1月7日に我が家でオーディオ関係の仲間が集まって新年会をやりました。
そのときに某氏からお借りしたアームを取り付けて、今聞いています。
借りたアームはSMEというイギリスの有名なアームメーカーが1980年頃に販売していた3009seriesIIIというやつ。軽針圧MM型カートリッジをターゲットとしたことを思わせる交換式の細いチタンパイプもさることながら、ウェイト周りのまるでプラモデルみたいな作りが一種独特です。セッティングも普通のアームとはおよそ勝手が違っていてかなりとまどいましたが、なんとかやりとげることができました。また、カートリッジとヘッドシェルの間に挟むよう指示されているコンパウンドと称する代物が何とも油染みた感じでべったべたで、心の底から触りたくないという思いがこみ上げてくるのを我慢するのに苦労したり。
あと、プレーヤー本体に取り付けるための穴の形がこれまた一種独特なのですが、手持ちのアームボードに穴を開け直すのも大儀なので、別途アームボードを調達することに。ただ、これまた形が変形なので、形をトレースして依頼することにしました。お願いしたのは米谷材木店という横浜のお店。工作機械でさまざまな加工をしていただくことが可能で、材料もオーディオ的に面白いものを色々置いているユニークなお店です。実測ベースの形ということで、取りあえずあり合わせの材で仮抜きしてもらい、ちゃんとフィットするかどうか確認した上で本製作という形になりました。なお、写真は仮抜きのものです。
借りたアームで色々聞いていますが、高音が堅くならず中低音は厚みがあって、とても良いです。
世の中の路線とずれちゃったせいでいまいち理解されずにきた機器なので、heliさんのような方に気に入って
もらえて、個人的にはシュアのV15好きだったらしいSMEのエイクマンさんもお喜びのことでしょう。
音の傾向のご感想についてですが、DDモータでもありますので、アースラインに私のいれたフェライト関係
によるところもちょっとあるかもしれません。
>某氏どの
どうもお越し頂きありがとうございます。
確かに高剛性・重量級という日本のメインストリームとはずいぶん違う性格の製品でしたよね。海外では、超軽量グレースジンバルがもてはやされたりしているようなので、少し状況は違うのかもしれませんが・・・
そういえば、アースラインの繋ぎ方なんですが、小さい方の金具が2つありますが、トロイダルコアが直列に入るよう片方だけアーム側の端子に繋げばよいのでしょうか。
アーム—トロイダルコア—金具—フェライト—アンプ
うーん基本がわかっとらんくてだめっす。
一般的には、
DDモータ金属部–(コア)–アームのアース端子–(ビーズ)–アンプのアース端子
こんな感じですね。基本的にマニュアルのとおりでいいはずです。
>当時の流行
日本では二枚刃の407にAT33といった「目の覚めるような」キンキン気味のほうが人気あったとおもいます。モーターもTechnicsのとか。別系統の国内流派としてトーレンス+SME3012+SPUという正反対のドンヨリ系もありましたね。
>某氏どの
どうもありがとうございます。コアはモーターとアームの間に入れるのですね。早速つなぎ変えてみました(ちょっと線が短かったので、コアを2巻きほどほどきました)。Steely DanのGauchoを聞いてますが、やはり良い音だなぁ。我が家で一番細身の音のカートリッジ+針でも十分厚みがあります。
当時の流行、そんな感じでしたよね。SMEのこのアームもグレースのカートリッジも、当時の流行とはずいぶん違うところにいたんだなぁと改めて思います。
付記:針を丸針に変えて聞いてみましたが、高音が落ち着いた感じになって、でも迫力もしっかりあって、これまたなかなか良いです。こっちの方が多分某氏好みなんだろうなぁ。
あと「厚みがある」と書いたけど、細身の痩せた感じではないというくらいのニュアンスで、全体としての印象はあくまでも軽快な感じ。
低音はどうあがいても大体デジタルの方がいいんですけど、ハイコンプライアンスのカートリッジをそれ用のアームで聞くとかなり近いところまでいくかなという印象です。
ドンシャリのやつは音程なくなっちゃうんですよね。
そういえば先日漁った古文書(70年代前半のラジオ技術)に、「低速カッティングを行えば50Hzあたりまで10%近いひずみがあるはずで・・・」などと書かれているのを目にしました。スピーカーからのフィードバックもゼロにはならんだろうし、なかなかアナログで良い低音というのはむずかしいようですね。