秋の北海道旅行その3(N43)

N43を訪れるのは今回が初めてです。
でも、店の名前はずっと前から知っていました。
なんでそうなんだろう。
そもそもN43っていつごろ出来た店? と思ってネットを検索してみて合点がいきました。
就職のため22年間住んだ札幌を離れ上京した年でした。要するに入れ違いということですね。
では、なんでN43という店のことを知っているのか。
雑誌とかで目にしたりしたことは間違いないと思うけど、一番大きな理由はちざきバラ園のすぐ下にあったこと。
特にバラ好きというわけではないんですが、そもそもこのあたりは私が通っていた小中学校の校区内で、近くにはクラスメートも何人か住んでいたし、小学校の写生会がちざきバラ園で行われたりもしたので、子供の頃から自分のテリトリーという感じだったんですね。
東京で6年勤めた後、Uターン転職で札幌に戻ってきた時にも、初めて買った車(両親は運転しない人だった)で時々ちざきバラ園にドライブに行ったりしていました。
いや、単なるドライブじゃないな。その頃はまだ免許取り立てて、買った車はマニュアル車で、しかも卒検で坂道発進に失敗したりしているので、苦手な坂道発進の練習をするために時々ちざきバラ園の近くに来たりしていたのをいま思い出しました。
バラ園まで登り切る最後の100メートルは特に傾斜がきつくて、雪道とかでうっかり止まろうものなら、もう二度と発進できない恐怖の坂道だったな。
話がそれた。
そんなわけで、その頃にはちざきバラ園のすぐ下にN43という店があることは意識していました。
なぜ店を訪れることがなかったかというと、自分の車を運転して酒を呑みに行くわけにはいかないし、さりとて校区内(笑)にある店にタクシーで乗り付けるのも何だか変だし、公共交通機関で行ける場所ではないし、歩いて行くにはそれなりに距離があるし、何より酔っ払って急な坂道を登り降りするのは億劫だ。
どれも大した理由ではありませんが、縁がないというのはそんなものかもしれません。

その後、札幌で4年勤めた後、再び転職で上京し、今日に至ります。
2009年にはちざきバラ園も閉園してしまいました。その後どうなったかを見に一度だけ訪れていますが、教会とも結婚式場ともつかない場所になってました。

今回N43を初めて訪れたのは、旅先の夜をどう過ごそうかと考えたときにたまたま思いついたということではあるのですが、札幌に住んでいた頃には一度も訪れなかったことにふと思い至り、もう札幌に住んでいないからこんなことを思いついたのかな、という気がしました。
この店を訪れるということは、札幌との縁が切れたということ。
そんな感傷的な気分に浸りながら、うつくしい夜景を眺めていました。


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