音楽〜聴く・観る・読む」カテゴリーアーカイブ

名古屋と京都でyojikとwandaを見てきた。

というわけで先週末の3連休はyojikとwandaのライブを見に、名古屋と大阪に行ってきました。

土曜日の昼間は普通に過ごし、夕方の5時頃に出発。これで8時スタートの名古屋のライブに余裕で間に合ってしまうのだから、新幹線は便利。

会場のブラジルコーヒー(Twitter)のある金山駅の構内で、藤田屋のあんまきと餅文総本店のういろうを買う。
藤田屋はこの日に金山駅構内に店を出していること及び餅文総本店はキヨスクで扱っているを事前に調査した上での計画的な犯行。

ライブ「金山ブラジルコーヒー45周年祭 和の階」。トップバッターは「ばけばけばー」というとんがっていてねじくれたロックバンド。基本的にこういう感じは好きなのだけど、押し寄せる高齢のためか耳の最大許容入力が劣化していることを痛感する。辛いのぉ。
二番手はなごみハイツ。大勢の人数で奏でる多様な音楽。そういえば以前に三鷹おんがくのじかんで一度見たことがあることが思い出される。最後の「ナツコ宇宙寄生虫」は聞き覚えがあった。
ラストはyojikとwanda。去年の10月もここで一度見てるけど、なぜ名古屋ではいつもこんなにテンションがぶっちぎれているのだろうか。名古屋以外でのライブとは全然違う。こんなライブが見られて名古屋のお客さんはラッキーだなと思う。いや、名古屋のお客さんが発する何かがyojikとwandaをしてかくの如く昂揚せしめているのかもしれんけど。

次の日は京都。ねむたい目レコード企画の「Silent Secret~しずかなひみつ~」。会場の喫茶ナイショはナチュラルサイクルという自転車屋の奥にある。というか、ライブ会場はどちらかというと手前の自転車屋側のような気もするのだけど、どこからがどちらなどといったことはどうも重要ではなさそう。とにかく今まで見た中でもかなりユニークなライブ会場であることは確か。さすが京都。
前半はmmmさんというギター弾き語りの女性。ヴァシュティ・バニヤンやリンダ・パーハックスを彷彿とするような歌と音楽。このライブは完全生音ということで、静謐な感じが一層強く感じられたということもあったかもしれないけど。あとで物販のところを見たら、以前にこれまた三鷹おんがくのじかんで見たアニス&ラカンカの一人であることが判明。なんだかいろいろつながっているんだなぁ。。。
後半はyojikとwanda。完全生音ということもあって、前日の名古屋とは客の反応も含めて全く対照的な感じ。とはいえ、午前五時みたい曲はしっかりグルーブが感じられたし(後ろの席の人がどかどか足を踏んでいるのが伝わって来たり)、ぐっと盛り上げるところではyojikさんの声はすごい浸透力がある。

ちなみに今回は、8月にyojikとwandaがナツ三部作をアップ後、最初のライブということになります。
作品そのものはフリーダウンロードで、ジャケットデザインもすごく力が入っていて、大丈夫かと心配になるほどです。
ポップなナツ、ゴージャスな夜は終わらない、一言で形容するのは難しいけどただただ素晴らしい午前5時と、3曲ともとても充実した内容なので、まだ聞いていない人は是非聞くことをお勧めします(ダウンロードはこちらから)。

最終日はいろいろ作業。
一年前に「青空のかたち」を出した後、なんだか何もやる気が起きない状態が続いているのですが、今回の旅行は、強い熱意をもってやりたいこと(音楽活動)に取り組むってどういうことなのかを(少し)思い出させてくれました。押し寄せる高齢のため(くどい)体力的にはなかなかきつかったけど、意味のある3日間だったのではないかなと。


クラモトキョウコさん企画「オトノハvol.4〜one on one〜」

最近、シンガーソングライター的な匂いを有する楽器演奏者が増えているような気がします。

例えばyojikとwandaのwandaくん。めちゃくちゃ達者でなおかつ独特なスタイルのギターを弾くけど、一方で歌物の曲も作るし自ら歌も歌う。
そういえば、バンド編成の時に二胡を弾いている吉田悠樹さんがギター弾き語りをしているのを二度ほど見たことがあるけど、これまた実に独特な味わいの演奏でした。

