」カテゴリーアーカイブ

出雲旅行記 その8(中海)

今回の旅行は3泊4日でしたが、最初の日と最後の日は観光なしの移動日だったんで、実質は1泊2日でした。
なんで前後に移動日をつけたのかというと、純粋にコストの問題です。
最近の飛行機は便によってすごく値段が違うんですよね。
今回計算してみたら、前日夜の便を使って前泊したり翌日朝の便を使って後泊したりした方が、ホテル代(東横イン)込みでも安いことが判明。
というわけで、こういうことになったんですが、結果的にはゆったりとした旅になってよかったです。
同じ日に移動と観光がごちゃまぜになると、どうしても慌ただしい感じになるけど、移動日を分けることで観光もじっくりのんびり楽しむことができる。
今後の旅はこんなゆったりした感じにしたいなと思いました。もう年だし。

東京から松江に行く際に使える空港は米子と出雲の2つがあります。
米子は県が違うけど、距離はほぼ一緒。米子はANAで出雲はJAL。
どっちでもよかったんですが、便の時間やら料金やら(大した違いはなかったけど)の関係で、今回は米子を使うことに。

※ところで、米子「鬼太郎」空港とか、出雲「縁結び」空港とかいうネーミングには、どーも違和感があります。

行きは、平日夕方に少し早めに仕事を切り上げて飛行機に乗りました。
米子に着いたのは20時過ぎ。もう真っ暗です。
そこからバスで45分かけて松江に移動するんですが、窓の外を見ても明かりのようなものが全然なくて、とにかく暗い。
「さすが地方は東京とは違って夜はちゃんと真っ暗になるな」などと感心していたんですが、帰り(午前)に同じバスで米子空港に向かったとき、行きのバスの景色が真っ暗だった理由がわかりました。
なんと道路が中海(「なかのうみ」だと思っていたけど「なかうみ」とも読むらしい。あんまり個性的とは言いがたい名前にも関わらず宍道湖よりもでかくて中国地方では最大、日本全体でも5番目に大きい湖)の中というか上を走っていて、道路の左右がみんな湖面という天橋立状態というか野付半島状態だったんです!(喩えがわかりづらいか)
下の地図を見ると、左上の春日神社から右下の江島大橋(ベタ踏み坂)まで、湖の上を県道338号線が走っているのがわかると思います。

今回は中海の写真は全然撮れなかったけど、なかなか良い景色なのでお勧めです。

ところで、実は江島大橋(ベタ踏み坂)もちょっと楽しみでした。
「ベタ踏み坂」って何?と思った方はこちらをどうぞ。要するに上り勾配がかなり急な橋なんですが、写真を見るとなんだか壁が立ちはだかっているように見えます。
こういうのは望遠レンズで撮るとそれらしいんだろうと思いますが、例によって私のカメラについているレンズは魚眼(泣)。
それでも、思いっきり拡大したら、一応は撮れていました。。。
1611izumo32


出雲旅行記 その7(宍道湖の夕暮れ)

松江市内をレイクラインという観光客向けのバスが走っています。
JRや一畑電車の駅と観光地を結ぶ循環ルートを一方向に20分に1本くらいの頻度運行していて、なかなか便利。
一回乗ると200円、一日券が500円なので、3回以上乗ればもとがとれます。

私も一日券を買ってあちこち回っていたんですが、そのうち夕方に「夕日鑑賞コース(嫁ヶ島運行ルート)」なるものが設定されていることに気づきました。要するに、夕日がきれいな時間帯だけ宍道湖の方をぐるっと回るルートに変更になるということですね。

宍道湖の夕日というのは当初の予定には全然入っていなかったんですが、別に他の予定があるわけでもなかったので、興味を持って乗っていることにしました。
突発的な予定変更だったので、そのルートのバス停まで少し歩かなくてはならなかったり、バス停にたどり着く直前にバスが一本通過していったりしましたが、なんとか乗ることができました。昼間に乗ったバスよりも遙かに混雑してましたね。そんなに人気があったのか宍道湖の夕暮れ。

■バス停。すでに日は暮れかかっています。バスから湖に沈む夕日を見ることができるのか微妙な情勢。
1611izumo27

■なんとか間に合いました。が、例によって魚眼レンズは遠くのものを克明に写すことには全く不向きで、これだと太陽が写っているかどうか全然分からないですね。。。
1611izumo28

■目一杯拡大。一応、まだ太陽は沈んでいません。
1611izumo31

■嫁ヶ島。ちょっとタイミングが遅くてすでに日は沈んでしまい、Wikipediaに載っているような夕日は見ることができませんでした。
1611izumo29

■宍道湖大橋を渡っているところ。右手前方の町並みは松江しんじ湖温泉あたりかな。日は沈んでしまっているけれど、これはこれでなかなか風情のある眺めかと。
1611izumo30

予定外のイベントにしては、なかなか良いものを見ることができて満足。


出雲旅行記 その6(堀川遊覧船)

