月別アーカイブ: 2012年7月

練習の一環としての録音

最近、英語の勉強では「究極の英語学習法K/H System (入門編)」を、ギターの練習では「ギター・マガジン 耳と感性でギターが弾ける本」をそれぞれ使っていますが、両方に共通しているのは、録音して自分の現在のレベルをチェックすることの重要性を唱え、練習の中に取り込んでいることです。
前者では、シャドーイングを録音してミスした箇所をチェックし、自分の問題点を把握するとともに、ミスが一定数以下(たとえば一桁個とか)になることを進捗のメルクマールにしています。
後者は、ギターの弾き方だけでなく心構えとか生活習慣とかに至るまでいろいろアドバイスしているのですが、その一つとして自分の演奏を録音して厳しくチェックすることが挙げられています。目標をノートに書き出し、実際に弾いて録音し、聞いてチェックし、目標とのギャップを把握し、問題点をつぶしていく・・・という。
いや、まったくごもっともだと思いつつ、まだ上達のために録音するという行為が自分の中に習慣として定着していません。いや、定着どころかほとんど全くやっていないというのが現状です。何というか、目標とか「こうなりたい自分」とかを時限つきて書き出して、それの実現に向けて邁進する・・・みたいなのが、どうもメンタリティ的に苦手なんですよね。やりたいことやなりたいものがあるなら、そうした方がいいことは頭ではわかっているんですが、なにかこう、中長期的な将来まで束縛されているような感覚が駄目なのかも。
話が脱線しました。そういう将来目標を立てずとも、録音してチェックするということを取り入れることはできるはずなので、まずは今週末くらいにシャドーイングのチェックをするところから始めようかと思います。いずれにしても、これだけ安くて高性能な録音機材が豊富に出回っている今、語学や音楽の練習は昔に比べて飛躍的にやりやすくなっていることは間違いありません。あとはやるかやらないかの問題です・・・。うう。


Logic Pro 9 お試し中

先日からLogic Pro 9を試しています。

これまで、音楽制作のツールは、ずーーーっと(Digital) Performerを使ってきました。なにしろ、生まれて初めてパソコンを買った(それも勤務先から借金してまで)のも、Performerを使いたかったからなんですよね。
今までの音楽の作り方ーーなんて言えるほど作ってないけどーーなら、Digital Performerで特に問題はないと思うんですが、最近なんとなくループを組み合わせて音を作るようなことをやってみたいような気がしてるんですよね。
で、ちょろっとだけGarageBandをいじってみて、ループの扱いが面白いなぁと思ったりもしたんですが、やはりできれば生の音もまぜてあれこれ出来た方がいい(GarageBandだけでも結構なことができるみたいですが)。
というわけでLogic Pro 9です。なにしろこの手のソフトとしては17000円という破格の安さ。まもなくDigital Performerのバージョンアップが行われる見通しですが(というか春に出るはずだったんですけどね。そろそろ春とは言えない季節にさしかかりつつあるような)、そのバージョンアップ価格もたぶん17000円くらいではないかと思うので、1回バージョンアップをスキップしたと思えばあまり問題はないかな、と。
あと、アップルの純正ソフトだけあって教本が多いのもメリットだと思います。いまは”Apple Pro Training Series: Logic Pro 9 and Logic Express 9″という本に取り組んでいますが、機能を羅列したマニュアル本ではなく、ステップバイステップで実際に音楽を作っていくタイプの本で、なかなか面白いです。この本をコンプリートできたら、次は”Apple Pro Training Series: Logic Pro 9 Advanced Music Production”というのも控えてます。さてどうなることやら。


フォークギター教室の発表会

土曜日に、むかし通っていたフォークギター教室の発表会があるというので見に行ってきました。

印象深かったのが、みんな唄が良いこと。
特に初心者のうちは、ギターをミスると唄も止まってしまってあたふたしてしまうことが多いのだけど、今回はそう人があまりいなくて、ほとんどの人は流れを止めたりすることなくしっかりスムーズに唄を歌えている。テクニカルにすごくうまい唄という人はあまりいないのだけど、ストレートに素朴な感じで歌っている人が多くて、それがまたフォークっぽくていいんですよね。

つくづく弾き語りでは唄が重要だなと思います(当たり前か)。もちろんギターがうまいに越したことはないんだけど、ギターがめちゃうまだけど唄がいまいちなのと、唄は最高だけどギターがいまいちなのでは、ぜったい後者の方が良いと思うんですよね(独断)。

といいながら、ギターがめちゃうまで唄がほにゃほにゃなのもなかなか味わい深かったりします。たとえばチェット・アトキンスとマール・トラヴィスが共演している↓とか、特に左側のチャンネルから聞こえるチェット・アトキンスの唄がなんともほげほげなんですが、聞いているとなんだかすごくなごめます。


