Some things just stick in your mind/Vashti Bunyan

だいぶ前にアマゾンに注文していたSome things just stick in your mind(Vashti Bunyan)がようやく届きました。

2枚組で、1枚目にはミック・ジャガー/キース・リチャーズの曲+フィル・スペクター風のアレンジによるデビューシングル(「第二のマリアンヌ・フェイスフル」として売り出したらしい)他、60年代に発表されたものを中心に、未発表曲やデモを収録。2枚目は1964年、19歳の時に家のテープレコーダーで録ったもの(各曲とも冒頭でタイトルを言ってから演奏を始めるのがほほえましいというか・・・)。
アレンジが施されたものも興味深いですが、個人的には弾き語りのデモやホームレコーディングがとても印象的でした。なんか弾き語りの方が唄が魅力的に聞こえるんですよね。まぁ、声とか唄い方がそういうバッキングに合っているということなんでしょうけど。フィル・スペクター風のアレンジは、ロネッツみたいな唄にはいいけど、Vashti Bunyanみたいに繊細なウィスパーヴォイスだと、なんだかステーキソースを寿司にかけたような感じがします。
それにしても、長い間Vashti Bunyanって1970年にアルバム”Just another dimond day“1枚を残して音楽シーンから姿を消した幻のアーティストだったのに、2000年(たしか)にJust another dimond dayが30年ぶりに復刻されたのを皮切りに、2005年にはセカンドアルバム”Lookaftering“が発表され、その後来日までしてしまうという状況になりました。
60年代についてVashti Bunyanは「自分はポップ・シンガーになりたかったのに活動の場所はフォークにしかなかった」という主旨のことを言ったようです。確かに当時は色々ジャンルのしばりがきつかったのかもしれません。ポップ・シンガーとして売り出そうとしたらフィル・スペクター系になってしまうし、フォークはフォークでボブ・ディランがエレキ持っただけでブーイングされるような不自由さがあったのでしょう。
そういう意味では、今はそういうしばりがほとんどなくなって、普通に自分のやりたいことをやりたいように出来る良い時代になったということなのかもしれません。
現在、Vashti Bunyanは3枚目のアルバム製作に着手していて、来年には出るとのこと。楽しみです。


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