歌詞づくりの苦労

最近ぱらぱらと眺めている「ポオ 詩と詩論」という本にこんなことが書いてありました。

・・・真なるものに対して敬意を払うことにかけては、ぼくは人後に落ちないつもりだが、やはりここで或る程度、真理一流の説得の流儀が有効な範囲というものをはっきりさせておこうと思う。その方が真理の説得力を強めるし、やたらに範囲を拡げて、かえってそれを弱めるようなことはしたくない。(中略)真理を確固たらしめるには、単純、正確、簡潔でなければならない。冷静沈着で、感情に左右されてはならない。つまり、できるだけ詩的とは正反対の心の状態になければならない。真理一流の説得の流儀と詩のそれとの間にある根本的、断絶的な相違が見分けられないようでは、盲同然である。・・・(詩の原理)

ふだん仕事をしているときは、どちらかというと、ここでいうところの「真理」の世界に近い心持ちだと思うし、それ以前にもともと自分の体質がそっちに近いと思ってるんですが、そういう人がいざ歌詞のようなものを書こうとすると、何か普段の心持ちとは相容れないものを感じて、とても不自由な感覚を覚えたりします。
それを何とかしようと思って、休日に風呂に入ったり極力だらだらして、頭の中をとりとめないようにしようとするんですが。

でも、そんなふうにしていったんネタが出てきて、あとは整理編集、みたいな段階になったら、むしろ平日の朝の仕事前の時間帯とかの方が作業がさくさく進んだり(ポオ自身による”The Raven”の制作の解説を見ていても、なんかそんな感じがしました)。

まだまだ歌詞を作る作業スタイルが確立したとは到底いえないレベルですが、あれこれ試行錯誤する中でぼんやりと感じたことを書いてみました。


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