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ロシア革命アニメーション コンプリートDVD-BOX

先日久しぶりにサンレコを買ったのですが、VIDEO Reviewのコーナーを見たら、ロシア革命アニメーション コンプリートDVD-BOXなるものが紹介されていました。レビュー本文をちょっとだけ引用すると、

美しく刺激的な内容だった。ソ連時代のプロパガンダ映像集である本作。(中略)まずなんと言ってもアニメの色彩設計がすばらしい。時に動くクレヨン画、時に動
く油絵、時に動く版画のような質感もリリカルだ。しかもほとんどの作品がユーモアを忘れずに作られている。(中略)皮肉な見方をすれば、作画力と脚本の力
が当局の思惑を上回った作品群、ともいえる。

てなわけで、買っちゃいました。本編6時間40分+解説映像計108分とボリューム満点なので、年末年始にでもじっくり楽しもうと思っています。
といいつつ少しだけ見ました。

1.黒と白(1933年)
 ・・・これどんな作品だっけ。一週間前に見たばかりなのにもう忘れてる。年だな。
2.ツイスター氏(1963年)
 アメリカの大富豪一家がロシア旅行して、ホテルに有色人種がいたことから大騒ぎになる話。50~60年代ぽいデザイン(?)がとても魅力的。手持ちネタではオーレ・エクセルの本に載っているデザインを連想しました。
3,よそ者の歌声(1949年)
 ナイチンゲールの歌声に鳥たちが聞き惚れているところに、アメリカ帰りのバブリーなサギ(だったかな)がやってきて、おまえら時代遅れなんだよという態度でけたたましくジャズをぶちかましてひんしゅくを買うという話。なんだけど、制作者は実はジャズの方が好きなのではないかとの疑念も覚えます。
4.アヴェ・マリア(1972年)
 アヴェ・マリアをバックに、ベトナム戦争に関係した反戦反米映像(日本のも含む反戦デモの実写映像とか人形を持った子供がアメリカ兵が撃つアニメとか)のコラージュが流れる、かなりアングラっぽい映像。
5.百万長者(1963年)
 大富豪の遺産を飼い犬が相続し、とんとん拍子に出世して最後は上院議員になるという話。アメリカでは金さえあれば犬でも議員になれるというメッセージなのかな。
6.射撃場(1979年)
 仕事を探しているあんちゃんが射撃場のオヤジに雇われて生きた標的になる話。サイケでアメリカンなアニメに映像見ながら即興で音をつけていったかのようなフリージャズっぽい演奏が付き、結構長時間にわたってシュールな流れが展開されるので、見終わるとかなりぐったりします。この作品なども、アメリカはこんなにひどい国なんですという政治的建前を堅持しつつ実は自分の好きな作品を作っているとしか思えません。

 アニメを含め映像関係、デザイン関係は全然詳しくないので、見当違いなこと言っているかもしれませんが、そこはご容赦いただきたく。


月曜日に乾杯!

えー。新年度初めてのエントリーです。
が。仕事が旧年度の後かたづけみたいなことばかりで、当面(あと2ヶ月弱)はそんな状態が続くので、あまり新年度という感じがしないのは毎度のこと。
つーか、なんか仕事がたまってるんですけど。今週の金曜日は有休とるつもりだったけど、あえなくポシャりそうな情勢。あーあ。

てな気分の中、週末にDVD借りてきました。「月曜日に乾杯!
以前に紹介した「素敵な歌と舟はゆく」の次の作品らしい。いろんな人のいろんなエピソードで編み上げた織物のような前作に比べると、そういう感じは残しつつも少しストーリーのメインストリートがはっきりしている感じ。主人公は剣呑な化学工場で働くさえないおっさん。ある日、工場の構内への入り口でタバコを吸っているうちに気持ちがプツッと切れてしまい、仕事をバックレて小高い山に登り(工場を眺めながらタバコ吸ってる。なんかサボりの光景は世界共通の普遍性があるような気も)、その後父親~これが没落貴族らしい~のもとに立ち寄って小遣いをもらい、そのままイタリアへと旅立ってしまうという話。ベニスでの映像の数々も、人をサボりの快楽に誘って止まない魅力に満ちあふれてます。月曜日からこんな映画の紹介を書いてたら、明日からの勤労意欲が萎えてしまいそう。


