月別アーカイブ: 2012年8月

ブリティッシュ・フォークの好きなところ

昨日、ブリティッシュ・フォークの半世紀の歴史をたどるBBCの番組Folk Britanniaを紹介しましたが、ひるがえって私はブリティッシュ・フォークを全面的に好きかというと必ずしもそうでもないんですよね。
というわけで、ブリティッシュ・フォークの好きなところをつらつらと。
■ギター
 ご他聞に漏れずサイモン&ガーファンクルのスカボロ・フェアが好きだったのだけど、ポール・サイモンの源流をたどるとマーティン・カーシーにたどり着き、さらに元祖的存在としてデイヴィ・グレアムがいて、周りにはバート・ヤンシュやらジョン・レンポーンやらウィズ・ジョーンズやら、魅力的なギタリストがいっぱいいるという。ただ、個人的にはインストにはそれほど惹かれないので、彼らが唄のバッキングをやったものが好みです。
・Folk roots, new route/Shirley Collins, Davy Graham
 シャーリー・コリンズの素朴な唄に、ブルースや中近東の風味も交えたデイヴィ・グレアムのギターが鋭くからむ異種交配感がスリリング。
・Cruel sister/The Pentangle
 他にもっとハイテンションなアルバムはあるけど、これはとても穏やか。でもバート・ヤンシュとジョン・レンポーンのギターはかっこいいし、最後のJack Orionは20分もある力演。
■SSW
 上にも書いたけど、基本的に唄物が好きなので。
・Five leaves left/Nick Drake
 ニック・ドレイクはまだ聞き込み不足なので、「すごく好き!」と諸手を挙げて言える状況でもないんですが、でも聞くたびにとても惹かれるものがあるのも確かで、そのうちじっくり聞いてみようと思ってます。ブリティッシュ・フォーク直系のギターも好き。
・Just another diamond day/Bashti Bunyan
 本人はフォークという畑で音楽をやることは必ずしも本意だったわけではないみたいだけど、このアルバムでバッキングをつとめているのはもろフォーク人脈。繊細な唄も演奏も曲も素晴らしい。
■その他
 インクレディブル・ストリング・バンドとかリンディスファーンとか、一般的なフォーク・ロックに近いもの(インクレディブル・ストリング・バンドを「一般的」と呼ぶのはかなり抵抗があるけど)は割と好き。一方で、もろ民謡なものとか、フェアポート・コンベンションやスティーライ・スパンなどトラッド色の強いフォーク・ロックもあまりぴんときません。リチャード・トンプソンはかっこいいけど。


BBC “Folk Britannia”

先日、ビーチ・ボーイズのライブレポを書いたら、ずいぶん多くの方が普段は閑散としている当ブログにお越しいただいたようです。
やはりアクセスを稼ぐにはテーマが大事ですね。
これを機会に心を入れ替え、多くの方に興味を持っていただけるテーマの選定に努める所存・・・なわけもなく、これまでどおり読む人のことなど考えずに好きなことを好きなように書いていきたいと思います。

で、BBCの”Folk Britannia“ですが、以前にブリティッシュ・フォーク関係のアーティストの名前をあれこれぐぐっていたら、たまたまそういう番組があったらしいことがわかったんですよね。
1956年のロニー・ドネガンの「ロック・アイランド・ライン」に代表されるスキッフルの流行から現代まで、半世紀にわたるイギリスのフォークの波瀾万丈な歴史をたどる番組なのだけど、すごい映像が目白押しで、思わず最後まで見入ってしまいました。これで英語が聞き取れればもっともっと面白いんだろうなー。

「フォーク=民衆の唄」ということでトラディショナルな民謡もあれば現代の労働者の唄もあり(その関係で政治との関わりもあり)、ブルースなど外国(主にアメリカ)の音楽やその時々に流行っていた音楽との異種交配もあり、実にダイナミックな歴史だったんだなぁと思います。

番組はエピソード1〜3まであり、それぞれが1時間番組です。YouTubeに全ての映像がアップされています(1エピソードが7パートに分割されています)。
■エピソード1:Ballads and Blues・・・1950年代のフォーク・リバイバルとスキッフル
 YouTubeのpt1(pt2〜7は順次追ってください)
■エピソード2:Folk Roots, New Routes・・・60年代のヒッピー世代によるフォークの新しい展開
 YouTubeのpt1(pt2〜7は順次追ってください)
■エピソード3:Between the Wars
・・・80年代のポストパンクな面々から現在まで
 YouTubeのpt1(pt2〜7は順次追ってください)


