フィーリン〜Guyun y su Grupo “Canta Elisa Portal”、Jose Antonio Mendez “Escribe Solo Para Enamorados”

結構前にヴィヴァ・ボサノーヴァという本を読んでいたら、カエターノ・ヴェローゾの「粋な男」というアルバムの紹介で故・中村とうよう氏が「このアルバムは本質はフィーリンをやっていることなのに、ライナーノーツにはそのことは全然触れられていない」と書かれていました。かなり批判的な書きっぷり(「ゲスの勘ぐり」とか書いてあったもんなー)に「そこまで書かんでもいいんじゃないか」と思いつつ、「フィーリン」というボサノヴァに相通ずるようなスタイルの音楽がかつてキューバに存在したことを知り、いつか聞いてみようと漠然と思ったのでした。

で、最近のことですが。
何かの雑誌(何だったか思い出せない)で雨と休日という西荻窪のCDショップが紹介されていたのを読んだのですが、「穏やかな音楽ばかりを集めたセレクトCDショップ」というコンセプトが気になったのでウェブサイトを見に行きました。扱っているCDを見ると、普段よく聞いている好きな音楽がずいぶん多かったので、なんか親近感を持ったのですが、最近のブログの記事でフィーリンのアルバムが紹介されている! ということで、即座に紹介されている2枚のCDを買ってしまいました。詳しい情報は元記事をご覧いただくとして、
■Guyun y su Grupo / Canta Elisa Portal
 ギターのコードワークはボサノヴァ(ジャズ)と共通するモダンな感じですが、スチール弦っぽい音色はまた違った味わいがあります(ボサノヴァはナイロン弦じゃないと・・・という感覚は私にはないみたいです)。唄はナチュラルなヴィブラートを利かせて比較的さらりと唄っていて、なんとなくボサノヴァ期の女性サンバ・カンソン歌手を連想しました。
■Jose Antonio Mendez / Escribe Solo Para Enamorados
 曲のタイトルが「あなたがわたしをわかってくれるなら」「変わってしまったあなた」「わたしを愛して」「できることなら」「私を責めて」「決心しておくれ」「私の熱愛」・・・という感じです(他の曲もみんなこんな感じ)。なんか演歌っぽい湿性の暑苦しい世界が展開されても不思議でない感じですが、音は全然そんな感じではなく、クールなバックと抑え気味の唄です。淡々とつぶやくような感じではなく、ハスキーで細かいヴィブラートのかかった声ですが、さらりと気持ちよく聞ける唄です。


2 thoughts on “フィーリン〜Guyun y su Grupo “Canta Elisa Portal”、Jose Antonio Mendez “Escribe Solo Para Enamorados”

  1. riko

    雨と休日はご近所でJose Antonio Mendez を最近聴いていたのでなんだかビックリしました♪奇遇ですね。

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    1. heli 投稿作成者

      >rikoさん
      というか雨と休日がご近所というのがうらやましすぎです。こちらの沿線はもともと多くないレコード屋が減少の一途をたどってます。

      返信

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