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David Crosby “If I could only remember my name”

Ben Wattのサイトを眺めていたら、My guitar influenceという記事が目に留まりました。非常に多彩なジャンルのギタリストの曲が挙げられているのですが、その中にDavid CrosbyのTraction in the rainという曲がありました。
どんな曲だっけと思って、CDの棚を探したんですが・・・見当たらない。
David Crosbyのソロアルバム”If I could only remember my name”は、買って持っていると思ってたのだけど、どうやら思い違いだったようです。最近こういうことが多くて困ります。ほんと年取るってやーね。
というわけで、買って聞きましたが・・・おお、これはすばらしい!
一曲目からべろんべろんな低音弦が特徴的なオルタネートチューニング炸裂という感じ。
中でもTraction in the rainは究極に美しい響きでメロメロです。

そこで思い出したのが、Joni MitchellのファーストアルバムをDavid Crosbyがプロデュースした頃のことについて、David Crosbyが回想するインタビュー記事
人名表記やら誤字脱字やらがちょっと目に付きますが、中身については、Joni Mitchellと出会ってオルタネートチューニングで曲を書くようになり、CSNのファーストアルバムに収録されたGuinevereが生まれた話とか、とても興味深いです。
Joni Mitchellはすごいペースで曲を作っていたようです。

「Guinevere」は実際、一ヶ月もかかった。でも彼女は僕がそうやって苦しんでいるのをよそ目に週に5曲も書たんだ(笑)。

・・・まぁ、Joni Mitchellみたいな天才はほっといて、Guinevereみたいな素晴らしい曲が一ヶ月でできるんだったらいいじゃないかという気もしますが。
CSNのファーストアルバムを見ると、一曲目のSuite: Judy Blue EyesはStephen Stills作、二曲目のMarrakesh ExpressはGraham Nash作、そして三曲目のGuinevereはDavid Crosby作ですが、個人的にはこの3曲ではGuinevereが圧倒的に好きです。

ちなみに、”The Complete Book of Alternate Tunings”という本には、David Crosbyのソロアルバムに収録されたいくつかの曲のチューニングが載っています。
オルタネートチューニングも、いつか腰を据えて研究したいんですが、いつになるやら。


Ben Watt “Hendra”

以前、ブログの名前はNorth Marine Driveだったし、
ライブをやる店の名前もNorth Marine Driveだし。
そのくらい、自分の音楽活動のベース(の一つ)はBen Watt的なものだと思ってるわけですが、
North Marine Drive以来、31年ぶりのソロアルバムHendraについて書くのを失念してたのはなんでなのか。
いや実はアマゾンにアナログ版を予約していて、CDが輸入盤、国内盤と順次リリースされるのを横目に辛抱強く待っていたんですよ。
でも結局入手できず。アマゾンの予約ってあてにならないなーと思った次第です。

結局国内盤を買って聞いたんですが、割と骨のある軽いロックっぽい音がメインという感じ。
North Marine Driveの青さみたいなものはほとんどない気がします。
まあもう52歳だし。同い年の私もそういう青さはそんなに求めていないし、創れもしない。
でも、ある種のさりげない率直さみたいなものは一貫しているような気もします。
同世代の現在形の音楽って結構希少なので(私が知らないだけかもしれないけど)、何となく心強い気持ちで聞いてます。


Durutti Column “Chronicle”

大学の頃、友人が送ってくれたカセットテープに入っていた(その後レコードを買った)Durutti ColumnのLips that would kissは何度聞いたかわからないくらい聞きました。なんというか「生きるのに必要な音楽」だったように思います。あのときは。

その後もDurutti Columnは淡々と活動を継続し、先日最新作のChronicleが届きました。
Durutti Columnというのはヴィニ・ライリーというギタリストの一人プロジェクトなんですが、近年は脳梗塞で何度も倒れたり、経済的困窮に陥ったり、いろいろ大変だったようです。
でも、Chronicleは(まだ全部聞いてはいないけど)何も変わってません。本人以外のヴォーカルが入っていたり、割と生々しい音のアコギが入っていたりもするけれど、聞いた瞬間に
Durutti Columnだとわかる曲とギターは一貫しています。

昔のように「生きるのに必要」という感覚は薄れた今、昔と本質的に変わらない音楽を新作として聞くのは、なんだか不思議な感覚です。


新譜のアナログ盤を買ってみる。

最近新譜のアナログ盤がどんどん出ていたにもかかわらず、これまでいまいち手を出す気になれなかったのは、なんとなく新しい音はiPodとかでも聞きたいと思っていて、アナログだとデジタルの形で取り込むのが手間だなー(まずやらないよなー)と思っていたからなんですが、最近は新譜のアナログ盤を買うとネットでデジタルの音源もダウンロードできるようになっているという話を聞いて(これって前からこうだったのかな)、それならいいかと思って、少し買ってみることにしました。