「美しい水の都」というイメージを松江に対して抱いたきっかけは、たぶん子供の頃に読んだ小泉八雲の本だったと思います。
「たぶん」というのは、どういうタイトルの文章にどういうことが書かれていたか、全く思い出せないからなんですが。
最近では、「ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008」という本に収められたエッセイで、松江の美しさが語られていて、ほぉと思ったり。

で、今回初めて松江をゆっくり回ってみたのだけど、確かに「美しい水の都」でした。
それを満喫できるのは、堀川遊覧船です。
松江城の堀を小舟に揺られてゆっくり巡るわけですが、歴史を感じさせる水辺の町並みの日常的なたたずまいが実にのどかです。
いや、それ以前にぼーっとしながら水の上を舟に揺られていくこと自体がのどかなんですよね。
天気にも恵まれたし、最高でした。

■横道というか横堀。この向こうはどうなっているんでしょうか。遊覧船が行かない堀もいっぱいありそう。
1611izumo22

■石垣があるとやはりお城っぽい。
1611izumo25

■こんなふうに緑が鬱蒼としているところもあります。
1611izumo26

■低い橋の下を通過するときには屋根が下がります。客も体を低くしなくてはなりませんが、体の柔軟性が著しく低下していることを痛感させられます。ストレッチやらんと・・・。
1611izumo23

■ありふれた町並み。家のベランダから堀が見える生活ってどんなんだろうと想像してみたり。
1611izumo24


出雲旅行記 その5(菅谷たたら山内)

湯村温泉で一泊して、次の日は松江に直行する予定だったんですが、せっかく出雲の山奥にいるんだから、何か見るものはないかなと思って少し調べてみたら、見つけたのが菅谷たたら山内という、かつてたたら製鉄が行われていたところ。ということで、ちょっと立ち寄ってみました。
メインのたたら製鉄所は「菅谷高殿」という建物。外見はでっかい農家の建物という感じ。屋根は柿葺き(こけらぶき)というものだそうです。
1611izumo20

中はこんな感じ。真ん中の炉(白い土を練り上げて作ったお風呂といった感じの、いかにも手作りなものです)で三日三晩交代でふいごを人力で動かして作業し、高熱の鉄を取りだして、目の前の川までころがしていったとか、炎が何メートル(10メートルだったかな)にも達するので、昔は屋根はなくて吹き抜けだったとか、いろいろ説明を聞きながらイメージすると、これはなかなかすさまじい場所だったんだなと実感。
でも実際の屋内はすごく底冷えしていて(晩秋の奥出雲はやはり寒かった)、早々に退散。
1611izumo21


出雲旅行記 その4(湯村温泉)

1611izumo19

松江・出雲周辺には温泉が結構あります。
まずは何といっても玉造温泉。Wikipediaにも

平安時代より三名泉(『枕草子』)とされ、規模、歴史ともに島根県随一、城崎温泉や皆生温泉、三朝温泉らと共に山陰を代表する温泉地である。

とあります。ただ、そのぶん

基本的に料金設定は高く、数寄屋造りの高級和風旅館が多い。

なんですよね。

お次は松江しんじ湖温泉。昔は単に「松江温泉」という名前だったような気がするのだけど。一畑電車のターミナル駅なくらいなので、市街地の便利なところにあるし、宍道湖のほとりにあるので景色も良い(あとで「良い」どころではなく「素晴らしい」ことがわかったのだけど)。みんな鉄筋コンクリートのホテルなので、風情というのはあまりないかもしれないけど。

出雲の近くには湖陵温泉というのもあります。実はここには2回も泊まったことがあるんですよね。なんたって国民宿舎なので費用がリーズナブルなのがありがたい。

これらの温泉は、松江・出雲近辺ということで、平地にあります。
でも、今回はできれば山奥のひなびた宿に泊まりたかったんですよね。
なんだか最近は無茶苦茶忙しくて(当社比)、人里離れた静かなところでのんびりゆっくり温泉に浸かりたいとずっと思っていたので。
ただ、島根の山奥の温泉なんて全然知らないので、あれこれネットで探してみるしかありません。
で、見つけたのが湯村温泉というところ。雲南市から山奥の方に入ったところにあり、写真などを見る限りおおむね希望する条件に合致している模様。

というわけで、湯乃上館というところに泊まってきました。
古い木造の建物や、離れのいろりで晩飯を食べられるところなど、何となく愛媛の小藪温泉を彷彿とさせるものがあります。
温泉は道を挟んで向かい側にある共同浴場ですが、露天風呂もあってとても良い感じ。
季節からすると、露天風呂の温度は心持ち高いとベストかなぁ。内風呂はちょうどよかった。
何はともあれ、川のせせらぎの音を聞きながら、のんびりじっくりぼんやり露天風呂に浸かっているのはやはり最高です。

写真にもありますが、大根を干しているのを見ると、子供の頃母親が作っていた沢庵やにしん漬けを思い出します。