中級品志向

20年近く前の話ですが、アップルの初代のノートパソコンはPowerbook170,140,100というラインナップでした(Macintosh Portableは別にして)。170がいちばん高くて100が一番安いモデルだったのだけど、日本ではとにかく170と100がよく売れて140はあまり売れなかったという話を雑誌か何かで目にした記憶があります。他の国は、高くなるほど販売数が少なくなっていくのが普通なので、日本の売れ方はかなり特異だというニュアンスで書かれていたような(いずれもかなり曖昧な記憶ですが・・・)。

一番安いモデルより中ぐらいのモデルの方が販売数が少ないのは別に特異ではないので、上記の二極分化傾向の特異さというのは、要するに一番高いモデルが中くらいのモデルよりよく売れるという点にあると考えることができると思います。

これが日本だけの特徴かどうかはわからないけど、たしかにそういうことがあっておかしくないよなとは思います。
「とりあえず一番高いの買っておけ〜」みたいな物の言い方ってありますよね(最近はあまりないかな)。

まぁそれはそれで別にいいんですが(私自身20年前にはPowerbook170買ったし)、私自身は最近はものをよく吟味して(当社比)、身の丈に合った、でも安物ではないちゃんと中身のある良いものを選ぶようにしたいという気持ちが強くなってます。勝手に「中級品志向」と名付けてますが。

たとえばいま弾いているガットギターは確か8万円くらいでしたが、とても弾きやすくて満足してます。音はそんなにあれこれ比べたことないけど、個人的には特に不満はなく、私にとって十分よい音が出ていると思います。トップだけ単板でサイドバックは合板という仕様も、丈夫そうな(逆に言うと必ずしも音質最優先ではない)塗装も、私の雑な性格には合っていると思うし、何より外に持ち出すときにあまり気を遣わないですむのがありがたい。
自分の腕前を考えると、これ以上良いギターは必要ないよなーと思ってます。

あと、ジャンルによっては高級品(というか高価品)の値段はプレミアがついているがゆえに高いとかブランドだから高いということがありますよね。ギターもそういうところがあるし、オーディオなんかもっとそう。衣料品とかバッグとかもは言うまでもないですよね。
そういうものを含まない、値段に見合った実質的な中身を持つものがほしいというのも、中級品志向だと思ってます。

多くの分野で二極分化傾向が進んでいるせいか、そういう中級品を選ぶのは難しくなってきているような気もしますが、今後もそんなふうに身の丈に合った良い物を選んでいきたいと思ってます。


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