映画(酔っぱらいモード)。

映画って、興味はあるし観たら面白いと思うことも多いのだけど、どうも観ることが習慣づけられていなくて、せいぜい年数本くらいしか観てません。
時々は観ることを習慣づけようとするのだけど、なんか草花のしおれた茎を手で支えてみても、手を離したらまたへにゃっとなってしまうような、そんな感じ。
というわけで(どういうわけだ)年末年始にTSUTAYAで借りた映画。
ピンク・フラミンゴ
 今から●十年前、高校の年刊誌で「モラルが全部吹っ飛んだ」とか紹介されていたのが記憶の片隅に残っていたのですが、年末に何か借りようと思ってTSUTAYAに行ったら何だかあったので借りて観ました。
 基本的にはお下劣変態フリーク映画なんですが、「アメリカの田舎」の狂気のようなものを強く感じました。周囲数キロには人がいない(でも家畜はいるかもしれない)農家の納屋で、究極の大音量で奏でるパンクとかメタルとか、そんな世界に通ずるものがあるような。だって、トレーラーハウスの周りを鶏が走り回ってるような世界ですよ。
鬼火
 ベルサイユの施設でアル中を治療していた金持ちの青年が、パリに戻って次々と旧友と会って幻滅し、ピストルで心臓ぶち抜いて自殺する映画。なんか自分が中年オヤジになったことを強く自覚させられる映画でありました。今の自分のいる場所は、この映画の主人公からはずいぶん遠いよなー、と。
 家具調度のたぐいは何だか立派。
で、3連休。
金曜日、仕事帰りに本屋に行ったら、「シネコン111」という本が目に留まりました。著者は吉野朔実。うーむ、吉野朔実って最近は映画評なんて書いてるん?と思ってちらちら立ち読みしてみましたが、イラスト入りの見開き完結型で好きなときに好きなだけ気楽に読めそうだったので買ってみました。
で、最初に紹介されているのが「素敵な歌と舟はゆく」という、グルジア出身の監督がフランスで撮ったらしい映画。冒頭に書いたとおり映画にはうといので、タイトルも全然聞いたことなかったけど、解説を読んだ感じではぼけーっと観て楽しめそうだったので、早速TSUTAYAで借りて観ました。貴族と浮浪者が好きなことやってる映画って感じ。あと、コウノトリを筆頭に動物がいい味出してる。あと、みんなしょっちゅう酒呑んでる。
少なくない登場人物が次々と交錯するような感じなので、まじめにディテール追っかけると案外大変なのかも知れないけど、私は気にせずぼーーーっと観ました。


Quarteto Em Cy他ボサノヴァ映像

先日紹介したQuarteto Em Cyの”Aleluia 1964-66“、すっごく気に入って、2曲目のImagenという曲を歌ってみようかと思ったのですが、歌詞カードが入っていないんですよね。オリジナルアルバム”Som Definitivo“の日本盤は廃盤みたいだし、困ったなと思ったのですが、昨日新宿で呑み会があったついでにディスクユニオンに立ち寄ったら中古盤があった! もちろん即購入しました。歌詞カード見たら、「歌詞聞き取り、対訳:国安真奈」とありました。いい仕事いっぱいされてますね~。
それはそうと、Quarteto Em Cyの映像ないかなぁと思ってYouTubeを漁ったところ、渡米してGirls from Bahia名義でアンディ・ウィリアムス・ショーに出演したときの映像がありました。Som Definitivoのシリアスな世界とはずいぶん違いますが、なかなか楽しそうではあります。

おまけで、ついでに見つけた映像も貼っておきます。ルイス・ボンファ、ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビンがビーチでビキニ姿のナイスボデーねーちゃんをはべらせながらギター弾いて歌ってる映像ですが、これって「ボサノヴァの歴史外伝 パジャマを着た神様」の表紙になっているやつですよね。もともとは何だったんだろう。映画?テレビ?

※さらに漁ってたら、ジョアン・ジルベルトとアントニオ・カルロス・ジョビンの競演映像を発見。これも有名な映像なのかなぁ。
○Disafinado

○いぱねま

○Chega de saudade


魔の谷

以前紹介したHollywood horror collectionシリーズ、我が家には映画2本入ったのDVDが2枚あるのですが、「人喰いネズミの島」1本見て以来放置プレー状態。
夏ばてで何もやる気がしない中、たまたまそのことを思い出して、1本くらい見てみようかと思って見たのが「魔の谷」。原題はBeast from haunted cave。
輸入盤で字幕も吹き替えもないのでどうかなーと思ってたのですが、なんだかよくわからん映画でした。なんかスキーしてるシーンと延々くっちゃべってるシーンが圧倒的に多く、化け物はときどきちょびっと出てくるだけで、最後に出たーっ!と思ったら、撃たれて燃え上がってジ・エンドという。ううううう。
その後、ネットを検索したらこんなページを発見。うーむ、そういうストーリーだったのか。まぁ大筋は把握できてたと思うけど、ディテールはやっぱ日本語ないとわからん。
しかし、このSFシネ・クラシックスというページは凄い! よくまぁこれだけおびただしい数のB級、C級映画を見てレビュー書いたもんだ。タイトル見ただけであぁこりゃひどそうだと思い、解説読んだら腹抱えて笑うしかないような作品がてんこ盛りです。
だいたい、魔の谷のレビューが、

展開のタルサ、怪獣造形のちゃちさを我慢すればなかなか見られる映画ではないでしょうか。

と締めくくられているのですが、これが「なかなか見られる映画」だったら、他は推して知るべしって感じです。あーあ。