CD・レコード」カテゴリーアーカイブ

Burns Double Six買いました〜12弦ギターについて(その3・・・レッドベリー、バーズ)

90年代後半くらいからギターを弾き始めたんですが、そのうち12弦ギターが欲しくなりました。
ただ、左用の12弦ってそんなに売ってないので、実際に手に入れるまでに少し時間がかかりました。
結局最初に買ったのは、クロサワ楽器で売っていた中古のK.Yairiのアコギでした。

同時に、12弦用の教則本ってあるのかなと思って、ネットを少し漁ってみました。
最初に入手したのが大量に教則本を出していることで有名なハッピー・トラウムの「12 String Guitar Techniques」というDVD。
内容は基本的にレッドベリーのレパートリーであるブルースやフォークをレッドベリーのスタイル(サムピック、フィンガーピックをフル装備で弾く)で演るというもの。
レッドベリーといえば、50年代イギリスでスキッフル大流行のきっかけとなったRock Island lineの作者でもあり、欧米では12弦ギターの源流としてレッドベリーの存在感は絶大なものがあるようです。
併せて「A Folksinger’s Guide to the 12-String Guitar As Played by Leadbelly」という本も中古で入手。

レッドベリーについては、アラン・ロマックスなど当時の民俗音楽学者による民謡採集フィールドワークの対象となったため膨大な音源が残されています。
何枚か聞いてみましたが(アマゾン等で検索すれば山ほど出てくる。余談だけどアマゾンでは「リード・ベリー」と表記されていてガックリ)、どうも私にとってこの方面は、そのうちみんな同じに聞こえてしまってどれがどれだかわからなくなってしまうロバート・ジョンソン・コンプリート・レコーディングス状態になってしまうようで・・・。
歌詞がわかると全然違うのかもしれないけど。

もう一つ見つけたのが、「12 String Guitar of Roger Mcguinn」というDVD。
タイトルのとおり、バーズの12弦ギターの弾き手として知られるロジャー・マッギンがMr Tambourine Man、Turn turn turn、Eight miles highなどバーズの代表曲を弾き語りするというもの。
このあたりのロック好きには、単なる演奏観賞用としてもなかなかこたえられないものがありますが、楽譜(部分的なものですが)のブックレッツもついているし、映像も通しの演奏だけでなく奏法の詳細な解説からなんとリッケンバッカーの12弦ギターの弦交換のコツに至るまでかゆいところまで手の届くサービス満点のお買い得な内容。
レッドベリーよりはこっちの方が私には向いているな。

で、参考資料としてバーズの譜面を探したのだけど、これが全然ないんですよねー。
しつこく探していたら、リッケンバッカーのフォーラムで情報発見
なにやら「The Byrds: For guitar tab : twelve great songs in easy-to-read guitar tablature & standard notation, including chord symbols, melody line & lyrics」という長ったらしいタイトルの譜面がイギリスの出版社から出ていたが今は絶版で、欲しい人はebay等を漁れ、ということのようです。
私はしばらくAmazon.co.ukをウォッチしていたら、そのうちマーケットプレースに古本の出物があったので速攻でゲット。
直接海外には売ってくれない業者(個人?)だったため個人輸入代行業者を使ったのでちと割高になってしまいましたが、まあ仕方ないっす。

ということで、当面12弦ギターを研究するためのネタには事欠かない感じにはなりました。

※あと1回で終わる・・・予定。


Burns Double Six買いました〜12弦ギターについて(その2・・・アズテック・カメラ、XTC)

というわけで、続きをだらだらちまちまと。

70年代で12弦ギターの有名な曲というと、ホテル・カリフォルニアとか天国への階段が有名なんでしょうが、有名であるがゆえに黙っていても耳に入ってくるという以上のつきあいはなかったのでさくっとスルーします。
※といいながら一つだけ。2分30秒くらいから12弦が出てきます。

パンク/ポストパンク期はあまり12弦ギターって使われていなかったんじゃないでしょうか。あの時代に12弦の優雅で複雑な味わいの音色はあまりマッチしなかったということなのかもしれませんが。
というわけで私が知っているのはAztec CameraのThe Boy Wondersくらい。

・・・といいながら、実はそれってリアルタイムで知っていたわけじゃなくて、90年代後半に出たロディ・フレイムのソロアルバム「Surf」で明らかに12弦ギターとわかる音が聞こえたのをきっかけに、芋づるをたぐっていってわかったことなんですが。
と書いてきて、何となくいわゆるネオアコ〜ギターポップ系では12弦って結構使われていそうな気がしてきたのだけど、どうなんでしょうか・・・。

たぶんあと2回くらい続く。

※追記 肝心のXTCのことを書き忘れておった。English Settlementではデイブ・グレゴリーがリッケンバッカーの12弦を弾いてますね(下の動画では5分10秒くらいからのSenses working overtimeで)。


Burns Double Six買いました〜12弦ギターについて(その1・・・ビートルズ、クイーン、イエス)

12弦ギターというと、みなさんはどういう音楽を連想しますか?