ビーチ・ボーイズ来日公演に行ってきた

というわけで幕張まで行ってきました。メジャーデビュー50周年ってのもすごいけど、何はともあれ存命の関係者が一堂に会したのはめでたいことではあります。

会場に着いたのは午後4時過ぎだったけど、なんだか割と涼しい感じがしました。やはり海の近くだからかな。まぁわれわれのいた一塁側は日陰だったせいもあるかも。三塁側は思いっきり西日が当たっていたからきつかったかも。それにしても客が少ない。こんなんで大丈夫なんだろうか。

そうこうするうちに、トップバッターの星野源という人が登場。全然知らなかったのだけど、フルアコ弾き語りをベースにした演奏は、なんか下北沢のライブハウスとかでなじみのあるタイプの音楽という印象。なかなかなごめてよかったです。

二番目はアメリカ。一緒に行った友人はアメリカが目当てで、帰りのグッズ売り場でもビーチ・ボーイズには目もくれず一種類だけあったアメリカのTシャツを買ってた。マニアやのぉ。演奏はとても充実していて、後半は思いっきり盛り上がってました。ステージ後ろに映し出される映像はベトナム戦争とか1970年頃のものが多くて、アメリカというバンドが活躍した時代を改めて感じさせます。

で、ビーチ・ボーイズ。7時頃に登場し、9時ちょっと前まで演奏。特に最初の方は初期のサーフィン/ホットロッド系の曲をメドレーで立て続けにぶちかましたこともあって、報道によれば33曲もやったらしい。いやーおなかいっぱいでした。

とりとめなく感想を書くと、
○ビーチ・ボーイズの全盛期にもブライアンはライブツアーに出なくなってしまったので、リード・ボーカルがレコードとライブで違うのは全然珍しいことではなかったのだけど、でも今回のライブではリード・ボーカルの「記名性」のようなものを強く感じました。初期のサーフィン/ホットロッドな曲はマイク・ラブの鼻に掛かった声で、コットン・フィールズやヘルプ・ミー・ロンダはアルの溌剌とした声で唄われて初めて「そうそう、これこれ」という納得感というかしっくりくる感じになるんだな、と。で、この二人の唄がかなり良かった(特にアルの唄は若々しく生き生きしてた)。
○逆に、コーラスのすばらしい出来は、かなりツアーメンバー(ジェフリー・フォスケットがいるとは聞いてたけど、後ろの方でキーボードを弾きながら唄っているのはダリアン・サハナジャみたいだったし、他にもブライアンのバンドのメンバーがいたのかな)のサポートによるところが大きかったんだろうなと思うけど、でも全然それでOKだと思った。。
○一方で、ブライアンは左端でピアノの前に座って固まってました。33年前に江ノ島に来たときもこんな感じだったのかな。唄はちゃんと唄ってたようだけど、表情は凍り付いたように全く変わらず。他のメンバーの生き生きと演奏し唄っている姿とのコントラストがあまりにも大きく、うーむという感じ。しきりに顔をぬぐってたので、暑くてぐったりしていただけなのかもしれないけど。

というわけで、幕張の涼しい夜風(本当に涼しい!)の中、大いに満足して帰路につきました。でも幕張は遠い・・・。

(追記)客の入りですが、ビーチ・ボーイズが始まる頃には満杯状態になってました(たぶん)。平日なので仕事帰りに来た人もたくさんいるのかな。でもアメリカも星野源もよかったので、なんかもったいないような。そういえばライブハウスの対バンライブとかでも、出演者が交代するごとに客が総入れ替え状態になってることがあるけど、あれと一緒なのかな。お目当て以外には興味がないというか。いや私がせっかくだから全部見たいと思うのは単に貧乏性なだけかもしれないけど。


海老名サービスエリア(下り)にメロンパンとソフトクリームを食いに行ってきた。

むかし、池袋西武に「ぽるとがる」というパン屋があり、メロンパンがたいそう美味しかったらしい(調べたら他にもあちこちに支店があったらしいですね)。
が、その後いつしかぽるとがるは池袋西武からも他のエリアからも姿を消し、今では東名高速道路の海老名サービスエリア(下り側)にしかがないらしい。テレビとかではずいぶん紹介されて有名らしいですね(私はほとんどテレビを見ないのでよく知らないんだけど)。