田崎晴明「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」

原発事故が起こって以来、ベクレルとかシーベルトといった言葉を頻繁に目にするようになったわけですが、放射線とか放射性物質そのものがこれまで日常的になじみがないものだったので、それぞれの単位の正確な意味は、ある程度まとまった形の信頼できる解説を読まないとなかなか理解するのが難しいと思います(少なくとも私にとっては)。さらに、そもそも放射線とか放射性物質とはどういうものなのかとか、どのくらいの値だとどのくらいの影響があるかとか、どういう対策にどのくらい効果があるのかとかいったことについては、いろいろな立場の人が異なった(場合によっては正反対の)意見を言ったりしているので、なかなか本当のところがわかりづらいのではないでしょうか(少なくとも私にとっては)。

田崎晴明さん@学習院大が先日ウェブにアップされた「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」は、そのような疑問にわかりやすく答えてくれるテキストだと思います。難しい数式も使わず平易に書かれているので、私のような文系人間でも大丈夫です。とはいえ中身は濃いので、読んでいて濃くなってきたら少し落ち着いて気持ちを集中させた方がよいかもしれません(平易なところはリラックスして読んでも大丈夫かと)。また具体例で計算(足し引き掛け割り算の範囲です)するところは、できれば自分でもそのとおり計算してみると理解が進むでしょう。

なお、この本というか田崎さんのスタンスは第7章を読むとよくわかります。

本やインターネットで人の書いた物を読んでいると(と言っても、ぼくは、人が書いた「まとめ」の類はあまり読まないのだが)、確信をもって「絶対に安全です。心配はいらない」と書いている人がいると思うと、同じくらい堂々と「絶対に危険だ。逃げろ」と叫んでいる人もいる。何故みんなこんなに確信を持って物が言えるのだろうと、ぼくなんかは不思議に思ってしまう。(中略)これまでの研究・調査の結果、ほぼ確実にわかっていると思えることがらについては「わかっている」とちゃんと書き、そうでないことがらについては、「わからない」と正直に書いた。

そして、「ほぼ確実にわかっていることがら」に対する理解が深まれば、世の中で言われているさまざまなことの一部はほぼあり得ない・起こりえないことがわかるので、考慮しなくてもよくなるでしょう。その結果得られる認識の中には、われわれにとって良いこと(たとえば「放射線の被害によって人がバタバタと倒れるようなことはなさそう(P121)」とか)もあれば良くないこと(たとえば「煮沸消毒しても、焼却炉で燃やしても、微生物に食べさせても、放射性物質を分解して無害な物質に変えることはできない(P27)」とか)もあるでしょう。

そして、そのように「わからない」ことが減らすことで、ほぼあり得ない・起こりえないことを怖がったり期待したりしなくてもよいようにしようというのが、これまで言われてきた「正しく怖がる」ということの意味だと思います。
一方で、田崎さんのような物理学者ですら勉強しても「わからない」ことはゼロにはならないし、たとえゼロに限りなく近づいたとしても、「怖がる」という「感じ方」には個人差があるし、かつそのような個々人の感じ方は尊重されなくてはならない、だというのが田崎さんの言いたいことだと思います。
私はどっちも正しいと思います。

なお、田崎さんのテキストは朝日出版社から単行本として出版することが決定した由。


鈴木さえ子・TOMISIRO「輪廻のラグランジェ オリジナルサウンドトラック」

鈴木さえ子が「輪廻のラグランジェ」というアニメの音楽を手がけているとの情報が最近ツイッターに流れてきたので、アマゾンを見に行ったら、なんともうオリジナルサウンドトラックがCDで発売されているではないですか! もちろん速攻でポチッとしました。

2004年にケロロ軍曹のサウンドトラックが出た時のことは、開業間もないブログで書いたのでそちらを見ていただければと思いますが、サントラと銘打ってはいるものの音は鈴木さえ子の音楽そのもので、待望久しい新作ソロアルバムとして感動しつつ聞いたものです。まぁ前作も映画「ノーライフキング」のサントラだったわけだし(そして音楽だけ聴いても素晴らしい作品だったわけだし)。
が、その後は翌2005年に第2弾が出たあとはまた音沙汰がなくなってしまいました。

ということで、次はどうなのかなぁとぼんやり思っていたところにようやく届いた新作が「輪廻のラグランジェ オリジナルサウンドトラック」というわけです。

「輪廻のラグランジェ」というアニメのことは全然知らなかったんですが、公式サイト
を見ると、千葉県鴨川市を舞台に高校ジャージ部の女の子を主人公とするロボットアニメとのこと。という説明を見ても???だったので、先週末に第二シーズンの初回があるということで見てみましたが、やはり???でありました。ケロロみたいに毎回完結するアニメと違って、しばらくずっと見ていないと全体の構図もストーリーもわからないということなのかもしれません。

ただ、鴨川市とか高校とかいうローカルな日常と、宇宙レベルでのロボットでの闘いというやたらとスケールの大きな話が交錯しているという構図を反映して、サウンドトラックものどかな日常っぽいものからスペイシーでファンタジックなものまで振れ幅が非常に大きいです。考えてみれば、ケロロも日常と宇宙人の侵略をミックスした作品だったので、そういう意味では共通点があるのかもしれません(本当か)。

いずれにしても、少なくとも音楽はアニメと切り離して単独で聞いても十分に楽しめる、鈴木さえ子ファンの期待に応える素晴らしい作品であることは確かです。