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初めて出会ったヤマドリタケモドキ(たぶん)

金曜日に原宿シーモアグラスで行われた「かえるとセツコの部屋」とか、土曜日に見に行った「ウエノ・ポエトリカン・ジャム」とか、書きたいネタはいろいろあるのだけど、今回はヤマドリタケモドキの話。

子供の頃、秋になると親に連れられてよくキノコ狩りに行きました。
単に食べられるキノコを収穫するだけでなく、見つけたキノコの種類を図鑑で調べるのが楽しかったんですよね。
そうなると食用も毒も関係ないというか、むしろ毒キノコを見つけるとかえって興奮したもんです。
タマゴテングタケを見つけたときなど「これ一本食ったら死ぬのか!」と思ってドキドキしたり。

そんなことをやっていると、いつか見つけてみたいと思う「あこがれのキノコ」のようなものが心中に宿るようになります。
最初にそんな感じがしたのはタモギタケかな。タモギタケって他のキノコよりも出る時期が早いので、なかなか普通にキノコ狩りしていても出くわすことがなかったんですよね。
それが、なぜか中学一年の時に沢の倒木にあの黄色いキノコがびっしり生えているのを見つけたときの感動といったら。

あとはタマゴタケ
毒キノコがずらりと勢ぞろいするテングタケの仲間で、傘は鮮やかな赤、茎は鮮やかな黄色とめっちゃ派手なルックスなのに毒がない(結構美味しいらしい)。
いつかお目にかかりたいとずーーっと思っていたんですが機会に恵まれることはありませんでした。
それが、大人になってから観光関係の仕事で礼文島に行った時に山道を歩いていたら、ばったりと目が合ったんですよね。
すごくうれしかったなぁ。
結局、食べはしませんでしたが。

ヤマドリタケもそんなキノコの一つ、といっていいのかな。
タモギタケやタマゴタケに比べれば色彩的には全然地味です。でも、とても大ぶりで肉厚で見栄えがして、しかもとても美味しいということだったので、やはり憧れのキノコの一つでした。
しかも、大人になってイタリア料理を料理本を見ながら見よう見まねで作ったりするようになったとき、ポルチーニがヤマドリタケのことだと知って、ますます興味津々。
ただ、今の住環境は、生まれ故郷のように歩いて行けるところに森林があったりするわけでもなく、キノコ狩りをする機会も全くなくなってしまったので、生えているところを目にすることはないだろうな、と思っていました。

それが、昨日山手線の内側の緑豊かな某公園を歩いていたら、ばったり目があったわけですよ。
※ちなみに、すぐ横には毒キノコのイッポンシメジまたはクサウラベニタケが生えていました。襞が薄桃色のシメジっぽい形のキノコには気をつけましょう。

ただ、ヤマドリタケはタモギタケやタマゴタケのように他と間違いようのない唯一無二のキャラがあるわけではなく、似たようなキノコがいくつかあることも認識していました。
しかも、その中にはドクヤマドリという毒キノコが含まれています。
というわけで、慎重を期して図鑑やネットを調べてみました。

まず、ドクヤマドリタケの特徴を見ると
・管孔(傘の裏の部分)は・・・黄色から黄褐色。傷つけるとゆっくりと青変し、黄褐色から褐色のしみとなる。
・肉は・・・淡黄色。これも傷つけるとゆっくりと青変するが管孔ほどではない。独特の臭気がある。
とありますが、今回採取したものは、管孔も肉も白で、傷つけても色は変わらなかったので、ドクヤマドリではなさそうです。

あと、ヤマドリタケモドキというのもあり、これとの違いは、
・ヤマドリタケは傘の表面に光沢があるのに対し、ヤマドリタケモドキの傘の表面はビロード状
・ヤマドリタケの柄には途中まで網目模様があるのに対し、ヤマドリタケモドキの茎には全体に網目模様がある
とのこと。今回採取したものをじっくり検分した感じでは、ヤマドリタケモドキの特徴の方が当てはまるようです。

まあ、モドキなのは偽物っぽくて残念ではありますが、図鑑の説明を読むと日本にはモドキしかないようでもあり、仕方がありません。
いずれにしても、ヤマドリタケの仲間を見つけるのは初めてだったので、とても嬉しい!です。

さて。モドキとはいえポルチーニの近縁種。それが生で手に入ったのだから、食べない手はありません。
ということで、久々に絶望のスパゲティを作ってみることにしました。
絶望のスパゲティというのは、手持ちの料理本のレシピを見る限り、ポルチーニの入ったプッタネスカという感じです。材料は黒オリーブ、アンチョビ、ケッパー、赤ピーマン、玉ねぎ、にんにく、トマト缶。

▪️手持ちのレシピではポルチーニも含め材料は皆みじん切りにすることになっていますが、今回はキノコの歯ざわりを楽しみたかったので、キノコだけは少し大きめの薄切りにしました。

▪️トマト缶を加え、塩胡椒とチーズで味を整えて出来上がり。

というわけで、微妙に盛り付けが美しくありませんが完成!
味は文句なし!キノコはしっかり炒めたので、味は美味しいけど結構柔らかくなったかも。

今のところ体調は良好なので、ドクヤマドリではなかったと信じたい。


吉田慶子さんのオープンマイク『canto』@カフェ・ムリウイに行ってきた

ここしばらく音楽を演るエネルギーが低調気味でした。
仕事が忙しい(当社比)こともあるし、夏バテもあるし、押し寄せる高齢もあるし。
音楽活動を途切れさせてはいけないと思って、ボサノヴァのレパートリーを増やすことに取り組んだりはしていますが、曲を作ったりライブやったりという気分にはなかなかならず、テンションが低いことは否めません。

そんな時、ライブ等でお世話になっている祖師ヶ谷大蔵のカフェ・ムリウイのイベントページに「オープンマイク『canto』」というイベントが掲載されたのを見かけました。
ナビゲーターは吉田慶子さん。
説明文にこんなことが書いてあります。

canto(カント)は、ポルトガル語で、歌。 そして、すみっこ、片隅のこと。 ひそやかに歌、音を楽しみ愛する方のためのちいさなオープンマイク、開催します。

これを見て思い出したのは、10年近く前に何度か行ったイベント「そっとナイト」のことでした。
「日本語ボサノヴァ三国志」でご一緒しているOTTさんがやっていたイベントで、とても雰囲気というか居心地がよく、それまで人前で演奏したことなどほとんどなかった私が何度かミニライブのようなことをやらせていただきました。
今改めて振り返ると、「そっとナイト」がなかったら今の私はない!というくらいかけがえのないイベントだったんですよね。

『canto』の説明を見た時に、これはもしかしたら「そっとナイト」のようなイベントかもしれない、と思いました。
大げさな言い方だけど自分の原点に立ち返ることができるかもしれないと思って、いつだろうと思って見たら、なんと明日だ!
どうする?
もちろん行く!

という感じで行ってまいりました。
感想ですが、ツイッターに

吉田慶子さんのオープンマイク「canto」@カフェムリウイはただただサイコーであった。あの場にいた全ての人々に溢れんばかりの感謝を。

と書いたとおりです。
吉田さんの人柄を反映してか、とても雰囲気が和やかでフレンドリーでした。みなさんの演奏はどれも素晴らしいのだけど、なんというかピリピリしたところが全然ないんですよね。
ほとんど(いや全部か)の方は面識なかったけど、演奏が終わった後いろんな方とお話しすることができてこれまた楽しかったです。驚いたのは、「そっとナイト」に参加したことがある方がいたこと。いやー奇遇ですね。びっくりしました。

次があったらまた行く!