月別アーカイブ: 2022年5月

北海道自家用車旅行その7〜夢風舎

午後一番くらいに晩成温泉を出発。目的地の霧多布まではまだ150キロ以上もあります。
ナウマン国道を走り、十勝河口橋を渡ったあと国道が二股に分岐するので走ったことの無い海側の道を行き、道道1038号線とのT字路にぶちあたったらまた海側の道を行ってしばらくすると厚内の集落にでます。

厚内といえば、高校3年生のときクラスメートとキャンプに来たことがあります。なぜ厚内だったのかは全く覚えてませんが、当時小樽と釧路の間を運行していた夜行鈍行列車「からまつ」に乗ったことは覚えています。「からまつ」には寝台車もありましたが、お金のない高校生には寝台を使うなどという贅沢もできず、古ぼけた客車の背もたれが垂直の椅子に座っていったのでした。到底寝やすい環境とは言えませんが、そこは高校生、夜遅くまで話し込んで、話し疲れたら爆睡するという。
その他の記憶は。。。「からまつ」の編成が長すぎて厚内のプラットフォームからはみ出してしまい、線路の上に飛び降りる羽目になったこと。クラスメートの親の勤務先(北海道開発局)から借りたテントの骨が鉄製で死ぬほど重かったこと。ジンギスカンをやったのだけど皆早く喰いたいものだから次第に生焼けのまま喰うようになったこと。地元の子どもが前輪か後輪のどちらかがタイヤがなくスポークだけの変な自転車に乗っていたこと。などなど。
もう40年以上前のことだけど。やはり懐かしい。

厚内を過ぎると国道38号線に出て、しばらく走ると大楽毛から釧路外環状道路という高速道路に入り、釧路の北の外れを走っているうちにあれよあれよという間に国道272号線まで連れて行かれました。なんか釧路を無視したみたいで申し訳ないような気が。

その時点で午後4時を回っていましたが、せっかくなので厚岸町片無去(カタムサリ)のカフェ「夢風舎」でお茶。
ワッフルとアイスクリームとハーブディーをいただきました。
自分のブログを検索してみたら、過去3回も取り上げていました。まあ、根釧地方に来たらやはり一度は立ち寄りたいところです。


北海道自家用車旅行その6〜晩成温泉

前回のエントリーで「日高地方は行きづらい」という意味のことを書きましたが、これは鉄道など公共交通機関で旅する人間の感覚だったかもしれません。
車やバイクで旅行する人間にとっては関係ないもんね。実際、えりも岬の駐車場には車やバイクがいっぱい停まっていたし。

というわけで、(公共交通機関での)行きづらさ、マイナーさ加減ではえりも岬など目では無い晩成温泉です。
国道336号線のいわゆる「ナウマン国道」の区間にあるのですが、この結構長い区間は集落らしい集落がほとんどなく、人の気配が希薄な地帯です。
そんな国道から少し外れて、太平洋に面したところに晩成温泉はあります。

駐車場にはそこそこ車も停まっているし、お風呂にも結構客はいるし、車やバイクさえあれば人はどこにでも行けるのだなと思わされます。
そんな晩成温泉の魅力は何か?というと、ヨード泉という珍しい泉質や、風呂から太平洋が一望できるとか、いろいろあるけど、やはりこの人里離れたロケーションに尽きるのではないかと。
なんかこう、心身ともにリラックスできる感じ。

できれば、太平洋を見ながら温まれる露天風呂があるといいかな。

ちなみに、ナウマン国道は1992年まで十勝川河口で道が切れており、渡船が行われていました。wikipediaによれば「一日5便、小型ボートで両岸渡されたロープを人力で伝って航行するもので、人間以外は渡河することが出来ないものであった」とのこと。また、「国道を旅する」というサイトによれば、このような小型ボートでも、

船の側面にはしっかりと「開発局」という文字が入っている。開発局は、この国道336号を管理する組織であり、この船は紛れもない「国道の渡船施設」なのであった。

とのこと。
まあ、もう30年前の話ですが、でも1992年当時でも国道が渡船、しかもロープを伝って人力で、というのは相当レトロだったと思います。


北海道自家用車旅行その5〜えりも岬

北海道の観光地としては、日高地方はマイナーな存在です。
などと言い切ってしまうと日高地方に申し訳ないのだけど、北海道観光入込客数調査を見ると、2019年度(もっと新しいのもあるけど、コロナ禍前のデータが良いと思うので)の日高地方の入込客数は約180万人。全道で約1億4千万人なので、シェアは2%に満たないということになります。

