ニール・ヤングの自伝、ボブ・ディランの自伝

本屋を覗いたら、なにやら最近はロックミュージシャンの重厚長大な自伝がいろいろ出ているようで。
というわけで、ニール・ヤングのやつとボブ・ディランのやつを買って読んでます。
どちらもボリュームたっぷりなので(特にニール・ヤングのはすごい量)、まだ全部は読んでないんですが。
共通点は、どちらも自分で書いている(ゴーストライターを使っていない)ことと、時系列ではないことでしょうか。

ニール・ヤングのは、ものすごい数の章に分かれていて、章のほとんどにタイトルがなく(一部にだけあるのが気まぐれな風味を醸し出しています)、話もあっちにいったりこっちにいったりで、まあとてもニール・ヤングらしいです。
実生活では、障害を持つ2人の子供を育て、本人も辛い手術を何度も経験するなど、ハードな経験をたくさんくぐり抜けてきているものの、一方で音楽とか鉄道模型とか車(あれこれのエピソードで車のことが詳細な車種のことも含めて書かれている)とか高品質な音楽配信事業とか、自分がやりたいこれまたたくさんのことへの情熱はあふれんばかりで、それに取り組んでいる様子はいかにも幸せそう。

ボブ・ディランのは、5章から構成されていて、各章は時系列に構成されてはいないものの、個々の章はある特定の時期をじっくり書いていて(ニール・ヤングのは、個々の章の中ですら話があっちにいったりこっちにいったりする)、読み応えがあります。いかにもディランらしい詩的な表現もふんだんにもりこまれているものの、基本的に話はとても明快で、わかりづらいところはほとんどありません。個人的には修業時代にマイク・シーガーのフォーク・ミュージックの演奏を見たエピソードが印象的でした。「さまざまな分野を網羅し、古い演奏法のカタログのようにあらゆる種類の演奏をし・・・それぞれの歌の可能性を最大限に引き出していた」ことに衝撃を受け、自分はこれと同じことをやったとしても永遠に追いつけない、それならマイクが知らない、自分だけのフォークソングをつくったほうがいいのではないかと思った、というくだりはぐっときます。これも含め、音楽をやることに関するさまざまな迷いや悩みが率直に語られていて、いまの私にはとても興味深いものでした(って、まだ読み終わってないけど)。


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