最初に買ったのがロディ・フレイムの新譜「Sever Dials」。冴えない老けた顔をアナログジャケットのサイズで見せつけられても仕方ない気もしますが、音楽はロディ・フレイム節全開という感じでとても素晴らしい。ちなみに、ダウンロードのコードではなくCDがついてくるのもなんだか太っ腹(それだけ安く出来るということなんでしょうけど・・・)。
最初に針を落とした時、ノイズはとても少なくて「おお、これは」と思ったけど、最後まで聞いた印象としては、全体としての音質・盤質は、まぁこんなもんかなという感じ。

その前に注文したのにまだ来ていないのがベン・ワット「Hendra」。国内盤CDはもう出たけど、いつになったら来るのかなー。
あと、XTCのスカイラーキングで、オリジナル盤で位相の処理で問題があったのを修正した(ついでにジャケットも大元の股間デザインを採用した)盤も買おうと思ったのだけど、これはすでに売り切れまくっておった。

今後も、気が向いたらぽつぽつと買う・・・かもしれない。アナログ盤。

  


Burns Double Six買いました〜12弦ギターについて(その4・・・Burns Double Six)

というわけで、だらだらと書いてきましたが、締めくくりは当然、Burns Double Sixを買った話です。

長らく12弦はアコギしか持っていなかったんですが、これまでの話を読んだ方には、エレキの12弦が欲しくなる気持ちを多少は理解していただけるのではないかと思います。
が。例によって例のごとく、私はレフティなんで選択肢が非常に限られるんですよね。
最初は、当然のごとくリッケンバッカーが欲しかったんですが、最近はほとんど左用は作ってないみたいなんですよね。
ポール・マッカートニーの威光もあってかベースの左用は時々見かけますが、ギター、それも12弦の左用はほとんど見たことないですね。
一昔前は、谷口楽器にいっぱい展示してあったんですが。
まあ、仮にあったとしても、リッケンバッカーのギターのお値段は、12弦という飛び道具系のものにしてはちょっと高すぎるように思われるのも正直なところではあるんですが。カタログ見ても、最低でも30万円だもんなー。

切実な必要性にかられていたわけではなかったんで、だらだらと時間は過ぎていったのですが、ふとネットを漁っていて見つけたのが、バーンズDouble Sixというギターでした。
バーンズというメーカーについては、ブライアン・メイのハンドメイドギターのコピーモデルを作っているということくらいしか知らなかったんですが(いまはライセンスも終了し、ブライアン・メイ自身が設立した会社が製造販売しているらしい)、ウィキペディアとかを見るとなかなか面白いメーカーであることがわかりました。
細かいことはそちらを見ていただくとして、私が高校生のころ初めて聞いたクイーンのアルバム「A day at the races」のA面3曲目にLong Awayというブライアン・メイの曲があります。
ヴォーカルもブライアン自身が取っていて、ひたすら分厚くて濃い音が続くアルバムの中では比較的ポップでくつろいで聞ける良い曲だと思うのですが(もっとも高校の同級生の多くは「歌が情けない」「ベイ・シティ・ローラーズみたい」などとネガティブな評価を下してましたが)、ギターがなんだかいつもの音と違うなぁと思ってました(高校の頃のことで、当時は12弦だとは気がつかず)。
今回あれこれ調べていくうちに、あの曲で使われているギターはバーンズの12弦だということがウィキペディアにて判明!
というか、なんでLong Awayの項がウィキペディアにあるのかという気もしますが、日本語版では「リズム・ギターには、12弦ギターを使用していた」とだけ書いてあるんですが、英語版には「For the rhythm guitar parts he used an electric Burns twelve string guitar」と書いてあるんですよね。

俄然、Double Sixが欲しくなったんですが、このモデルは日本の代理店である島村楽器からは発売されていないので、eBayにてアメリカのとある楽器店に直ちに注文。
無事PayPalでの支払いも終わって(高額なので本人確認の手続きが必要だったけど)、発送したとの連絡も来て、わくわくしながらトラッキング情報を見ていたら、いよいよ米国から日本に発送するセンターとおぼしきところまで来たところで「Exception: Undeliverable-SYSTEM_RESTRICTION」という表示が。
げげーんと思っていろいろ調べたら、今回業者が使ったグローバル・シッピング・プログラム(GSP)というeBayの海外発送システムにはサイズとか重さとかについて制限があって、今回のギターはそれに引っかかったため送れない、ということらしい。
ああめんどくさいことになったなと鬱になっていたら、すぐにeBayから連絡が来て直ちに返金が行われ一安心。
って、単に振り出しに戻っただけなんだけど。

気を取り直して、輸入代行業者を使うことにしました。もちろんそのぶん割高にはなりますが、一方で海外発送を受け付けていない店も候補になるので、場合によってはそういう店からギター本体を安く買える可能性があり、トータルではとんとんくらいで済む可能性があります(実際にそうなった)。

というわけで、無事ゲット。いやー一時はどうなるかと思いました。
burns26_1

参考までにDouble Sixのデモ動画を二つほど紹介。いやーかっこいい!美しい!