全国的知名度のあるネタはいくつかあります。競走馬の産地。日高昆布。えりも岬。・・・まあでも、多くの人に日高に行ってみよう!と思わせるには少々物足りない、ということなのでしょう。
いや、実はそういうことだけでもなくて、単に他のメジャーな観光地回遊ルートから離れていて行きづらいという事実は無視できません。これは宗谷地方とかもそうです。利尻・礼文もサロベツ原野も素晴らしいところだけど、他の観光地回遊ルートから行くのは圧倒的に不便であり、入込客数も約200万人で日高といい勝負です。
もしも浦河の馬の牧場が札幌と小樽の間にあったら、えりも岬が函館の近くにあったら。。。などと考えるのも空しいことではありますが。でも、そうであるがゆえに観光ずれしてなくていいとも言えます。

が。えりも岬はとってもとっても観光地っぽいところです。
象徴的な存在がえりも岬観光センター。画像をぐぐっていただければわかりますが、とってもとっても観光地っぽいです。
別にdisってるわけぢゃありません。特に私みたいに人の気配のあまりないところばかり走りたがる傾向にあると、たまにはこういう賑わいも好ましく感じられたりするのです。
天気がいまいちな割には結構人はいっぱいいましたね。やはり観光地たるもの、こうでなくては。

岬を背に撮った写真。遠くに日高山脈が見えます。その右側の方がこの後に走る黄金道路。


北海道自家用車旅行その4〜二十間道路桜並木

90年代前半はUターン転職で北海道で働いていました。
毎年2、3の自治体を担当し、月一のペースで出張するような仕事です。
ある年には浦河町(日高支庁(現在の日高振興局)の支庁所在地)とえりも町の担当をすることになり、月に2回は日高方面に出張していました。
当時は自家用車で出張していたので、出張がてらあちこちに足を伸ばしていました。観光の仕事という側面もあったので、周辺の観光地を見て回る必要がある、という理由もありましたが。

そのときに知ったのが、静内町(現在の新ひだか町)の二十間道路桜並木。
それまで北海道で生まれ育った私すら知らなかったくらいなので、全国的な知名度は高いとは言えないと思いますが、新ひだか観光協会のウェブサイトによれば、

日本一の桜並木。約2,200本の桜が直線7kmに渡って咲き誇る。かってこの地にあった宮内省の御料牧場を視察する皇族の行啓道路として造成されたのがはじまりとされています。

ということで、規模的にも凄いし由緒正しいし、もっと知られていてもいいような気もします。

当時一度だけ訪れたのですが、残念ながら桜の季節ではなかったので、いつか桜を見に来よう!と心に決めたように記憶しています。
しかし、数年後には再び転職で首都圏へ。
その後も何度か北海道には旅行で訪れてはいますが、日高地方に足を伸ばす機会はありませんでした。

今回、苫小牧から道東へと移動するにあたり、やや遠回りにはなるものの、せっかくなので30年ぶりに日高を走ってみよう!と思い立ち、たまたま北海道の桜の季節でもあったことから、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ」と相成った次第です。
桜並木の端から端まで車でのろのろ往復してみましたが、さすが7kmもあると本当に果てしなく続く桜並木という感じで圧巻でした。
遠くにまだ雪が残る日高山脈(と言っていいのかな)の山並みが白く輝いているのも趣があって良いですね。


北海道自家用車旅行その3〜フェリー

子供の頃から寝台車が好きでした。
小学校に入る前の春休みと中学校に入る前の春休みの時期に親に連れられて札幌の自宅から東京の祖父母のところに遊びに行ったのだけど、青森駅や上野駅のプラットフォームに青い寝台車がずらりと並んでいるのを見て、なんともいえない気持ちをかき立てられたのを覚えています。

そんな寝台車もほとんど絶滅危惧種になった今、同じような旅情を味わえるのが夜に出航するフェリーです。
周りは真っ暗な中(海なんだから当然ですね)、フェリーターミナルと巨大な船の周りだけが明るい。
もうそれだけで独特の雰囲気があります。

ターミナルで乗船手続き(車検証を提示したりしなきゃならないんですよね)を済ませ、係員の指示に従って車でフェリーに乗り込みます。
車の中で船を前にして順番を待っている時のワクワクする気分。

船に乗り込んだら甲板に出て、青白く光るフェリーターミナルや、その手前で作業員たちが係柱から舫い綱を取り外すのをぼんやりと眺めながら、出航を待ちます。

いよいよ出航。次第に遠ざかる八戸の街の灯りをしばらく眺めます。

ちなみに、行きは個室が予約できました。
二段ベッドで混雑時には相部屋のこともあると聞いていたので戦々恐々としていたのだけど、結果的には相部屋にはなりませんでした。ラッキー♪
心置きなくぐっすり眠ることができました。

朝、苫小牧に到着。今日もいい天気。遠くに雪をかぶった樽前山が見えます。

上陸。今日はえりも岬を経由して霧多布まで400キロ走ります。
・・・が、その前に昨日車にこびりついた汚物(大量の蚊と鳥の糞のようなもの)を洗い流したい。
ということで、給油も兼ねてガソリンスタンドへ。洗車機にかけた後、バケツに水をくんで、ぞうきんで汚物を落としました。。。
まあ、何はともあれすっきりした気分で出発。