こういうのって別に今に始まった話ではないかもしれません。
以前にも紹介したような気がするけど、イエスのスティーブ・ハウとクリス・スクワイアがセッションの合間にボブ・ディランを弾き語りしている映像を見て、ああやっぱりこういう人達なんだ、単に上手いギタリストとベーシストというわけじゃないんだ、と思ったんですよね。
そして、こういうところがイエスの音楽性に大きく影響しているという気がします。
(一方、リック・ウェイクマンやビル・ブルフォードはこういうことやりそうな感じには見えませんが)

先日クラモトキョウコさん企画の「オトノハvol.4〜one on one〜」を見たときに感じたのも、そんなことでした。
最初にレバさんとの演奏に接した時から思っていたのだけど、なんか「サポート」というより「デュオ」という方が近い感じなんですよね。レバさんのミニアルバム「Window」(今は入手できないようですが)とかでもアコーディオンは必要不可欠な要素になっているというか。もちろん別なアレンジはありうるだろうけど、そうなると全く別物になりそうな気が。
それはなんでなんだろうな、と思ってましたが、これはクラモトさん自身が作詞作曲や弾き語りをすることと関係がありそうな気がします。

もちろん、ひたすら楽器演奏に注力することを否定する意図は全然ありません。一つの楽器を究めた人の凄さのようなものは私なりに承知しているつもりです。
ただ、「シンガーソングライター的なところのある楽器演奏者」が奏でる音楽には何か独特なものがあって、私はその独特な何かにある種の共感のようなものを覚えるということなんだろうと思います。自分はあまり楽器が上手く弾けないので、憧れのような気持ちもあったりするのかもしれませんが。

オトノハは今回で最後ということだそうですが、また良い企画が実現することを期待しています。
というか、フレデリック書院をそのうち観に行かなくては。


「yojikとwanda、田井中圭と影山朋子 」@Cafe Muriwuiを見に行ってきた。

平日にライブを見に行くのって結構好きです。仕事の気分転換的な意味ですが。
というわけで、月曜から祖師ヶ谷大蔵のCafe Muriwuiに出かけてきました。

こちらでは何度も紹介しているyojikとwandaだけど、最近wandaくんの企画で胎盤じゃない対バンライブがシリーズ化しています。
いろんな人が登場するけど、印象としてはクラシカル(あるいはジャズかも)なバックグランドがあって、ちょっと実験的なところが共通しているような。
プログラムは、それぞれが演奏した後、全員で合奏というパターンだけど、人選が上記のような次第なので、合奏もちょっと刺激的な感じ。

昨日の対バンは田井中圭影山朋子という初めて見る方々。検索して最初に出てくる動画からわかるとおり、実験的なところと素直で素朴な感じのSSW的な面を併せ持った音楽のようです。

で、昨日のライブだけど、これはもう最後の合奏にとどめを刺す!という感じ。
大爆発したアンナ、水を打ったように静寂の極みの風の道。この振り幅の極大な感じは凄い。
二人のかなり違った個性のギタリストの組み合わせも絶妙な感じ。
何となくペンタングルを思い出しました。↓とか改めて聴いてみると音楽性というか印象はだいぶ違うけど、アンサンブルの組成は共通するものがあるような(ないような)。

個人的には4人でまるごとライブやってほしい。
あるいは何かレコーディングして形にするとか。
そのくらい大きな可能性を感じました。


ロニー・レインとギャラガー&ライル

先日書いたギャラガー&ライル(と彼らが在籍していたマッギネス・フリント)のCDがどかっと届きました。
早速iPodで毎日通勤中に聴いて幸せな気分に浸ってます。

さて、ギャラガー&ライルは、フェイセズを脱退したロニー・レインが作ったバンド、スリム・チャンスに一時期在籍していたことがあります。
その頃に制作されたロニー・レインの1stアルバム「Anymore for anymore」は、ギャラガー&ライルの弾くマンドリンやアコーディオンがいい雰囲気を醸し出していて本当に素晴らしいのだけど、これまたレコードしか持ってません。以前にはCDが出ていたが今は廃盤の模様です。再発されないかな。