もう一つ、キハチソフトクリーム。昔は新宿駅西口とかに店があったのが、今では郊外や地方にしかなくなってしまった模様。
で、これまた東名高速道路の海老名サービスエリア(下り側)があるんですよねー。

というわけで、失われたメロンパンとソフトクリームを求めて海老名サービスエリアに行こう!という企画を前々から考えていたんだけど、でもわざわざメロンパンとソフトクリームのためにレンタカー借りて、高速代払って行くかぁ?という気持ちもあり、なかなか実現しなかったんですよね。

それが、たまたまネットを検索していたら、公共の交通機関で海老名サービスエリアに行って店を利用できるとの情報を発見!外部からサービスエリアの中に入る場所の様子はこちらの写真がわかりやすいですが、この門から通用口までの裏口感は無茶苦茶そそるものがありますよね。

というわけで、昨日行ってきました。
お盆休みの初日ということで、高速の下り線はまちがいなく超絶渋滞でしょうが、横浜発海老名行きの相鉄線も、海老名からの相鉄バスも余裕で座れました。あたりまえだけど。
国分寺台第8という停留所で下車。何の変哲もない郊外の閑静な住宅地です。
進行方向に進んで右折してしばらく坂道を上ると高速道路にぶちあたるので、その手前を左折。さらにしばらく坂道を上ると、写真にあったとおりのサービスエリアの入り口に到着。一般消費者なぞ用はない!と言わんばかりの業務用というか業者用のオーラを発しているたたずまいにやや気後れするものの、強い気持ちで進入(別に不法侵入というわけではなく、外部利用は認められているんですが)。建物と建物の隙間の狭い通路を歩いて行くと、ところどころに「入口」と書かれた張り紙があって、不安を和らげてくれるのが嬉しい。しばらく進むと通用口の扉があり、そこを開けるとサービスエリアのまっただ中。

なんだこの異界感は!

いや、この光景はよく知ってますよ。広大な駐車場が車でびっしり埋め尽くされ、食事したり買い物したりトイレ行ったりタバコすったりおしゃべりしたりひたすら休んだり走り回ったりしている、非日常的な気分で高揚した顔つきの老若男女であふれかえっているサービスエリアの光景は。
ただ、当たり前の話だけど、これまでサービスエリアを利用するときは自分も高速道路を車で移動する立場で、自分もその光景の一部だったわけですよね。でも、今回は人気もまばらな閑静な郊外の住宅地という全くの日常世界から、タイムトンネルのような通路を通って、突然非日常的な祝祭空間(というと大げさか)に放り込まれて、なんだか呆然としてしまいました。
通用口を出て通路を通って外に出たときも、さっきまでの喧噪は一体何だったんだろうという静寂世界で、またしても呆然。

ということで、今回の本来の目的であったメロンパンもソフトクリームももちろん美味しくいただいたんですが、サービスエリアの内と外のギャップがあまりにも強烈で、本来の目的を軽く凌いでしまった感が否めません。まぁ面白かったからそれでいいんだけど。


「乙女の金沢」と「サライ二泊三日の旅 金沢」

来月、金沢に遊びに行くことになりそうなので、情報収集のためガイドブックをアマゾンで検索してみました。

最初にアンテナに引っかかってきたのが乙女の金沢という本。副題は「カフェ、雑貨、和菓子、散歩道…かわいい金沢案内」。レビューとかも見て、これは当たりっぽいと思って即座にポチッとしました。一昨日届いて、ちらちらっと見たけど、どうやら期待どおりのものである模様。私のような中年男性には敷居が高いと思われるタイトルさえ気にならなければ、たぶん良い本と思われます。

もう一冊はサライ二泊三日の旅 金沢という本。こっちは熟年層向けに2泊3日で金沢を満喫する「王道の観光ルート」を提案するという内容らしい。まだ届いてないけど、たぶん「乙女の金沢」とは、同じ金沢という街のガイドブックとは思えないほど、ほとんど全く内容がオーバーラップしてなさそうな予感。

ということで、来週夏休みなのでひまなときにぱらぱら眺めてみて、また感想なぞ書くかも(書かないかも)。