月別アーカイブ: 2018年8月

詩の教室に通う

4月から詩の教室に通っています。

細々と音楽を続ける中で作詞作曲にも取り組んで来ましたが、自分の作る歌詞に少なからず不満があって、もうちょっとなんとかならないかなとずっと思ってました。
不満の内容を的確に説明するのは難しいのですが、例えば惑星のかぞえかたの曲の歌詞は、素朴な手触りながらも散文的な表現にとどまらない言葉の使い方を模索している感じがするんですよね。
この感じを「詩的」と言うのが適切かどうかわからないけど、何となく文学の詩を読んだ時の感じに近いような気がしていました。
それに引きかえ、自分の書く歌詞はどうしようもなく散文的というか…。

などといったことを漠然と思いながら過ごして来たある日。
NHK文化センター青山教室で開催された「生き延びるための言葉教室・第2講」なるイベントに参加しました。
出演は社会学者の岸政彦さんと詩人の文月悠光さん
岸さんのことは昔から知っていて(面識があるわけではありませんが)、最近は本業の社会学関係の著作も次々と刊行される一方で、芥川賞候補になった小説や故・雨宮まみさんとの対談本などなど八面六臂の活躍ぶりに、すごいなぁと思っていたので、このイベントのことをたまたま知ったとき、ほぉと思って深い考えもなく参加を申し込んだのでした。

一方、文月さんのことは実はあまりよく存じ上げなかったのですが、イベントの最中にNHK文化センター青山教室のチラシを見ていたら、「今夜は詩人!」という詩の教室を月1回開講していることを知り、詩の作り方を学ぶのもいいかもなーと思って、これまた深い考えもなく受講を決意。
申し込んだ後ほどなくして満席/キャンセル待ちになったので、タイミングもよかったようです。

というわけで教室に通い始めたのですが、初回こそオリエンテーションも兼ねてワークショップ的なこともやったものの、その後は前回までに提出した作品を先生と受講生で講評し合うという内容。
練習なしにいきなり詩を書くこととなり、金槌なのにいきなりプールに放り込まれるようなプレッシャーを感じましたが、一方でこういう創作って理屈をこねる前にまず何でもいいからとにかく形を作るのが結局は近道であるという話も随分と耳にしてきたので(逆に、あれこれ理屈をこねることが先行して結局は創作が軌道に乗らないというのもありがちな話のようですし)、四苦八苦しながらも何とかかんとか作品を作り続けています。徒手空拳で物を作り続けるのはなかなか精神力が必要とされますが、こういう教室に通っていると、締め切りのプレッシャーがいい意味で背中を押してくれるところがありますね。

というわけで、毎朝、職場近くのサンドイッチ屋で朝食を摂りながら、ちまちまと創作に取り組んでいます。
教室は半年単位ということで、いま受講しているのは9月までですが、10月以降も継続することに。
今後が楽しみです。


マイルス・デイヴィスの選曲

昨日弾き語り動画をアップしたAos pés da Cruzをマイルス・デイヴィスが取り上げてました。

マイルスが手がけた唯一のボサノヴァアルバム、ということだそうですが、アマゾンのレビューを見るとなかなか微妙な評価です。
でも、100%金儲け狙いだったら、この曲入れるかなぁ。

全然ジャンル違うけど、マイルスってDavid CrosbyのGuinnevereとかもやってるんですよね。最近知ったんですが。
なんだか選曲ににじみ出る音楽の趣味にちょっと共感。


Aos pés da Cruz弾き語り動画アップしました。

最近、ライブも曲作りもすっかりさぼってしまっています。
もっとも、ライブはともかく曲作りに関しては、いろいろ仕込んでいるところではあるので、そんなにさぼっているという気分でもないんですが(仕込みがちゃんと結実するかどうかは心もとないのだけど)。
あとは、リハビリも兼ねてボサノヴァのレパートリーの拡張に取り組んでいます。
やはり、「好きなことをやる」ことが音楽活動全体の燃料というかエンジンというかエネルギー源であって、それがコアにないと音楽活動全体が続けられないんですよね。

で、今回は「Aos pés da Cruz」。ジョアン・ジルベルトのファーストアルバムに入っている曲です。

ジョアン・ジルベルトのバージョンは、とても哀愁に満ちた美しい曲という感じですが、

オリジナル(だったかな)のオルランド・シルヴァのは、例によっていかにもなサンバですなー。Rの巻き舌がすごい。

歌詞は「十字架のもとで永遠の愛を誓ったのに(以下略)」というもの。個人的には歌詞の意味に感情移入しながら歌うのはなかなか難しいですが、典型的なボサノヴァに比べるとメロディがそれほどテクニカルというかメカニカルな感じではないので、曲の美しさに没入しながら歌ってます。