その時期のライブ映像が何曲かYouTubeに上がってます。
■How come。ロニー・レインのソロ・デビュー・シングル(だっけ)

■Deblis+Ooh la la。フェイセズのアルバムの曲。Ooh la laは最後に参加したアルバムのタイトルナンバーにしてラストナンバーですね。

■I believe in you。いま気づいたんだけど、これってギャラガー&ライルの曲じゃん。歌ってるのもライルだし。よく見たらアーティスト名が単なるSlim Chanceになってる。ギャラガー&ライルって(特に初期は)ほとんどライブやらないイメージがあって、この時期のライブ映像ってこれ以外に見たことないのだけど。

■そして「Anymore for anymore」に入っているTell everyone。

70年代後半以降は、多発性硬化症を発病して次第に音楽活動ができなくなっていきましたが、それでも90年には最初で最後の来日公演をやったりしてます。その頃はロニー・レインのことは全然知らなかったけど。97年に51歳で逝去。


祝!ギャラガー&ライルのファーストアルバム初CD化

枕で「ラビリンス/英国フォーク・ロックの迷宮」の話をしようと思ってアマゾンを見に行ったら、なんと電子ブックになっている!
CD-ROMにPDFが入っているという微妙な仕様がなんだかそれらしいです。

それはさておき、今から20年近く前に「ラビリンス/英国フォーク・ロックの迷宮」を買って読んで、見たことも聞いたこともないレコードが際限も無く紹介されているのに大きな衝撃を受けました。
ちょうどその頃、この本に載っていたマイナーな作品がぼちぼちとCD化されていたので、良いレビューが書かれていたものをいくつか試しに買って聴いてみました。バシュティ・バニヤンとか、シャーリー・コリンズとデイヴィ・グレアムとかですが、これがみんな大当たり!一気にこの本に対する信頼度がアップしたのでした。

そんな本のとあるレビューにこんなことが書いてありました。

コリン・ヘアとロニー・レーンの1st、そしてギャラガー&ライルの1stが私にとっての英国3大フォーク・ロック・アルバムです。初恋の思い出のように甘酸っぱいのです。

ほぉと思って真っ先に手に入れたのがコリン・ヘア。今思うと、コリン・ヘアが一番入手しやすいというのは何かがおかしいような気もしますが、これはまぁまぁという印象でした。いや、決して悪くないというか良い作品なんですが、私はどっちかっつーとその後入手したハニーバス(コリン・ヘアが在籍していたバンド)の方が好きだった。

次に手に入れたのがロニー・レインの1st。スモール・フェイセスのオリジナルメンバーだからマイナーとは言えないか。たまたま中古レコード屋を漁っていたら、そんなに高くない値段で見つかったので買ってみました。これは大当たり!一時期はCDが出ていたのに今は見当たらず。

問題はギャラガー&ライル。1stはCD化されたこともなく、中古レコード屋でも見たことがありませんでした。その筋の店に行けばあるのかもしれないけど、きっと目がぴよーんと飛び出るようなお値段なんだろうな。
そこでeBayを漁ったところ、まずまずの値段のものが出ていたのでゲット。送料を入れるとどうしても割高になってしまいますが。
で。これまた大当たり!次々と買った2nd以降の作品もみんな大当たり!いやーすばらしい。
アップルレコードのソングライターだったくらいなので曲自体も折り紙付き(死語)ですが、アコーディオンとマンドリンが得も言われぬ味を出していて本当に良いです。

こんな素晴らしい作品がなんでCD化されないんだろう?と思ってましたが、当初EMIからリリースされ、直後にA&Mからリリースされ直したりしているので、何か契約関係というか権利関係が面倒なのかも。

が。このたびとうとう初CD化が実現することになりました。ギャラガー&ライルの他の作品や、在籍していたマッギネス・フリントの作品も一気にCD化。というわけで、大人買いしまーす。いくつかはレコード持ってるけど、iPodでも聴きたいし、歌詞も見たいし。