私は最初に好きになったポピュラー音楽がビートルズだったので、自然とその流れで12弦ギターのことを知り興味を持ちました。
ビートルズで一番有名な12弦エレキギターの演奏というと、A hard day’s nightのイントロのジャーン!というかビーン!でしょうか。あれは無茶苦茶インパクトのある音だったんだろうなと思います。私自身が印象に残っているのは、You can’t do thatとかIf I needed someoneとかかな。このオクターブ違いの2つの音が聞こえる不思議な音色はいったい何なんだろうと思ってました。↓の動画でジョージ・ハリスンが弾いているのがリッケンバッカーの12弦エレキですね。

12弦アコギではYou’ve got to hide your love awayが一番フィーチャーされているとは思うけど、曲そのものがそんなに好きじゃないので、私としてはHelp!が代表曲かな。中間のところで12弦アコギがすごく目立つ箇所があっていい感じ(ずっと右チャネルから聞こえているけど)。

ビートルズの次に聞くようになったのがクイーンなんですが、12弦を使った曲というと、アコギは’39、エレキはLong Away。実はLong Awayでは今回私が買ったBurnsの12弦ギターが使われていると英語版のWikipediaにあります(日本語版では単に「12弦ギター」としか書かれていない)。ビートルズ好きのブライアン・メイは、本当はリッケンバッカーが弾きたかったのだけど、ネックが細すぎてうまく弾けなかったので、ナット幅が50ミリ近くあるBurnsのギターを使ったようです。Long Awayが収録されているA day at the racesは私が最初に聞いたクイーンのアルバムなんで思い入れが深いです。A面一曲目、二曲目がすごく濃いので、その後に続く三曲目のLong Awayのポップな曲調と、ブライアン・メイのちょっと頼りない歌と、12弦ギターの音を聞くとほっとするんですよね。

クイーンの次に聞いたのがイエス。And you and Iのギターが12弦だということはだいぶ後になってから知りました。言われてみれば確かにそうなんですが。ちなみに6弦で演奏するとこんな感じになります。12弦とは全然違う!

なんだか書き出したら止まらなくなったので、今回はこのくらいで。いつになったらギター買った話に到達するんだろう・・・。


リヒテルの平均律

昨日のyojikとwandaのレコ発ライブで、開始前にステージの前にスクリーンを下ろしてロシア(たぶん)のアニメをやっていました。
アニメ自体もとても印象的だったのだけど、後ろでかかっていた音楽(の一つ)が、よりによってリヒテルの弾くバッハの平均律第1集の第8番変ホ短調。
※↓の32分42秒くらいから始まります。でも、せっかくなら最初のハ長調から聞いてほしいような気も。

ジャンル問わず、子供の頃から一番よく聞いたレコードはたぶんこれだと思います。
もっとも、それこそレコードがすり切れるほど聞いたのは第1番ハ長調から第8番変ホ短調までが入った一枚だけなんですが。たしか、親が最初にその一枚を買ってきて、あとから他のも入った全集を買ったんじゃなかったかな。でも結局二枚目以降はあまり聞いていないんですよね。

実は、父の葬儀のときにもこれをかけたんですよね。無宗教の葬儀でプログラムは葬儀屋や親戚の協力を得ながら決めたのですが、音楽も自分で選びました。
でも、葬儀の最中に聞いていて、特に第8番変ホ短調にさしかかったところで、ちょっと失敗したかなと思いました。いささか感情を強く揺さぶりすぎるので・・・。
そんなレコードです。

快活だったり激しかったりしつつも基本的には静謐な演奏、聞いたことのないような残響豊かなピアノの音。
一生の宝です。


yojikとwanda 2ndアルバム「Hey!Sa!」が届いた

というわけで、ようやく届きました。
発売日は3/3で、Amazonには予約注文していたんですが、なかなか入荷せず。CDショップなどでは買えそうだったので、キャンセルしようかと思っていたら15日に届きました。最近、Amazonでは新譜・新刊がこういう扱いになることが多いような・・・。

1stアルバムはほぼ2人だけで作った宅録作品だったけど、今回はバンドでの演奏。ライブを何度もやったメンバーだけに、全体としていかにもバンドらしい一体感・統一感のようなものが感じられます。スティールパン、トランペット、二胡などの特徴的な楽器が要所要所でなかなか絶妙な色づけをしていて、また全体の構成もしっかりした流れがあるので、アルバムを通しで聴くことで多くのものが伝わるような気がしました。
ジャケットデザインについても、yojikさんが熱く語っているように、イラスト、文字、写真それぞれ別の人に直接お願いしたとのこと。あまり見たことのないような個性的で面白い出来映え。

彼らのライブはよく見に行くので、多くの曲は聴いたことがあったわけだけど、歌詞カードを改めて見ると、いろいろ新鮮というか発見があったり。個人的には「ぼっちゃん」の「カモ」にちょっとびっくり。そういう(面もある)歌だったのか〜。

個人的には「あなたのせい」が好きカモ。

アルバムをリリースしたということで、しばらくはライブをコンスタントにやるようです。スケジュールはこちらですが、次は3/30の私との対バンライブだ〜。