公取委「著作物再販協議会」の議事録

公正取引委員会ホームページ「著作物再販協議会(第5回)の議事録が公表されていました。つらつらと眺めていると、社団法人日本文芸家協会書籍流通委員会委員長の中沢けいという人がこんなことを言っているのが目に留まりました。

私は純粋に買う側として皆さんに伺いたいのですが,多様な価格というのは本当に買う人にとってありがたいのでしょうか。私は年取った場合に,余りこっちで売っているものとあっちで売っている本の値段がばらばらで,とても損したとか得したというふうに思いたいのか思いたくないのか今とても複雑な心境でいます。(中略)新本は今まで価格安定的に維持してまいりましたから,高齢の皆さんにとってある種の価格競争が不公平感を抱かせるような形で起こることがいいのか悪いのか,その辺の御意見を今日は是非伺いたいなというふうに思っていました。

例えば、多くの消費者(「高齢の皆さん」を含む)が食料品など日々の買い物をする際、「こっちで売っているものとあっちで売っている」ものの「値段がばらばら」だ、などというのは当たり前の話であって、その中で少しでも安くて良いものを手に入れようと努力していると思うんですが。
いや、文学作家はそんな努力をしなくてもよいご身分なのかもしれませんが、そうであっても再販価格制度を正当化したいがために「高齢の皆さんにとって」なんてふうに一般化するのはいかがなものかと思います。
てなわけで、この意見に対して財団法人日本消費者協会の長見萬里野という人が

不公平感があると言われたら,じゃあ他の商品はどうなのか。あそこのスーパーで売っているものとここのスーパーで売っているものと値段が違うから不公平かといったら,そういうことではないわけで

と言っているのも当然でありましょう。ったく。


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