ巨大なコンクリートの施設をどうやって作り上げたのか具体的に想像しようとしてもなんだかうまくイメージできなかったりします。
というわけで、ありきたりなものしか撮りようもないのだけど、お約束でダムの写真なぞ。

■展望台から見た放水
なかなかでかさとか迫力とかを写真にするのは難しいですね。ちなみに、右下の木のあたりに人が芥子粒のように見えているところが新展望台。

■ダムの上から見た放水
放水の迫力もさることながら、頭だけ欄干の外に乗り出して眺めた下の川までの高さがすごくて怖い。

■ダム湖
満水時にどこまで水が来るかよくわかります。ちなみにダムの上の道路の左側にトロリーバスの黒部ダム駅、右側にケーブルカーの黒部湖駅があります。

それにしても、2つの展望台を行くために階段を上り下りしたらバテバテでした。運動不足だー。


北陸旅行(1日目その2)〜立山黒部アルペンルート

■新宿→松本
午前9時にあずさ9号で新宿を出発。平日なので、午前9時に新宿にたどり着こうとすると必然的にラッシュに巻き込まれるわけで、人混みにもみくちゃになりながらいまいち旅行気分が盛り上がらなかったのだけど、いざあずさに乗り込んで駅弁とビール(ノンアルコール)を広げると、いきなり旅モードにスイッチング!天気も快晴!
高尾から山に入って笹子トンネルを抜けると高所から甲府盆地を見晴るかすポイントに出て、韮崎からは七里岩を蛇行しながら上って・・・と、見慣れた景色なのだけどやっぱり車窓風景は良いなー。見飽きないというか。

■松本→信濃大町
大糸線の鈍行に乗り換え。昼飯の立ち食いそばを食っていたら発車のベルが鳴って、あわてて車内にかけこむ緊張感。鉄道の旅をしていることだなあとひしひし実感される瞬間です。大糸線は駅間距離が短く、乗客も多くは沿線の住人なので(観光客もちらほらといるけど)生活感の感じられる路線。

■信濃大町→室堂
ここからは今回の目玉にして未体験ゾーンの立山黒部アルペンルート。おおざっぱな構造は、後立山連峰黒部渓谷立山連峰という、二つの3000メートル級の山とそれに挟まれた巨大な谷をぶち抜いていくというルートです。
で、まずは信濃大町からバスで、後立山連峰の外側のポイントである扇沢へ。扇沢からは富山地方鉄道の立山駅までの通し券を買ったんですが、これが8060円もする! 東京から信濃大町までの金額よりも高い!・・・まぁこんな険しいところにむりやり交通手段を作り上げ維持しているわけだから仕方がないのだけど。

立山黒部アルペンルートはあまりにも多くの乗り物を次々と乗り継いでいくので、出発前は何度見ても覚えられなかったのだけど、こんな感じです。

1.扇沢から後立山連峰の土手っ腹をぶち抜いて黒部ダムへ行くトロリーバス。

2.黒部ダムの上を15分歩いて、立山連峰の内側を黒部湖から黒部平までケーブルカーで、さらに大観峰までロープウエイで上っていく。
・黒部湖駅

・黒部平駅(ケーブルカー)

・黒部平駅(ロープウエイ)

・ロープウエイから立山を仰ぐ

3.大観峰から立山の土手っ腹をぶち抜いて室堂に行くトロリーバス

4.室堂から見た立山

今日は力がつきたので、明日は黒部ダムや室堂あたりの話を。