飛翔二態

昨日の夕方、だらだらとネットを眺めていて目にとまった記事。

米国人冒険家、ウイングスーツジャンプで地面に激突し死亡

ウイングスーツジャンプなるものは聞いたことがなかったのだけど、記事にはモモンガみたいな格好で空を飛んでいる写真が。こんなもんで空を飛べるのか? ほとんど生身同然じゃん。

で、YouTubeをウイングスーツとかwingsuitで検索したら、いやーいっぱい動画あるわ。一千万以上のアクセスを集めてるものもあるし。結構有名なのかな。
いろんな点でとんでもないけど、スピードがまた無茶苦茶速い。ウィキペディアを見たら、「最高水平速度世界記録363km/h」とか書いてある。あんなほとんど生身の格好でこのスピード。すげー。しかもその記録を出したのは日本人なのか。
さらなるスリルを求めて、むちゃくちゃリスキーなことをやっている映像もあります。狭い岩の隙間をくぐり抜けたりリオデジャネイロのビルとビルの間を通り抜けたり。ひとつ間違えたら大惨事だよな。いやはや

あれこれ動画を見ていたら疲れてきたので、晩飯を食いに出ることに。
途中、本屋に寄り道して、つげ義春の「無能の人」を購入。週末に布団の中でつげ義春の漫画本を読んでいて、ふと「無能の人」をまだ読んでいないことを思い出して、ちょっと買って読んでみようと思ったので。

大戸屋でほっけ炭火焼き定食をつつきながら「無能の人」を読む。当然面白い。「面白い」という表現が適切かといわれると疑問ではあるけれど面白い。

その後、タリーズコーヒーに場所を移して読書継続。
そうしたら、「第三話 鳥師」の終わり頃に出てくる空を飛ぶ鳥師のシーンが、さっき見たウイングスーツで空を飛ぶ写真とそっくりで驚愕。なんという偶然。あまりにも世界が違いすぎるようでいて、何か相通じるものもあるようで、なんだか頭が混線。

ウイングスーツって、たぶんお金と暇がないとできないですよね。
ウィキペディアには「初めてのウイングスーツの使用には、ライセンスを持つ現役のスカイダイバーで500回以上の通常スカイダイビング経験、または最低200回以上の通常スカイダイビング経験とインストラクターの指導が必要である。」とか書いてあるし。
一方、「無能の人」に登場する人は、とりあえず暇はあるかもしれないけど、お金はない。絶対的にない。

共通する点ってなんだろ。やっぱり「死」かな。
そもそもウイングスーツを知るきっかけにはったのは、冒険家の事故死のニュースだし。ウィキペディアによれば毎年20人あまりが命を落としているそうだし。
多摩川の水門から飛んだ鳥師も死んでしまう。

それでも(いや、それだからこそ、なのかもしれないけど)、だからといってウイングスーツジャンプを止めるひとは(あまり)いないような気がするし、鳥屋は「おらも連れて行ってくれえ」と叫び、主人公の石屋は夜な夜な水門に立って飛ぼうとするようなそぶりを見せて息子に呼び止められる。

なんなんだろうな。

さて、仕事だ。


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